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更新日付:2020年6月16日 / ページ番号:C051837
※指定避難所とは…災害の危険性があり避難した住民や帰宅困難者などが、生命の安全を確保するため一時的に生活を営むことのできる施設のことです。さいたま市では市立小・中・高等学校及び県立高等学校、公民館などが指定されています。
集団生活の場となる避難所(指定避難所)では、感染症の流行が心配されます。感染症の予防については、個人個人の対策が必須ですが、感染症を流行させない環境づくりも大切です。具体的には、手洗いや消毒などの設備の設置、避難者への感染予防策の周知及び予防対策のためのルール作り、患者が発生した際の対応を決めておくことなどがあります。以下の環境を整えるには、災害発生直後に避難所設営時の初動が重要です。特に土足厳禁、履物の履き替えは、最初からルールが崩れてしまうと、守ることが難しくなります。
避難者が適切に感染予防対策ができるよう、すぐに使える啓発用の媒体を作成しましたのでご活用ください。
避難場所 設営時初期 |
土足禁止 |
手指の手洗い ・消毒方法 |
消毒液を扱う上での注意 |
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避難者が 集まってきたら |
咳エチケット |
健康管理 |
スペースに余裕がない時の寝方 |
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避難場所の中期継続 |
上水道及び下水道の安全が確保されるまで、組立式仮設トイレやマンホール型トイレなど災害用トイレを使用します。
下水道が破損していると、水が流れても排泄物が詰まってあふれ、トイレや土壌を汚染します。
上水道が使えない場合は、排せつ物が流れていかずに不衛生になりますので、貯め水等確保ができるまではトイレの使用を避けます。
トイレがあふれると、復旧に多くの時間がかかります。
上水道及び下水道の安全が確認されたら、避難所施設内のトイレを使用します。
トイレの衛生管理のために
トイレ専用スリッパを用意します。
清掃当番をすぐに決めて、毎日、清掃しましょう。
トイレでの手洗いについて
水が使えない場合は、アルコール手指消毒薬を設置しましょう。ポスター手指消毒方法を掲示してください。
水が使えるようになったら、石けんと流水で手を洗いましょう。共用のタオルは置かず(タオルを介しての感染を防ぐため)、ペーパータオルやアルコール手指消毒薬を設置してください。
トイレはスリッパに履き替えて(PDF形式:142KB) トイレはスリッパに履き替えて(書き込み用)(PDF形式:136KB) |
避難所内のトイレの衛生管理について(厚生労働省作成)(新しいウィンドウで開きます) |
水が使える場合は、こまめに手洗いをします。
手を拭く時はタオルの共用はせず、個人用タオルかペーパータオルを使用します。
水が使えない場合は、アルコール消毒薬を活用しましょう。
アルコール消毒薬の設置場所
・トイレ
・食事の準備をする場所
・食事をする場所
・出入り口付近 等
セキやクシャミをする時に、他の人にうつさないようマスクを着用することや、直接しぶきをとばさないよう顔をそむけたり、腕で抑えたりすることを「咳エチケット」といいます。
避難所のような人が多く集まる場所では、インフルエンザなどの感染症が拡がりやすくなります。
咳エチケットを呼びかけ、感染症の拡大を防ぎましょう。
避難者、避難所運営者及び災害ボランティア等、避難所にいるすべての人の健康状態を定期的に確認します。
報告すべき症状をポスターや放送で知らせましょう。
嘔吐した際の対応
おう吐物処理方法(PDF形式:196KB)
避難所で人が多くなると、人が寝るスペースも限られてきて顔が近くなってしまい、咳エチケットを守ってもクシャミやセキなどのしぶきが他の人の顔にかかってしまうかもしれません。
そんな状況においては、隣の人に対し、顔と足の向きを反対にして横になれば、しぶきがかかるリスクが減ります。
状況的にこれほど密集することはまれかもしれませんが、リスクを減らすために励行してください。
安全な場所への避難の過程では、自分でも気が付かないうちにけがをしていることも少なくありません。
被災によってけがをした方に対応する場合は、以下のようなことに気をつけましょう。
○けがの部位を確認します。手や顔などの服で覆われていない部分はもちろんのこと、足や体等服で覆われている部分であっても、服が裂け傷を負っていることもありますので、他にけがはないのか、ご本人に確認します。
○傷からの感染を防ぐためには、できるだけ傷をきれいに保ちます。
・水が使える場合は、流水で傷口を洗い汚れを取り、そのあと傷用の消毒液で消毒します。
・水が使用できない場合は、傷用の消毒液で消毒をします。傷周辺の皮膚の汚れもきれいにふき取ります。傷用の消毒液もない場合は、清潔なティッシュやウエットティッシュ、ガーゼ等で傷の汚れをふき取ります。
○傷をできるだけきれいな状態にして、絆創膏等で傷の表面を覆います。絆創膏等がない場合は清潔なガーゼ等を使用します。
○小さなな傷であっても、傷から感染症を引き起こすことがあるので、その状況でできるだけの手当てをします。
○手当後は、傷の状態(腫れや赤み)、痛みの具合、全身的な体の調子などを気にかけておくように伝え、症状があった場合は、避難所職員や医療スタッフに相談することを勧めます。
*この様な応急処置は、上記のような注意点を伝え、出来るだけご本人や家族等に行ってもらうとよいでしょう。
*けがをしている方を把握しておくことは、避難所を巡回する医療スタッフに速やかに引き継げ、その後の適切な処置につながります。
◎けがの防止に努めていくことも必要です。
がれきの中には、先のとがったもの、釘や棘の出ている木材など、けがをしやすいものが含まれています。その多くは、泥などによって表面が汚染されているため、けがをした場合、感染を起こす危険性があります。
壊された建物を撤去したり、下水などがあふれていた場所で汚泥の撤去作業を行う場合、以下のことに注意を払うことで、けがをすることに伴う創傷関連感染症や、水や土壌等に直接触れることによる経皮感染、感染性のある塵埃やエアロゾル等を吸入することによる呼吸器感染等を予防することができます。
○作業をするときは、けがの防止のため、素肌を露出しない裾の広がらない服装(長袖、長ズボン)で行い、破れにくい丈夫な手袋、長靴、安全靴などを身につけて、水や土、汚染された廃材などを直接さわったり、釘などを踏み抜いたりしないよう体を保護してください。
○作業中に舞い上がった埃や飛び散った水などが直接口に入らないように、マスクを使用します。
作業中、ガラスなどでケガをしたり、棘が刺さったりした場合は、いったん作業を中止し、傷ついた場所を清潔な水でよく洗浄し、傷が直接汚れた環境に晒されないように創傷被覆材(バンドエイドなど)で保護します。
傷が深い場合や棘などが残ってしまった場合、傷に泥などが入り込んでしまった場合は、創傷感染予防のため、すみやかに診療を受けてください。
○作業が終了したら、手袋などははずし、石鹸と流水でよく手を洗ってください。どうしても手洗いの水が入手できない時は、ウエットティシュなどで極力汚れを落としてから速乾性刷り込み式アルコール製消毒剤を使用してください。
(国立感染症研究所 感染症情報センター(現:感染症疫学センター) 東日本大震災 がれき撤去作業等の際の感染予防について―より引用)
・調理・配膳・食事の前に手洗い手洗いのポイント(PDF形式:100KB)、手指消毒手指消毒液使用時のポイント(PDF形式:234KB)を行います。
・可能なら、調理者・配膳者は使い捨て手袋を使用します。
・調理する際は、充分加熱し、生ものは避けます。前日調理は避け、作り置きはしないでください。
・食器は可能なら使い捨てのものを使用します。調理器具や使い捨てできない食器はしっかり洗浄します。
・食品や配給品は、冷蔵庫や冷暗所に保管し、消費期限を確認してください。
・避難者には、食品は取り置きせず、早めに食べるよう声をかけます。
・調理者、配膳者が感染症を広げないため、体調不良(特に下痢、嘔吐等)や手にケガのある時は、他の人と交代してください。
生ごみ、おむつ、嘔吐物が感染源となることがあります。
戸外のできるだけ生活空間から離れた場所にごみ捨て場を設置します。
ごみは密閉して保管します。
定期的にごみ処理を依頼しましょう。
避難所運営者からの情報提供にご活用ください。
(注釈)ここまでの情報は、さいたま市避難所運営マニュアルを元に、感染症予防について専門的知見を加えまとめたものです。
さいたま市感染症情報センターホームページをご覧ください。
保健衛生局/健康科学研究センター/保健科学課
電話番号:048-840-2250 ファックス:048-840-2267