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更新日付:2024年2月16日 / ページ番号:C005946

新型インフルエンザQ&A

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 ( )内は出典です。海外の資料は翻訳した内容を掲載しています。短縮等原文に手を加えたものは、改変としています。なお、出典のWHOとは世界保健機関のことで、CDCとはアメリカの疾病管理センターのことです。

新型インフルエンザとは?

新型インフルエンザとは何ですか?(厚生労働省、改変)

 インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによっておこる病気です。通常、インフルエンザウイルスは、例えばヒトからヒトへといった同種の間で感染するものです。しかし、インフルエンザウイルスの性質が変わる(変異する)ことによって、これまでにヒト以外の動物が感染していたインフルエンザウイルスが、ヒトへ感染するようになり、そしてさらにはヒトからヒトへ感染するようになることがあります。この変異したインフルエンザウイルスのことを新型インフルエンザウイルスといい、そのウイルスによっておこるインフルエンザを新型インフルエンザといいます。これまでの歴史から、新型インフルエンザは、10年から40年の周期で流行するといわれています。しかし、次の新型インフルエンザウイルスがいつ出現するのか、予測することはできません。

新型インフルエンザの世界的流行(パンデミック)とは?

パンデミックとは何ですか?(CDC、改変)

 パンデミックとは世界的な病気の流行をいいます。
 毎年、日本や世界各地ではインフルエンザウイルスが地域的な流行をおこしますが、多くの人が免疫を持っているために発病する人はそう多くありません。しかし、新型インフルエンザをおこすウイルスは従来のものと異なり、人類は誰も免疫を持っていません。このために新型インフルエンザは世界中に急速に広がり、多くの人が病気になり、一部は死亡するといわれています。

なぜ、新型インフルエンザの世界的流行(パンデミック)の可能性が指摘されているのですか?(厚生労働省)

 インフルエンザウイルスが変異し、新たにヒトからヒトへ感染する新型インフルエンザの世界的流行の可能性が示唆されています。もし、新型インフルエンザが発生した場合、基本的にすべての人々は、そのウイルスに対して抵抗力(免疫)をもたないため、新型インフルエンザはヒトの間で、広範にかつ急速に拡がると考えられます。さらに、人口の増加や都市への人口集中、飛行機などの高速大量交通機関の発達などから、短期間に地球全体にまん延すると考えられます。この世界的流行をパンデミックといいます。ただし、新型インフルエンザウイルスがどのくらい強い感染力をもつのかについては、現段階ではわかりません。

パンデミックを阻止することはできないのですか?(厚生労働省、改変)

 パンデミックを阻止することは、世界的にも非常に困難だと考えられています。しかし、最近の研究では、新型インフルエンザの発生の初期で、その範囲が限られている場合においては、抗インフルエンザウイルス薬の内服と移動制限を行うことで、流行の拡大を遅らせることができます。ただ、これまで世界中で経験がないことなので、どの程度成功するかは未知数です。初めて発生する地域で、その発生をいかに早期に発見し、適切な対策をとることが大切です。わが国の対策については、「新型インフルエンザ対策行動計画」に示されています。
 現在、“世界はインフルエンザ・パンデミックが最もおこりやすい環境にある”と、WHO(世界保健機関)は考えています。そのためWHOは、世界にパンデミックの脅威の深刻さおよび事前に対策計画を準備する活動を実施する必要について知らせるための制度として、パンデミック警戒レベルの6つのフェーズを用いています(下図参照)。このフェーズというものは、世界的な視点でのものであり、個別の国に対してのものではありません。

パンデミック警戒レベル(WHO)

新型インフルエンザが発生した場合、どのくらいの人が感染しますか?(厚生労働省)

 米国疾病管理センターの計算式に日本をあてはめると、新型インフルエンザが全国的に流行した場合、約4分の1の人が感染すると予想され、また、医療機関を受診する患者数は最大で2,500万人と推定されています。

次のパンデミックでは、どれぐらいの被害が予想されていますか?(CDC)

 現時点では次の新型インフルエンザは鳥インフルエンザが変異したものから発生する可能性が高いといわれています。もし、このような事態が生じた場合には世界で5,000万から1億人程度の人が亡くなり、約520兆円の経済損失が出る可能性があるといわれています。

新型インフルエンザの症状

新型インフルエンザにかかった場合には、どのような症状が出ますか?(国立感染症研究所、改変)


 インフルエンザは本来、その症状の幅が大きい疾患ですが、基本的な症状は、突然の発熱に代表される全身症状(発熱、筋肉痛、頭痛など)と呼吸器症状(鼻水、くしゃみ、咳など)です。新型インフルエンザの症状も、このような症状になると予想されます。しかし、今後おこりうる新型インフルエンザの流行の際に、どのような症状が現れるかの予測は非常に難しいものがあります。

新型インフルエンザの治療

新型インフルエンザに対する治療はありますか?(厚生労働省、改変)

 インフルエンザの治療に使われている抗インフルエンザウイルス薬が有効であると考えられており、平成17年度に策定されたわが国の新型インフルエンザ対策行動計画では、わが国全体で2,500万人分の抗インフルエンザウイルス薬を備蓄することとしました。今後、治療薬、治療方法について、最新の知見が発表され次第、情報提供し、国がとるべきしかるべき対応策について公表することになっています。

ワクチン・抗インフルエンザ薬

新型インフルエンザに有効なワクチンはありますか?(厚生労働省、国立感染症研究所、改変)

 インフルエンザウイルスに対するワクチンは、実際に発生したウイルスを利用して製造されます。現在、新型インフルエンザウイルスが発生していないため、「新型インフルエンザ用のワクチン(パンデミックワクチン)」は、製造することができません。そこで、現時点では、東南アジアで鳥から感染した人(鳥インフルエンザ患者)から分離されたウイルスを元にしたワクチンを開発しています。このワクチンは、パンデミックをおこす前(プレパンデミック期)に製造されるワクチンということで、プレパンデミックワクチンと呼ばれます。しかし、インフルエンザウイルスが変化していくため、プレパンデミックワクチンが、実際に新型インフルエンザウイルスに対して効果があるかどうかは分かりません。
 現在、「インフルエンザウイルスに対するワクチン」の製造には、ウイルスが分離されてから約6か月間かかっています。このため、「新型インフルエンザ」の最初の流行には、「パンデミックワクチン」は間に合わないと考えられています。そこで、状況によっては、「プレパンデミックワクチン」を利用することが考えられています。また、国の新型インフルエンザ対策行動計画では、ワクチンの製造量に一定の限界がある場合には、「医療従事者及び社会機能維持者等を対象に接種について状況に即した検討を行う」としています。

ワクチンを打つことができなかった場合、抗インフルエンザウイルス薬で身を守ることはできますか?(CDC、改変)

 はい。インフルエンザウイルスへの感染早期に抗インフルエンザウイルス薬を使用すると症状が改善することがあります。しかし、無差別に使用されますとインフルエンザウイルスはその薬に対して抵抗性を持つようになります。また、一部の抗インフルエンザウイルス薬は発熱後48時間以内の内服にしか効果がなく感染後早期にその薬を使用した場合でも亡くなる場合があります。このためワクチンによる予防が最も効果的な方法といえます。

国内で抗インフルエンザウイルス薬を個人で入手することはできますか?(東京都・横浜市、改変)

 抗インフルエンザウイルス薬は医師の診察・処方がないと入手できません。

ワクチンや抗インフルエンザ薬以外に身を守る方法はありますか?(CDC、改変)

流行時には外出しない

 はい。効果的ないくつかの方法があります。
 まず、自分の身を守る方法として、(1)手をよく洗う、(2)帰宅時にうがいをする、(3)外出時にマスクを使用するなどが有効な方法です。もちろん、インフルエンザや新型インフルエンザが流行しているときには、不要不急の外出を避けることが、最も有効な防御方法です。
 一方、自分が他人に感染させないようにするには(1)咳やくしゃみの時には口をティッシュなどで覆う、(2)咳やくしゃみが続くときにはマスクを使用するなどの「咳エチケット」の徹底が大切です。もちろん、具合の悪いときは出歩かず家にいることが最も有効な方法です。

通常のインフルエンザワクチンは、新型インフルエンザに有効ですか?(CDC、改変)

 いいえ。通常のインフルエンザワクチンは、新型インフルエンザに対して、直接の効果はありません。しかし、通常のインフルエンザをワクチンで予防すると健康状態を良好に保つことになるため無駄にはなりません。

  • 通常のインフルエンザから身を守るためにワクチンを接種しましょう。
  • 65歳以上あるいは糖尿病や喘息などの慢性疾患を有する場合には主治医と相談し、その他の疾患に対するワクチンの接種も行っておきましょう。
  • インフルエンザウイルスに対するワクチン接種の効果は3から6か月程度とされています。家族のワクチン接種時期を確認しましょう。

海外渡航と新型インフルエンザ

海外渡航時に新型インフルエンザウイルスにかかる可能性はありますか?(国立感染症研究所、改変)

 少なくとも今、海外渡航により新型インフルエンザにかかる可能性は極めて少ないと考えてよいでしょう。また、WHO(世界保健機関)は、平成18年12月時点では新型インフルエンザの感染の可能性を理由とした渡航制限の勧告はおこなっていません。
 ただし、鳥のあいだでインフルエンザが流行している地域、あるいは鳥インフルエンザのヒト感染症例が発生している国に渡航する場合には、感染の可能性のある鳥類との直接の接触は避け、また生きた鳥を販売している市場や、家禽(ニワトリやアヒルなど家畜として飼っている鳥)の飼育場への不必要な訪問も避けるなどの注意が必要です。

新型インフルエンザの世界的流行(パンデミック)への備え

新型インフルエンザの予防はどうしたら良いのですか?(厚生労働省)

 通常のインフルエンザは、感染した人の咳、くしゃみ、つばなどの飛沫とともに放出されたウイルスを吸入することによって感染します。そのため、外出後のうがいや手洗い、マスクの着用、流行地への渡航、人混みや繁華街への外出を控えることが重要です。
 また、十分に休養をとり、体力や抵抗力を高め、日頃からバランスよく栄養をとることも大切です。現状では新型インフルエンザは出現していませんが、出現した場合も通常のインフルエンザと同様に感染防御に努めることが重要です。

ウイルスは、咳やくしゃみで飛び散ります。

パンデミックがおこったときの個人防御策はありますか?(国立感染症研究所、改変)

 パンデミックを拡大させないためにもっとも重要なことが、インフルエンザにかかり、咳などの症状のある方は咳やくしゃみをする際にはティッシュで口元を覆うか、マスクを着用してもらうということです。

咳エチケット

 もちろん、室温、湿度の管理、バランスのよい栄養の摂取、手洗いとうがいなど、一般的な個人衛生と体調の管理も個人で行える対策です。また、外出を可能な限り控え、感染した人との接触を可能な限り減少させることが大切です。国レベルの対策として、学校を閉鎖したり、公共施設や映画館などを閉鎖したり、あるいは集会を禁止したりということも考えられていますが、職場や家庭においても接触機会を減らすことは重要なことであり、パンデミックになった際に可能な限り感染している(かもしれない)人との接触を減らすために、どのような生活パターンとするか、あるいは外出機会を減らすために生活必需品を備蓄しておくなどを考えておくことが勧められます。


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