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更新日付:2018年12月3日 / ページ番号:C062363
電子顕微鏡を使って日常で見られるものを観察するシリーズ。今回は髪の毛を観察します。
一本の髪の毛は、3つの層から成り、一番外側をキューティクル、中間部をコルテックス、中心部をメデュラと呼んでいます。ちょうど「のり巻きずし」のように、のりとご飯と具でできた三重構造をイメージすることができます。
では、実際に髪の毛を拡大して、構造を観察していきましょう。
まずは、髪の毛の表面を観察しました。
外側で瓦のように重なり合っているうろこ状のものがキューティクルです。
キューティクルは、硬いたんぱく質を主成分とし、外からの刺激から髪の内部を守り、たんぱく質や水分が失われないよう保護する役割を担っています。
ちなみに、ダメージを受けている髪の毛の表面も観察できました。
左側の髪の毛は、表面がめくれ上がって、一部内側が露出しています。右側の髪の毛は、キューティクルが失われています。
続いて、髪の毛の内部を観察しました。
キューティクルがはがれ落ちて、髪の毛の横断面を観察することができました。多数の繊維状のものがコルテックスです。
コルテックスは、髪の毛の85%~90%を構成する主体部分で、たんぱく質が主成分です。メラニン色素はこの部分に含まれ、髪の色を左右しています。
最後に、髪の毛の断面を観察しました。
断面図の中心部にメデュラが確認できます。
メデュラは、柔らかなたんぱく質と脂質を主成分としています。多くの空胞に空気を含み、髪の弾力や強さを左右しているといわれています。
保健衛生局/健康科学研究センター/環境科学課 大気係
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