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更新日付:2023年11月22日 / ページ番号:C005846

インフルエンザ、鳥インフルエンザと新型インフルエンザの違い

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 インフルエンザウイルスには3つの型があります。

 インフルエンザは、通常の「インフルエンザ」でも、「鳥インフルエンザ」でも、「新型インフルエンザ」でも、インフルエンザウイルスが原因です。そして、3つの違いは、原因となるインフルエンザウイルスの違いによって起こります。
 インフルエンザウイルスには、大きく分けて、A、B、Cの3つの型(「属」といいます)があります。A型インフルエンザウイルスは、ヒトや鳥、豚などの動物が感染します。B型C型インフルエンザウイルスは、一般にヒトだけが感染します。

「インフルエンザ」はA型かB型のインフルエンザウイルスが原因

 ヒトが、A型B型インフルエンザウイルスに感染した場合、鼻水くしゃみ、発熱などの風邪様症状に加え、38度を越えるような高い熱頭痛筋肉痛などの全身の症状が強く出ます。これが「インフルエンザ」です。我が国の場合は冬場を中心にといった具合に、国や地域によって流行が起こる季節があることから、季節性インフルエンザと呼ばれることがあります。
 一方、C型インフルエンザウイルスに感染した場合は、鼻水が増える程度の症状で済むことが多いとされています。また、感染を繰り返さないことから、健康上は問題視されません。

A型インフルエンザウイルスにはバリエーションが多い

 A型B型インフルエンザウイルスには、「亜型」と呼ばれる型がいくつかあり、亜型のなかにも「株」と呼ばれる型があります。A型B型のインフルエンザウイルスで、「亜型」や「株」の違いは、生き物の体内で、単独のウイルスが変化したり、複数の型のウイルスが同時に感染して混じりあったりして遺伝子レベルの構造を変化させるために起こります。この変化は、「変異」と呼ばれ、B型に比べ、A型インフルエンザウイルスで起こりやすいようです。インフルエンザに繰り返しかかったり、予防接種を受けたのにかかってしまうことがあるのは、これらの型の違いが原因です。

インフルエンザウイルスの説明

A型インフルエンザウイルスの起源

A型インフルエンザの説明

 現在、A型インフルエンザウイルスの「亜型」は、ウイルスの表面にある突起のうち、ヘマグルチニン(H型、16種)とノイラミニダーゼ(N型、9種)の形の組み合わせで分類されます。カモなどの水鳥からは、全ての亜型が見つかっています。一方、ヒトで流行するA型インフルエンザウイルスの亜型は、H1N1(ソ連型)とH2N2(アジア型)、H3N2(香港型)及び平成21年4月に確認されたAH1pdm09(インフルエンザ(H1N1)2009)の4つが知られています。そのため、ヒトが感染するA型インフルエンザウイルスは、水鳥に感染するけれども病気を引き起こさない(病原性を示さない)ウイルスが起源だったと考えられています。

鳥インフルエンザ

 水鳥に感染していたインフルエンザウイルスは、野鳥を経由して、家きん(飼育目的で飼われているトリ)に感染します。家きんに感染したインフルエンザウイルスは、家きん集団の中で感染を繰り返します。そのうち、家きんに病原性(病気を引き起こす)を示す「変異株」が出現します。この「変異株」を、鳥インフルエンザウイルスと呼びます。鳥インフルエンザウイルスのなかでも、発病したトリのなかで死んでしまうトリの割合(致死率)が特に高い型を、高病原性鳥インフルエンザウイルスと呼びます。日本では、H5亜型とH7亜型の場合は致死率に関係なく高病原性鳥インフルエンザウイルスとして、殺処分、消毒、卵や食鳥の移動制限などの措置が取られます。
 鳥インフルエンザウイルスは、トリからトリへと感染する能力を持っているものの、ヒトからヒトへと感染する能力は持っていません。しかし、H5N1亜型鳥インフルエンザのヒトへの感染は、感染した鳥やその排泄物、死体、内臓などに濃厚に接触することによって稀に起きることがあります。 これらの犠牲者の多くでは、病気のトリを含めた多数のトリを家の中で飼育したり、大量の死んだトリに触れる等、濃厚な接触が確認されており、感染したトリからH5N1に感染したとみられています。

新型インフルエンザ

インフルエンザの違い3

 新型インフルエンザは、人類がこれまでに出会ったことのないインフルエンザウイルス(新型インフルエンザウイルス)に感染して起こるインフルエンザです。特にヒトからヒトへと感染する能力を持っているかどうかがポイントになります。発生が心配されているH5N1は、現在のところ、ヒトからヒトへの感染は特殊な状況でしかおきていないため、新型インフルエンザウイルスとはいいません。
 新型インフルエンザウイルスは、A型インフルエンザウイルスが変異して出現すると言われています。
 豚には、鳥とヒトが感染する両方のA型インフルエンザウイルスが感染します。豚に、鳥とヒトが感染する両方のA型インフルエンザウイルスが同時に感染し、鳥が感染するインフルエンザウイルスが変異して、ヒトからヒトへと感染する能力を獲得することもあります。20世紀に出現したスペインかぜ(大正7年から大正8年)、アジアかぜ(昭和33年から昭和34年)、香港かぜ(昭和43年から昭和44年)は、鳥から豚を経由して新型インフルエンザウイルスが出現したとみられています。
 また、鳥が感染するA型インフルエンザウイルスには、ヒトが免疫を持たないH型やN型を持った亜型があり、新型インフルエンザウイルスの供給源と目されています。H5N1は、鳥からヒトへの感染を繰り返すうちに、ヒトからヒトへと感染する能力を獲得することが心配されています。
 新型インフルエンザウイルスが出現すると、感染したことのあるヒトが存在しないため、誰も免疫を持ちません。何らかの形で人類が新型インフルエンザウイルスに対する免疫を持つようになるまでは、世界中で多くのヒトが影響を受けます。もし、この新型インフルエンザが、症状が強く、致死率が高い場合、社会的にも影響を及ぼします。このような、世界的に大きな影響を及ぼす流行を、特にパンデミックと呼びます。パンデミックを引き起こした新型インフルエンザは、これまでにもたびたび出現しており、20世紀以降に限っても、スペインかぜ、アジアかぜ、香港かぜ、新型インフルエンザ(A/H1N1)が記録されています。
 現在、原因となる新型インフルエンザウイルスとして最も警戒されているのはH5N1です。それ以外にもいくつかの亜型が鳥からヒトへと感染したことがわかっているため、どの亜型が新型インフルエンザウイルスとなっても、また、いつ発生しても、おかしくないと考えられています。

インフルエンザや新型インフルエンザの予防

 通常の季節性インフルエンザウイルスは、感染者や患者の鼻水、咳やくしゃみによって飛び散る飛まつ(シブキ)に含まれています。そのため、季節性インフルエンザの主な感染経路は、以下の二つとみられています。まず、飛沫を含んだ空気ごと吸い込み、鼻やノドの粘膜に感染する飛まつ感染です。もう一つは、飛沫で汚染されたものを触った手から目や鼻、口の粘膜に感染する接触感染です。新型インフルエンザの感染経路も、現在のところ、季節性インフルエンザと同じと考えられています。
 飛沫感染を避けるには、患者の看病をするときなど患者の1から2メートル以内の距離で接する際や、流行時に人が混み合っているところではマスクを着用し、こまめにウガイをしましょう。接触感染を避けるには、こまめに手を洗い、汚染された手で目や鼻、口に触れないことです。もちろん、自分が感染原因とならないためには、咳が出るときに手やハンカチで口を押さえたり、続けて出るときにはマスクをしたりして、飛沫が周囲に飛び散るのを防ぐ、咳エチケットを徹底することが重要です。
 これら一般的な方法に加え、積極的なインフルエンザの予防方法には、ワクチンを使った予防接種があります。現在日本国内で使われている季節性インフルエンザワクチンは、A型ウイルスのAH1pdm09(インフルエンザ(H1N1)2009)とH3N2亜型(香港型)及び、B型ウイルスに対する免疫が得られるように調整されています。
 パンデミックの状況によっては、各事業所で欠勤者が増加し、物流の低下がおこる可能性があります。この影響と、外出による感染を避けるために、生活必需品の備蓄を行うことが考えられます。災害時と同じく、飲み水、(できるだけ調理に水を必要としない)食料品常備薬など、各家庭の事情に合わせた生活必需品を、2週間分を目安に備蓄することも考えましょう。

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