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更新日付:2021年8月17日 / ページ番号:C008467
海外へ渡航される方へ
海外には、日本では発生しない感染症がたくさんあります。海外で感染症にかからないようにするために、渡航先で流行している感染症の情報を事前に把握しておきましょう。どうやって感染するのかを理解していれば、対策をたてることができます。また、予防接種で防ぐことができる感染症もあります。詳細は下記をご覧ください。
海外へ渡航される方は、
1. 麻しんにかかったことが明らかでない場合、渡航前には、麻しんの予防接種歴を母子手帳などで確認しましょう。2回接種していない場合は予防接種を検討してください。
※麻しんの既往歴や予防接種歴が不明の場合は抗体検査も検討してください。
2. 帰国後には、2週間程度は麻しん発症の可能性も考慮して健康状態に注意してください。
(参考情報)麻しん(はしか)(さいたま市感染症情報センター)
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![]() ※啓発目的以外での、無断使用は禁じられています。 |
厚生労働省作成ポスター |
![]() ※啓発目的以外での、無断使用は禁じられています。 |
厚生労働省作成リーフレット |
クリミア・コンゴ出血熱はダニが媒介するウイルス性の感染症です。また、感染した動物やヒトの血液等に直接触れることによっても感染します。
発熱や関節痛、発疹、紫斑(出血)、意識障害などが主な症状です。ワクチンはなく、特異的な治療はありません。症状に応じた治療が行われます。
海外では、中国南部、東南アジア、中央アジア、ヨーロッパ、アフリカなどで発生しています。
発生地域に渡航される際には、以下の点にご注意ください。
詳細は以下の厚生労働省検疫所ホームページなどご参照ください。
クリミア・コンゴ出血熱 (厚生労働省検疫所FORTH)(新しいウィンドウで開きます)
クリミア・コンゴ出血熱とは (国立感染症研究所)(新しいウィンドウで開きます)
クリミア・コンゴ出血熱について (厚生労働省)(新しいウィンドウで開きます)
ジカ熱はジカウイルスによる感染症です。主にウイルスを蚊が媒介する(蚊に刺される)ことによって感染します。同じく蚊が媒介するデング熱と同じように発熱や頭痛、関節痛、筋肉痛、発疹などを引き起こしますが、デング熱ほど症状は強くありません。
アフリカ中央部や東南・南アジア、中央・南アフリカ、オセアニア/太平洋州で患者が確認されていますが、最近、感染地域が拡大傾向にあります。ブラジルでは胎児の小頭症が増加しており、ジカ熱との関連が疑われています。妊婦の方は流行地域への渡航は控えた方が良いとされ、厚生労働省検疫所が注意を呼びかけています(リーフレット(厚生労働省検疫所) PDF形式)。
ワクチンはなく、治療は対症療法となるため、やむを得ず渡航する場合は、蚊に刺されないよう十分に対策しましょう(下記、2 虫に刺されない 参照)。
・ジカウイルス感染症(ジカ熱)(さいたま市感染症情報センター)
黄熱は蚊に刺されることで感染し、発症すると発熱、頭痛、筋肉痛、吐き気などの症状が現れます。
黄熱には有効な予防接種があり、発症を防ぐことができます。
厚生労働省は、黄熱が流行している国・地域の周辺の黄熱のリスク国・地域へ渡航する場合には、黄熱予防接種証明書の提示が義務付けられているかに関わらず、渡航の10日前までに黄熱の予防接種を受けることを推奨しています。詳細は、以下の参考情報をご覧ください。
参考情報
・黄熱について(厚生労働省)
・黄熱のリスクアセスメント(国立感染症研究所)
・黄熱ワクチンの接種機関一覧(厚生労働省検疫所FORTH)
エボラ出血熱は、エボラウイルスに感染し症状のある人の血液や体液等に直接触れることで感染するほか、感染したオオコウモリ、サル等野生動物の死体やその生肉に触れることなどで感染します。発熱、頭痛、倦怠感、筋肉痛等の症状が出て、次に嘔吐、下痢、出血等の症状が現れます。死亡率が50%以上と高く、認可されたワクチンや特別な治療法がないため、症状に応じた治療となります。
発生国に渡航した際には、手洗いなど一般的な衛生対策を行い、感染した人の血液や体液、それらで汚染された可能性のあるもの、動物に触らないようにしてください。発生状況など詳細は、厚生労働省検疫所FORTH海外感染症発生情報をご覧ください。
エボラ出血熱についてのリスクアセスメント(国立感染症研究所 2017年10月2日現在)
中東呼吸器症候群(MERS;マーズ)は、2012年に初めて報告されたMERSコロナウイルスによる感染症です。
中東を中心に患者の発生が報告されています。
中東に渡航する方へ <中東呼吸器症候群に関する注意> (厚生労働省検疫所)
中東呼吸器症候群(MERS)(さいたま市感染症情報センター)
鳥インフルエンザA(H7N9)は、2013年3月以降、中国において患者が報告されています。
これまでのところ、ヒトからヒトへの持続的な感染は確認されておりません。
鳥インフルエンザA(H7N9)について(厚生労働省)
鳥インフルエンザA(H7N9)(さいたま市感染症情報センター)
海外では思いもよらないことで、深刻な病気に感染することがあります。 渡航先の情報は、厚生労働省検疫所、大使館、外務省のホームページ等で最新の情報を確認しましょう。
日本を含む一部の島国・地域などを除いて、世界のほとんどの国で狂犬病が発生しています。有効な治療法は無く、発病するとほぼ100%死に至る深刻な病気です。世界における死者は毎年5万5千人と言われています。イヌ以外の動物(ネコ、キツネ、アライグマ、コウモリなど)も感染源になりますので、動物に噛まれないよう、近づかないようにしましょう。
万が一、動物に噛まれた場合は、傷口をよく洗い、現地の医療機関を受診し、暴露後(ばくろご)ワクチン(動物に噛まれた後に狂犬病ワクチン接種を受けること)の接種など発病予防の処置を受けてください。
狂犬病(厚生労働省)
狂犬病(厚生労働省検疫所FORTH)
世界的に蚊やダニ・ネズミノミなどから感染する病気が発生しています。蚊に刺されることにより感染するマラリア・デング熱・黄熱・チクングニア熱はアジア・中南米・アフリカなど熱帯・亜熱帯地域で、ウエストナイル熱は熱帯・亜熱帯地域に加えて北米や欧州でも発生しています。いずれも重症型になったり、脳炎などを起こしてしまうと、生命にかかわることがあります。
デング熱・ウエストナイル熱などは、病原体となるウイルスそのものに有効な治療がありませんので、予防対策が重要です。蚊などに刺されないよう、長袖・長ズボンを着用し、素足でのサンダル履きは避け、虫除けスプレーの使用など対策をとりましょう。子ども、特に幼児への虫よけ剤の使用については、小児科医にご相談いただき、虫よけ剤が使用できない場合は、蚊が侵入できる隙間を作らないようベビーカーにぴったりと合う蚊帳でベビーカーを覆いましょう。
アジア、欧州、アフリカ地域などで、家きん(ニワトリやアヒルなど)の鳥インフルエンザの発生が報告されています。また、一部の国で鳥から人への感染が起き、人での発病や死亡例が報告されています。発病者のほとんどが、鳥との濃厚な接触により感染したと考えられています。生きた鳥を売っている市場や養鶏場などへは、不用意に近づかず、鳥類に近寄ったり触れたりしないようにしましょう。
また、アメリカ合衆国で2011年8月以降、豚と接触があったり、豚がいた農業フェアに参加した人から、変異型のインフルエンザA(H3N2)vウイルスにかかった人が確認されています。
いずれも予防のため、手洗いやウガイを心がけ、咳エチケットを守りましょう。
熱帯・亜熱帯地域や衛生状態の良くない地方では、食物や水から、A型肝炎・コレラ・細菌性赤痢などに感染することがあります。生水、氷、生野菜、カットフルーツ、生の魚介類、充分に加熱されていない肉などは避けましょう。
北米・欧州など先進国でも、加熱が不十分な肉から、E型肝炎や腸管出血性大腸菌感染症(O157など)に感染した事例が報告されています。先進国においても注意してください。
発展途上国では、下水処理が全く行われなかったり、日本に比べて不充分なことがあります。そのため、川や湖沼が、赤痢やコレラ、A型肝炎などの病原体に汚染されていたり、レプトスピラ、住血吸虫や土着の寄生虫がいることもあります。
病原体は目に見えないため、水浴や水泳により、不意に水が口に入ったり、粘膜や皮膚から、知らず知らずのうちに感染してしまいます。また、水しぶきを浴びたり、素足やサンダルで足を水に浸すことも感染の可能性があります。
発展途上国では、衛生管理の行われているリゾート地などの水浴・水泳用の場所以外では、感染症のリスクを考慮し、水浴等は避けましょう。
下記、厚生労働省検疫所ホームページをご覧ください。
帰国時、発熱や咳、下痢、具合が悪いなど体調に不安がある場合、又は、動物に咬まれたり、蚊に刺されたなど健康上心配なことがありましたら、空港に設置されている検疫所にご相談ください。
また、感染症には、感染から発病までの「潜伏期間」があり、すぐには発病しないものがあります。海外には潜伏期間の長い感染症が数多くあります。
帰国後、数週間から数年たって症状があらわれることもありますので、少なくとも6か月程度は、体調不良で診察を受ける際に、海外に行ったことを医師に告げてください。
その他不安な点は、最寄りの保健所にお問い合わせください。
保健福祉局/健康科学研究センター/保健科学課
電話番号:048-840-2250 ファックス:048-840-2267
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