ページの本文です。
更新日付:2015年1月5日 / ページ番号:C039049
さいたま市環境科学課では、毎月、市内を流れる河川について、水質調査を行っています。さいたま市内を流れる一級河川の一つである元荒川は、熊谷市を起点として、鴻巣市、桶川市、さいたま市岩槻区などを通って越谷市で中川に合流します。中川は、その後東京都を通って東京湾に注いでいます。
さいたま市岩槻区の永代橋の脇には、「末田須賀堰(すえだすがせき)」があります。堰とは水深や流量の調整のため、河川の途中などに設けられる構造物です。元荒川は古くから農業用水路として用いられており、全部で4カ所の堰が設けられていて、末田須賀堰はその一つです。4月から9月にかけて、農業用水の確保のため水門が閉まります。また、水門の脇には魚道が設けられていて、水門が閉じている時期でも魚が遡上(そじょう)できるようになっています。
末田須賀堰の周辺には、絶滅危惧種であるキタミソウの自生地があります。キタミソウは北海道の北見ではじめて採取されたことが名前の由来になっている多年草で、全国でも数カ所でしか見ることはできません。10月から3月にかけて2~3ミリメートルの非常に小さな白い花をつけます。キタミソウは、もともとシベリアに自生する植物で暑さに弱いため、日本での夏の間は水中にいることが必要です。夏期に水門が閉まり、堰上流に位置する自生地が水に覆われることが、キタミソウの生育に適しているようです。
今回は、河川調査地点である元荒川の永代橋周辺で見られる、末田須賀堰とキタミソウについて紹介しました。キタミソウの花はよく観察しないとわからないくらい小さいですが、見つけるとなんだかうれしい気分になりました。皆さんも植物観察などしてみてはいかがでしょうか?
保健衛生局/健康科学研究センター/環境科学課 水質係
電話番号:048-840-2266 ファックス:048-840-2267