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更新日付:2019年2月6日 / ページ番号:C010062

教育行政方針

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教育行政方針は、教育委員会が新年度の教育行政の執行にあたって、教育行政運営の基本的な考え方や主要な施策などについて示したものであり、毎年2月議会において表明します。


平成31年度教育行政方針

教育の使命と我が国の教育をめぐる現状

 誰も見たことのない未来をどう切り拓いていくか、人生100年時代の到来を迎えている今、教育のあるべき姿が大きく変わろうとしています。
 現在、我が国では、人口減少や少子高齢化の進行に伴い、家族形態や地域社会に大きな変化が生じる一方で、グローバル化の一層の進展とともに、第4次産業革命の時代と呼ばれる技術革新により、あらゆるものがインターネットにつながり(IoT)、ビッグデータや人工知能(AI)が進化し、現在人間が行っている様々な仕事が機械により代替されるなど、社会の変化の予測が困難な時代を迎えています。
 未来を担う子どもたちが、こうした社会を生き抜くためには、そもそも何を課題と捉え、どこに向かって進むべきなのかを視野に入れ、正解が一つではなく、解決の道筋がすぐには明らかにならないことに対して、試行錯誤と検証を重ねながら導き出される「納得解」を探求していく力をはぐくんでいくことが求められています。
 そのためには、子どもたちに、他者と協働しながら新たな価値を創造していく力や、夢を実現しようとする高い志のもとで可能性に挑戦する力をはぐくむとともに、コミュニケーションを通じて人間関係を築く力や、グローバル社会で活躍できる豊かな人間性と健やかな体を育成していくことが重要です。
 国においては、教育再生実行会議及び中央教育審議会等における議論やそれらに基づく提言を受け、平成30年6月に閣議決定された第3期教育振興基本計画によって、2030年以降の社会の変化を見据えた教育政策の在り方や、広く国民の間で教育施策の効果や必要性に対する理解を共有し、社会全体で教育改革を進めるための方策が示されました。
 学校教育においては、学習指導要領の改訂等を通じ、子どもたちが未来の創り手となるために必要な資質・能力をはぐくむとともに、よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創るという目標を学校と社会とが共有し、「社会に開かれた教育課程」の実現を図ることが重視されています。また、教職員の働き方改革も含めた、新しい時代の教育に向けた学校の指導体制の構築についても適切に対応するとともに、安全・安心で質の高い教育環境を整備していく必要があります。
 生涯学習においては、質の高い学びを生涯に渡って継続して受けることのできる環境を整備するとともに、全ての人が自ら学習し、自己の能力を高め、地域や社会の課題解決のための活動につなげていくことが求められています。
 一方で、地域コミュニティの構造が大きな変化を迎えている中、子どもたちの成長を支え、よりよい地域社会の構築に寄与していくためには、学校・家庭・地域・行政が連携・協働するための組織的・継続的な仕組みをより一層充実させるとともに、地域が学校を育て、学校が地域を育てる、学校を核とした持続可能なスクール・コミュニティを構築し、潜在している地域の教育力を学校に呼び込み、学校の教育力の一層の向上を図っていくことが重要です。

さいたま市教育委員会の取組と成果

 平成30年度は、「社会を生き抜く力をはぐくみ、多様な個性が生かされる教育の推進」と「人生100年時代を見据えた生涯学習の推進」を掲げ、日本一の教育都市の実現に向けて、様々な課題に積極的に取り組みました。
 特に、平成30年度からの新規の取組として、学校を核とした地域づくりの推進においては、コミュニティ・スクールの導入に向けたモデル校を指定し、アセスメントにより得られた結果を踏まえた熟議により、学校と地域の間で新たな気付きが共有され、互いの立場や果たすべき役割への理解が深まりました。このモデル校での成果をもとに、学校が地域住民等と一体となって特色ある学校づくりを進めていく仕組みを構築しました。
 学校教育においては、「グローバル・スタディ」を「12年間の連続性を持った教育活動の実践」として位置付けたグランドデザインを策定し、エビデンスに基づく授業改善に向けて、全国初の1万人規模での英語4技能効果測定(GTEC)を実施しました。また、小学生と中学生が宿泊を共にし、英語だけで生活するイングリッシュ・キャンプや「グローバル・スタディ」研究フォーラムの開催等を通じて、英語教育の更なる充実に努めました。さらに、さいたま市学習状況調査の結果を迅速に集計・返却する仕組みを構築し、児童生徒の確かな学力の向上を図ったほか、チャレンジスクールでは、民間の活力を導入したモデル校を各区に設置し、多種多様な学習活動や体験活動を提供できる仕組みを整えました。このほか、大学生を対象として「教員養成あすなろプロジェクト」を始動し、「さいたま市教師塾『夢』講座」を通じて、将来本市で活躍する人材の育成に取り組みました。学校安全に関する取組としては、学校安全ネットワークに、通勤や散歩をしながら子どもを見守るという新たな制度を導入し、より多くの人の目で子どもを見守る体制を強化しました。部活動については、単独で指導及び引率が可能な部活動指導員を市立中・高等学校に配置するとともに、生徒、保護者、教員のニーズを踏まえた部活動を目指して、適切な休養日の設定等も含めた、部活動の在り方に関する方針を策定しました。教育相談においては、近年の急激な社会変動により多様化・深刻化した、児童生徒の悩みに寄り添うため、SNSを活用した相談窓口を開設し、相談体制の強化を図ってまいりました。一方、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組としては、スポーツの意義や価値等に対する関心を高めるとともに、理解を深め、豊かなスポーツライフの実現に向けて、スポーツへ主体的に参画する態度を育成することを目的として、「さいたま市オリンピック・パラリンピック教育実施方針」を策定し、国際的な視野を持って世界の平和に向けて活躍できる人材の育成を図ってまいりました。
 生涯学習では、博物館において、2020年4月の開館に向け、与野郷土資料館の整備を進めたほか、本市の産業と経済の歴史や、世界をリードするものづくりの最先端技術を有した市内のリーディングエッジ企業について、子どもにもわかりやすい展示を工夫しました。また、公民館において、2階が入口となっている3館のうち、六辻公民館のエレベーター設置に向けた設計を実施することによりバリアフリー化を推進しました。さらに、図書館においては、本年5月に移転予定の大宮図書館を除く全館に、さいたま市公衆無線LANサービス「Saitama City Free Wi-Fi」の利用を可能にするとともに、インターネットを利用したクラシックを中心とする音楽配信サービスを新たに導入するなど、市民サービスの向上を図りました。さらに、市民の身近に存在する科学館や博物館等をはじめとした本市の生涯学習関連施設が連携・協働して、さいたま市生涯学習「学びのネットワーク」を構築し、本市の学習資源をネットワーク化した多種多様な「学びの場」を市民に提供してまいりました。
 
 このような新規の取組をはじめとして、教育委員会が取り組んできた様々な事業・取組において、学校教育での成果としては、「全国学力・学習状況調査」において、平成19年度の開始以来、小・中学校ともに全ての実施教科で全国や大都市、埼玉県の平均正答率を上回る良好な結果が得られました。さらに、同調査の生活習慣等に関する質問紙調査においても、将来に関する質問項目である「将来の夢や目標を持っている」(小6:86.7%、中3:74.0%)や、自尊意識に関する質問項目である「自分には、よいところがあると思う」(小6:90.3%、中3:87.4%)、社会に対する興味・関心に関する質問項目である「地域や社会で起こっている問題や出来事に関心がある」(小6:72.5%、中3:67.8%)において、小・中学校ともに、肯定的回答が全国や大都市平均を上回る良好な結果が得られました。
 国際的に比較する観点として、OECD(経済協力開発機構)の教育政策レビューによれば、我が国の教育が成功を収めている要素として、子どもたちに対し、学校給食や課外活動等、広範囲にわたる全人的な教育を提供している点が指摘されています。このことからも、本市における広範囲にわたる教育施策が、「知」「徳」「体」「コミュニケーション」のバランスのとれた子どもをはぐくむことに寄与し、大きな成果を収めていることが分かります。
 生涯学習での成果としては、市民のより高度で専門的な学習ニーズに応えるさいたま市民大学の参加者数が昨年度より上昇するとともに、参加者の満足度においては、親として成長することを目的とした親の学習事業についても約8割という高い数値を維持することができました。また、これまでの学習を通じて身に付けた知識・技能や経験を、地域や社会での活動に生かす生涯学習人材バンクのマッチング数が年々上昇するなど、良好な結果が得られました。さらに、博物館や美術館をはじめとした生涯学習関連施設における魅力あふれる展示・展覧会の各種事業や、指定都市最多となる25館の市立図書館をネットワークで結ぶ充実した図書館運営など、多様な学びの機会の提供や安全で安心な生涯学習環境の整備により、地域コミュニティの活性化や地域の教育力の向上が図られ、「第2次さいたま市生涯学習振興計画」で掲げた基本方針である、「だれもが『学べる・活かせる・つながる』新たな生涯学習環境の構築」を具現化することができました。
 こうした様々な取組をさらに充実、発展させ、成果を確実に上げていくため、今後10年間の本市教育における基本理念や目指すべき教育の方向性を示す、第2期さいたま市教育振興基本計画の策定作業を進めるとともに、2030年の未来を見据え、教育行政を一層推進する仕組みを構築してまいりました。


「未来を拓くさいたま教育」を推進する「PLAN THE NEXT 3つのGで日本一の教育都市へ」
 ~教育のちから 新しい時代を拓く~ 

 平成31年度は、先に述べました我が国の教育をめぐる現状や、これまでの取組の成果と課題等を踏まえ、「『未来を拓くさいたま教育』(※)を推進する『PLAN THE NEXT 3つのGで日本一の教育都市へ』」という考えを掲げ、さいたま市総合振興計画や第2期さいたま市教育振興基本計画等に基づき、22世紀を見据えた教育施策を積極的かつ着実に推進してまいります。

 3つのGのうち、第一のGは、Grit(グリット)「やり抜く力で『真の学力』を育成すること」です。やり抜く力とは、目的を達成するために継続的に粘り強く努力し、ものごとを最後までやり遂げる思考態度のことです。「確かな学力」が、基礎的・基本的な知識・技能、知識・技能を活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力等、学習意欲であるのに対し、「真の学力」とは、知識・技能や思考力・判断力・表現力等の『認知能力』と、学びに向かう力やものごとをやり抜く力、自制心等の学びの下支えとなる『非認知能力』を合わせた学力のことです。Gritを実現するために、学校の教育活動を通して、子どもたちの学びの下支えとなる、前向きに挑戦しやり抜く力や自制心、責任感、規範意識、社会性、自己肯定感・自己有用感、豊かな情操、他者への思いやり等を養っていきます。また、子どもたちが、生涯にわたって質の高い学びを重ね、自分の頭で考え抜いて「新しい価値」を生み出す知的にタフな人間として成長を遂げるため、知識・技能、思考力・判断力・表現力、主体的に学習に取り組む態度等をはぐくむ、質の高い教育を展開していきます。
 第二のGは、Global(グローバル) 「『国際社会で活躍できる力』を育成すること」です。「国際社会で活躍できる力」とは、多様性を理解し、世界を舞台に挑戦する主体性と創造性、豊かな人間性を持ち、言語や文化で異なる人と外国語で意見を述べたり、交流したりするのに必要な思考態度のことです。Globalを実現するために、全ての教育活動を通して、よりよい世界を構築するため、多様性を受け入れ、世界を舞台に挑戦する主体性と創造性、豊かな人間性を養うとともに、言語や文化で異なる人と外国語で意見を述べたり、交流したりする力を育成していきます。また、全ての教育活動を通して、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた郷土を愛するとともに、他国を理解し尊重する態度や国際社会の平和と発展に寄与する態度、豊かな語学力・コミュニケーション能力、主体性・積極性、異文化理解の精神等を身に付けて、グローバル社会の様々な分野において活躍できる力を育成していきます。
 第三のGは、Growth(グロウス) 「一人ひとりの成長を支え、『生涯学び続ける力』を育成すること」です。「生涯学び続ける力」とは、生涯にわたって、計画し、探求し、行動し、そして、振り返るといった連続性のある主体的・創造的な学びを通して、自己の能力を高め、成長につなげる思考態度のことです。Growthを実現するために、子どもから大人まで全ての人が、自らの能力を高め、発揮しながら自己実現を図っていくことができるよう、「学び」と「活動」が循環する、学校教育、生涯学習を力強く推進していきます。また、本市の強みである、学校・家庭・地域・行政による連携・協働体制をさらに強め、地域の教育力を一層高めていきます。
 古代中国、前漢時代の『戦国策』にある『百里を行く者は九十を半ばとす』という格言にもあるように、全てのことは終わりほど困難であるから、九分どおりまで来てやっと半分と心得て、最後まで気をゆるめるな、という戒めの言葉を肝に銘じ、「チーム教育委員会」として力を結集し、3つのGを力強く推進し、日本一の教育都市の実現を目指してまいります。

 平成31年4月には、美園北小学校、美園南中学校、大宮国際中等教育学校の開校を迎え、小学校104校、中学校58校、高等学校4校、中等教育学校1校、特別支援学校2校において、特色ある教育活動を展開してまいります。
 平成31年度に新規及び拡充する取組としては、市立学校への児童生徒用タブレット型コンピュータの整備を拡大するとともに、市立高等学校においては、海外への生徒派遣、大学での講義、企業訪問、著名人への訪問等を行い、トップリーダーとして活躍できる世界的な視野と豊かな国際感覚を備えた人材の育成を目指すイノベーションプログラムを導入いたします。また、スクールソーシャルワーカーを学校へ拡充配置するとともに、「SNSを活用した相談窓口」を実施することで、児童生徒の心のサポート体制を充実してまいります。このほか、子どもたちの宇宙へのあこがれや大きな志をはぐくむ教育を柱とした「宇宙のまちさいたま」を推進する取組としては、青少年宇宙科学館及び宇宙劇場において、大学や企業の研究者の方々を招いて子どもたちの好奇心を喚起する講演会や実験教室等を開催してまいります。さらに、学校を核とした地域づくりにおいては、市立学校7校をコミュニティ・スクールに指定し、地域と一体となって未来を担う子どもをはぐくんでまいります。また、新たなボランティア活動として、ボランティア活動を行った児童生徒を表彰する仕組みを導入した「『自分発見!』チャレンジupさいたま」事業を推進し、体験活動等に関する市の主催事業等や地域団体の事業の情報を広く収集・提供する取組を通じて、児童生徒の体験活動・ボランティア活動を一層活性化してまいります。学校における働き方改革においては、教員の負担軽減のために、新たに教員に代わって事務作業等を行うスクール・サポート・スタッフを配置するとともに、部活動指導員の配置拡大を図ってまいります。学校の教育環境整備においては、国の臨時特例交付金を活用して中学校の特別教室への空調機の設置を進めるとともに、学校の照明器具のLED化についても計画的に進めてまいります。

 人間は、誰もが向上心や知的好奇心を持っています。先人たちも、例えば、古代ギリシア人は余暇を利用して、身体を鍛えるためにスポーツを楽しんだり、情操を豊かにするために芸術に親しんだり、また、知的好奇心を満たすために哲学を語り合ったりしていたと伝わっています。古代ギリシア語で学校を意味する「スコーレ」は、真理を探究し、人格を完成するための時間や場所を指す言葉の語源であると伝わることからも、学校が、人間にとって楽しみを得られる場所であるということを教えてくれます。
 まさに新しい時代を迎えようとしている今、子どもたちに「想像力=imagination」と「創造力=creativity」をはぐくみ、与えられた「答え」をそのまま受け取るのではなく、自分の目で見て感じた「なぜだろう」を自分の頭で考え抜く、自立した学習者として、未来を拓く力を育成する教育活動を、さいたま市教育委員会は実践してまいります。
※ 「未来を拓くさいたま教育」とは、全国や政令指定都市に先駆けた教育施策や本市独自の教育施策を展開し、我が国においてトップクラスの教育を確立してきた本市ならではの特色を活かした魅力ある教育のことです。

1.12年間の学びの連続性を生かした「真の学力」の育成

 知識・技能、思考力・判断力・表現力等の『認知能力』と、学びに向かう力やものごとをやり抜く力等の『非認知能力』を合わせた「真の学力」をはぐくみ、将来にわたって新たな価値を生み出す力を育成します。また、保育所・幼稚園等と小学校での教育が円滑に接続されるよう、子どもの発達や学びの連続性を踏まえた教育活動の一層の充実を図るとともに、全ての市立学校の特色を生かし、学校種間の系統的な連携・接続を生かした教育活動を展開していきます。 

(1)確かな学力の育成
 児童生徒の確かな学力を育成するため、「基礎的・基本的な知識・技能」「知識・技能を活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等」「学習意欲」をはぐくむ取組を進めてまいります。また、基礎的・基本的事項の確実な定着を図る「基礎学力定着プログラム」や、言葉の力を高め、思考力・判断力・表現力等を向上させる「さいたま市国語力向上プログラム」の実施や、児童生徒の課題克服と活用力の伸長を目指す「課題克服応援シート」の活用に加え、児童生徒の時事への関心を高める「新聞を活用した教育(NIE)(※1)」等を引き続き推進してまいります。さらに「子どもたちの意欲を高め、学力を付ける『よい授業』」ができているかを教員自ら分析できる「『よい授業』集計システム」(※2)を各学校で活用するとともに、授業づくりのポイントを示した冊子「新・さいたま市の授業づくり」を用いて、教員対象の研修会、指導主事等による訪問指導を実施するなど、教員の一層の授業改善を図ってまいります。
 また、全ての市立学校に対して行う「計画訪問」では、指導主事等が全ての教員の授業を観察し、教育課程や学習指導、その他教育活動全般に関する専門的事項について、指導・助言を行ってまいります。その際、「全国学力・学習状況調査」や「さいたま市学習状況調査」の調査結果等を踏まえ、各学校の課題を明確にし、指導上の改善策を示すとともに、各学校から示された協議題をもとに研究協議を行い、教員の授業力を高め、「主体的・対話的で深い学び」の実現を図ってまいります。さらに、校長の要請に基づいて指導主事等が訪問し、教科等の研修の際に具体的な指導・助言を行う要請訪問や、「全国学力・学習状況調査」等の結果を活用した「学力向上カウンセリング学校訪問」や、生徒指導訪問、保健室・給食室訪問等についても、引き続き実施してまいります。こうした取組により、教職員の資質の向上と学校教育の充実を図ってまいります。
 理数教育では、「さいたま市理数教育推進プログラム」を推進し、児童生徒の理数に係る問題を主体的に解決する力の育成を図るため、本プログラムに示された「授業改善の重点」に視点を当て、算数・数学や理科の授業改善に引き続き努めてまいります。さらに、本市独自のさいたま市CST(コア・サイエンス・ティーチャー)事業を推進し、CST等による授業研修会やCST等が講師を務める観察・実験実技研修会をさらに充実させ、市全体の理科教育の水準向上に努めてまいります。
※1 NIE=Newspaper in Educationの略
※2 「『よい授業』集計システム」=児童生徒によるアンケート調査の結果を入力することにより、「子どもたちの意欲を高め、学力を付ける『よい授業』」ができているかを教員自身が分析できるシステム

 (2)アクティブ・ラーニングの推進
 グローバル化の進展や絶え間ない技術革新等により社会が急速に変化し、予測困難な時代にあって、学校教育においては、児童生徒が社会の変化に積極的に向き合い、他者と協働して課題を解決しながら新たな価値を創造する力などをはぐくむことが求められています。このことを踏まえ、児童生徒が学習内容を深く理解し、自分の人生を切り拓いていくために求められる資質・能力を身に付けられるよう、新学習指導要領において示された「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善を推進してまいります。
 具体的には、引き続き「希望(ゆめ)実現プロジェクト」として、大学教授を指導者に招へいし、「さいたま市『アクティブ・ラーニング』型授業実践研究部会」を開催いたします。実践研究部会では「12年間の学びの連続性を意識した日常的・継続的に実現可能な授業」や「各発達段階における効果的な評価」等の研究を推進してまいります。また、教育フォーラムを開催し、「さいたま市『アクティブ・ラーニング』型授業実践研究部会」の研究成果や、大学教授による最先端の教育理論・実践等を各学校に周知してまいります。
 これらの取組を通して、「さいたま市『アクティブ・ラーニング』型授業」(※)を全ての市立学校において推進し、児童生徒が学習内容を人生や社会と結び付けて深く理解するなど質の高い深い学びの実現を目指してまいります。
 ※ 「さいたま市『アクティブ・ラーニング』型授業」=教員による一方向的な講義形式の授業とは異なり、問題解決学習、体験学習、グループ・ワーク等の能動的な学習を取り入れることによって、「深い学び」の実現を図る授業

(3)全国学力・学習状況調査、さいたま市学習状況調査の活用
 「全国学力・学習状況調査」と「さいたま市学習状況調査」を「学びの向上アクションマップ」のPDCAサイクルに位置付け、教育施策の検証改善を行うとともに、本市の児童生徒の更なる学力向上を図ってまいります。学習状況調査等の結果に基づき、全ての市立小・中・中等教育・高等学校が作成している「学力向上ポートフォリオ(学校版)」を学校と教育委員会とが共有し、各学校Webページで公表することで、学校・家庭・地域・行政が連携・協力して、各学校の実態に応じた継続的な学力向上策に取り組んでまいります。また、「学力向上ポートフォリオ(児童生徒版)」を児童生徒一人ひとりの学習面や生活面の振り返り等に活用し、児童生徒の学びに向かう力を向上させてまいります。さらに、「学力向上カウンセリング学校訪問」を引き続き実施し、調査結果の活用方法について教育委員会が指導・助言し、各学校の実態に即した指導方法の工夫改善を図ってまいります。

(4)教育の情報化推進事業の充実
 新学習指導要領では、主体的・対話的で深い学び、アクティブ・ラーニングの視点等、授業改善のための必要条件としてICT環境の整備、教職員研修の充実が求められています。それらを見据え、タブレット型コンピュータや無線LANをはじめとした最新のICT機器等の教育環境整備を計画的に行ってまいります。
 平成31年度は、市立学校への児童生徒用タブレット型コンピュータの整備を拡大し、教員のICT活用指導力の向上と「分かる授業・魅力ある授業」の一層の充実とともに、児童生徒の情報活用能力の育成を目指した研究を進めてまいります。また、校務用コンピュータの活用を促進するとともに、授業や校務にICTを活用する能力の向上を図るため、教員一人ひとりの実態に応じたきめ細かな研修や、専門的な技能をもった外部講師を活用した研修を実施してまいります。

(5)保育所・幼稚園等・小学校の連携
 保育所、幼稚園、認定こども園、療育施設及び小学校、中学校、特別支援学校の連携を強化し、円滑な接続を図るため、5年経験者研修における「保育・幼児教育・療育体験研修」、小学校教諭の「夏季保育参観研修」を引き続き実施してまいります。
 こうした取組を通して、子どもが小学校以降においても引き続き良好な人間関係を築いていけるようにするなど、子どもの発達や学びの連続性を踏まえた教育活動の一層の充実に努めてまいります。

(6)「さいたま市小・中一貫教育」の推進
 確かな学力の向上やいわゆる「中1ギャップ」の緩和のために、義務教育9年間を連続した期間ととらえ、一貫性のある学習指導や生徒指導の推進を目指す「さいたま市小・中一貫教育」を、全ての市立小・中・特別支援学校において、引き続き推進してまいります。さらに各中学校区で設定した学習規律や生活習慣等の共通指導事項を達成するために、9年間の系統性を意識した学習指導や生徒指導の充実に努めてまいります。
 学習指導については、「『さいたま市小・中一貫教育』カリキュラム」に基づき、9年間の系統性や教科間の関連性を意識した指導の充実に努めてまいります。また、生徒指導については、児童生徒個々の状況に応じた迅速かつ適切な対応を組織的に行うために「児童生徒の心のサポート 手引き」を活用し、児童生徒一人ひとりへの支援体制を一層強化してまいります。

(7)中・高の連続性を持った教育の推進
 中高一貫教育校である浦和中学校・高等学校及び平成31年度に開校する大宮国際中等教育学校において、魅力あるカリキュラムの研究・実践を行うとともに、その成果を市立学校にフィードバックし、中学校から高等学校への円滑な接続と連続性を持った学びの充実に努めてまいります。
 また、市立学校が実施する研究発表会等に、それぞれの教職員が相互に参加することにより、発達段階に応じた教育の実態や課題を共有し、学校種を超えた授業研究の一層の活性化を図ってまいります。

(8)特別支援教育の推進
 共生社会の形成を目指し、障害のある児童生徒だけでなく、全ての児童生徒が互いに尊重し合い、自立と社会参加を目指すために一人ひとりの教育的ニーズに応じた特別支援教育を推進します。
 教職員の専門性の向上を図るため、特別支援学校教諭免許状取得のための教育委員会免許法認定講習や、管理職や特別支援教育担当者を対象として、特別支援教育に関する専門研修を実施します。このほか、障害のある児童生徒が適切な支援を受けられるように特別支援教育相談センターにおいて就学や発達の相談・支援を行います。また、障害のある児童生徒の保護者等の経済的負担を軽減するため、就学に必要な経費の一部を補助する特別支援教育就学奨励費を支給します。

(9)特別支援学級の全校設置
 障害のある児童生徒が住み慣れた地域で学ぶために、浦和中学校を除く全ての市立小・中学校に特別支援学級を設置できるよう教室整備を行います。平成31年度は、新たに4校の整備を行います。

(10)通級指導教室の拡充
 通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒が、より身近な学校で適切な指導が受けられるように、通級指導教室を拡充してまいります。平成31年度は、中学校発達障害・情緒障害通級指導教室及び小学校難聴・言語障害通級指導教室の開設準備を行います。

(11)市立高等学校「特色ある学校づくり」事業の推進
 現在取り組んでいる市立高等学校「特色ある学校づくり」計画をさらに充実・発展させ、市立各高等学校の強みを生かした取組を推進してまいります。
 浦和中学校・高等学校では、併設型中高一貫教育校の特徴を活かし、第一志望の進路実現を目指す環境を整えるとともに、高い知性と豊かな人間性・社会性を兼ね備え、国際社会に貢献する高い志を持った人材を育成してまいります。平成31年度は、校庭改修測量設計業務を実施してまいります。
 浦和南高等学校では、生徒の進路実現を目指し、進学重視型単位制カリキュラムの更なる充実に努めてまいります。また、人工芝グランドを活かし、高校生と地域住民がスポーツを通して積極的に交流する場を設定したり、スポーツ活動による新たな交流機会を提供する取り組みを推進したりするとともに、企業や大学と連携し科学的な分析を用いて、生徒の競技力向上のほか、課題の分析・解決力養成を目指します。
 大宮北高等学校は、理数科の設置から6年目、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)の指定から4年目を迎えます。平成31年度は、これまでの教育活動の実践を踏まえ、SSH第2期の指定を目指すとともに、全国でもトップクラスのICT教育環境と学習プログラムを整備し、科学技術分野で日本をリードする人材を育成してまいります。
 平成31年度をもって閉校となる大宮西高等学校では、少人数学級を展開するなど、きめ細かな指導を行ってまいります。また、県内初の中等教育学校として開校する大宮国際中等教育学校では、世界へ飛躍するグローバル人材を育成してまいります。
 新規の取組としては、全ての市立高等学校から希望者を募り、海外への生徒派遣、大学での講義、企業訪問、著名人への訪問等を行い、トップリーダーとして活躍できる世界的な視野と豊かな国際感覚を備えた人材の育成を目指すイノベーションプログラムを導入いたします。

(12)スクールアシスタント配置事業の推進
 全ての市立小・中・特別支援学校にスクールアシスタントを配置し、学習面、生活面、双方において児童生徒に寄り添い、個性や能力に応じたきめ細かな支援を行ってまいります。
 また、特別な教育的支援が必要な児童生徒が校外学習に行く場合に、スクールアシスタントが同行できるようにするなど、各校における運用の弾力化を図り、教育効果を高めてまいります。

(13)子ども読書活動推進事業の推進
 子どもたちが読書活動を通じて、自ら読書に親しみ、読書習慣を身に付けられるように、「さいたま市子ども読書活動推進計画(第三次)」に基づき、家庭・地域・学校等と連携を図りながら諸事業を進めてまいります。
 市立小学校の1年生には、小学校低学年向けの読書手帳を全員に配布し、読書記録の習慣化を図ってまいります。また、おすすめ児童書ブックリストの発行や既刊『読み聞かせボランティア向けブックリスト』を活用し、児童生徒への読書支援、ボランティアの育成指導に努めてまいります。
 さらに、様々なイベントの開催や、家庭・地域の読書活動を支援する読み聞かせ講座の実施、児童生徒向けの蔵書の充実、おすすめ図書の展示・紹介に努めてまいります。中・高校生による図書館ボランティア体験「さいたま・ライブラリー・サポーターズ」や、高校生と図書館員との本の交換展示等の取組を一層充実させ、生徒の読書活動を推進してまいります。

(14)学校図書館を活用した読書活動の推進
 市立図書館と連携した、「学校図書館資源共有ネットワーク事業」による蔵書の共同利用を引き続き推進し、「読書センター」「学習センター」及び「情報センター」としての学校図書館の計画的な利活用並びに児童生徒の主体的・意欲的な学習活動や読書活動の充実に努めてまいります。
 また、全ての市立学校に配置している学校図書館司書や司書教諭を対象とした研修会の充実を図ることで、その資質向上に努め、児童生徒の主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に生かしてまいります。
 さらに、「さいたま市『心を潤すこの一冊』子ども100選」及び「さいたま市『心を潤すこの一冊』子ども100選プラス」の活用を促し、児童生徒の読書活動を推進してまいります。

(15)ネットトラブル等防止のための情報モラル教育の推進
 近年、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)等の利用による誹謗中傷、いじめ等のトラブルが発生しており、その未然防止を図る必要性が高まっております。そのため、全ての市立学校において「携帯・インターネット安全教室」を実施するとともに、小・中学校の道徳、技術・家庭の授業において、情報モラル教育の教材である「情報モラル指導パッケージ」の活用促進を図ってまいります。
 また、平成31年度は、ネットトラブル等から児童生徒を守るため、スマートフォンの使用時のマナーやトラブルの未然防止等をまとめた、情報モラル学習サイト「スマホナビゲーター」(通称「ス学(マナ)ビ」)の内容を更新し、技術の進化に応じた情報提供を行ってまいります。
 さらに、保護者等を対象とした「親!おや?なるほどだねット出前講座」を引き続き実施し、家庭や地域の情報モラルに対する意識を高めてまいります。

(16)舘岩少年自然の家を活動拠点とした自然体験活動の推進
 「自然に触れ、自然に学び、自然で鍛える」という基本理念に基づき、全ての市立小・中学校が、舘岩少年自然の家を拠点にした「自然の教室」を実施してまいります。
 既存施設と新たに増築・整備された宿泊棟等を活用した、常時複数校が活動できる新たなシステムに基づき、立地条件、施設・設備、地域人材を生かした既存・新規活動プログラムの実施、各学校に対するきめ細かな指導・助言により、自然体験活動、集団宿泊活動をより一層充実させ、全ての児童生徒が、自然に親しみ、学校では得難い貴重な体験ができるよう努めてまいります。

2.グローバル社会で活躍できる豊かな人間性と健やかな体の育成

 グローバル化の一層の進展が予測される中、国内外の様々な場において、外国語で意見を述べたり、多様性を理解し、言語や文化が異なる人々と、交流したりするために必要な力を育成することが重要です。
 さらに、多世代交流や異年齢交流等、様々な体験を通じて学びに向かう姿勢や自己肯定感・自己有用感、豊かな情操や道徳心等、豊かな人間性を培うことも重要です。
 そこで、本市が進めてきたこれまでの施策の充実を図り、豊かな人間性と生涯にわたってたくましく生きるために必要な健康や体力の育成を図っていきます。

(17)「グローバル・スタディ」の充実
 国に先駆けて実施している本市独自の英語教育「グローバル・スタディ」では、平成27年度英語教育研究開発モデル校における先行実施、平成 28年度からの全ての市立小・中学校での実施及び平成30年度小学校での授業時数の拡充と、着実に実践を重ねてまいりました。その結果として、中学3年生で英検3級相当以上の英語力を有する生徒の割合が、平成28年度の45.9%から平成29年度では58.9%と大幅に上昇し、政令指定都市でトップとなるなど、英語力ナンバー1に向けその成果を大きく伸ばしております。
 引き続き、小学校における映像教材の活用や平成30年度に中学校で行った効果検証を踏まえて、小・中・高・特別支援学校12年間の連続性を持ったカリキュラムの充実に向け、ワーキンググループを開催し、見直し・改善を図ってまいります。また、小学校教員を対象とした英語力向上研修を充実させてまいります。
 一方、小学校英語劇発表会、中学校英語ディベート大会等で児童生徒の豊かな表現力が発揮されていることも踏まえ、引き続き、児童生徒が教室で身に付けた「グローバル・スタディ」の成果を生かし、積極的に英語でコミュニケーションに取り組む、イングリッシュ・キャンプ等の体験活動の充実を図り、将来、グローバル社会に主体的に行動し、たくましく豊かに生きる児童生徒の育成に資する取組を実施してまいります。
 さらに、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、世界中から多様な人々が集まり、外国語で交流する機会が増える中で、世界各国の人々と臆せずコミュニケーションを図ろうとする態度をはぐくむとともに、豊かな国際感覚を醸成し、将来の国際社会や地域社会での活動について主体的・積極的に参画できる児童生徒の育成を目指してまいります。

(18)グローバル人材を育成する中等教育学校の整備
 県内初の中等教育学校として、平成31年4月に開校する大宮国際中等教育学校において、グローバル人材の育成に努めてまいります。
 大宮国際中等教育学校では、Grit、Global、Growthの3つのGを6年間通してバランスよく身に付けることで、「生涯にわたって自ら学び続ける力」や「自分の頭で考え抜き、新しい価値を生み出す力」など、国際的な視野に立って探究し続ける「真の学力」を6年間の一貫教育の中ではぐくんでいきます。
 「English Inquiry」「LDT」「3G Project」といった特色ある授業を展開し、課題探求型学習やディスカッション、英語ネイティブ教員によるイマージョン教育、大学や各種関連機関と連携し、主体的に学び続ける姿勢やチームで課題解決に向かう素養をはぐくみます。
 また、国際的な教育プログラムである「国際バカロレア」の認定に向け、平成31年度は、MYP(ミドル・イヤーズ・プログラム)(※1)候補校申請を行い、DP(ディプロマ・プログラム)(※2)の申請に向けた準備を行ってまいります。
 ※1 国際バカロレア機構が提供する、中学1年生~高校1年生相当の生徒を対象としたプログラム。言語・数学・芸術等8教科から成り、これまでの学習と社会のつながりを学ばせる。
 ※2 国際バカロレア機構が提供する、高校2年生~高校3年生相当の生徒を対象としたプログラム。「言語と文学」、「個人と社会」等6つのグループと、「知の理論(TOK)」等3つの必修要件から成り、最終試験を経て所定の成績を収めると国際的に認められる大学入学資格が取得可能となる。

(19) 子どもたちの体力向上に向けた施策の推進
 「子どものための体力向上サポートプラン2018」に基づき、小学生が同じ運動に取り組みながら記録に挑戦する「体力アップキャンペーン」や、基礎的な体力向上を目的とした「新体力アップメニュー」を市立小・中学校の体育・保健体育の授業で活用するなど、児童生徒が運動に親しむ習慣を培うとともに、スポーツに対する意欲を高め、身体能力の一層の向上を図ってまいります。
 特に、本市の児童生徒の身体能力の課題である握力や投力の向上を目指し、楽しみながらその力の強化に取り組む「にぎなげプロジェクト」について、教員を対象とした指導方法に関する研修を実施するなど、より一層推進してまいります。
 また、オリンピック・パラリンピックに対する理解を深めながら、主体的に学ぶことや学んだことを自ら活用及び発信する力を伸ばすことを目指し、体育科及び保健体育科においてオリンピック・パラリンピックに関する授業を展開してまいります。

(20)学校・家庭・地域が連携した食育の推進
 全ての市立小・中・中等教育学校(前期課程)において自校方式による学校給食を実施している教育環境を生かし、地場産物や様々な行事食等を給食に取り入れ、各学校の特色を活かした給食を実施し、きめ細かな食に関する指導をさらに充実し、児童生徒の食への関心を高めてまいります。
 また、地元シェフによる学校給食や児童生徒が農作業を体験する学校教育ファームのほか、「地域の方を招いた学校給食」(児童と地域の方との会食)を実施します。さらに、東京オリンピック・パラリンピックの参加国にちなんだ、伝統的な料理や家庭料理を給食メニューに加えるなど、子どもたちの国際性・社会性をはぐくむとともに、学校・家庭・地域が連携した食育を推進してまいります。

(21)国際教育・交流事業の推進
 東京オリンピック・パラリンピックを目前に控え、グローバル化の進展を身近に実感する中、地球的視野に立って考え、言語や文化の異なる人々と協働していくことができる人材を育成するため、中学生国際交流事業及び市立高等学校海外交流事業を、引き続き推進してまいります。
 海外姉妹校等との交流事業では、市立小・中・特別支援学校と、海外に所在し姉妹校等の関係にある学校との交流を通じ、児童生徒の世界への興味・関心を高め、また、異文化理解を深めることにより、国際教育の充実を図ってまいります。
 海外姉妹都市教育派遣・受入事業では、本市の教職員を海外姉妹都市に派遣することにより、教員の資質向上を図るとともに、相互の理解と信頼を深め、本市と海外姉妹都市及び当該国との友好関係を進展させてまいります。
 また、帰国・外国人児童生徒等に対する日本語指導や学校生活への適応を支援するため、引き続き学校からの要請に応じて日本語指導員を派遣し、児童生徒の実態に応じたきめ細かな教育環境づくりに努めてまいります。

(22)心のサポート体制の充実
 いじめの問題や不登校等の解消を目指し、全ての市立学校でスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの支援が受けられる体制を整備するとともに、全ての市立中・中等教育学校に配置するさわやか相談員を含めた専門の相談員等が教員と連携して組織的な対応が行えるよう、校内教育相談体制の充実を図ってまいります。さらに、スクールソーシャルワーカーを、段階的に教育相談室から学校へ配置拡充することで、学校だけでは解決が困難な課題に対し、関係機関等と連携した支援体制を強化してまいります。  
 市内6か所の教育相談室・適応指導教室の運営を総合教育相談室が統括するとともに、適応指導教室におけるICT環境の整備や、フリースクール等との連絡協議会を開催するなど、不登校児童生徒に対する支援の充実を図ってまいります。
 また、「SNSを活用した相談窓口」を開設することで、これまで以上に、児童生徒の悩みや不安に寄り添えるよう、教育相談体制の強化を図ります。
 さらに、平成31年度は、自殺予防に向けた取組として、市独自のカリキュラムである「『いのちの支え合い』を学ぶ授業」の対象学年を拡大するとともに、平成30年度採用教員を対象に「ゲートキーパー研修会」を引き続き実施するなど、「SOSの出し方に関する教育」を推進することで、児童生徒の発する小さなサインを見逃すことなく、自殺の危機を早期に発見し、適切に対応する体制を強化してまいります。

(23)未来(みら)くる先生を活用したキャリア教育の推進
 文化芸術及びスポーツ等の分野においてトップレベルの実績があり、本市にゆかりのある方を中心とした講師「未来(みら)くる先生」を、全ての市立学校に派遣し、講師との触れ合いを大切にした授業を通して、子どもたちの好奇心や感動する心等をはぐくんでまいります。また、子どもたちの郷土である、本市への愛着心を深められるようにするとともに、キャリア教育の一環として、望ましい勤労観や職業観を育成してまいります。

(24)中学生職場体験事業「未来(みら)くるワーク体験」の推進
 中学生に望ましい勤労観、職業観をはぐくみ、学ぶことの意義を考えさせる機会として、中学生職場体験事業「未来(みら)くるワーク体験」を引き続き推進してまいります。
 また、事前・事後指導の充実を図るため、職場体験の前後に実施する「生徒の変容に関する調査」の検証結果を各学校へ情報提供するとともに、効果的な指導の在り方について情報共有の場を設け、生徒にとってより有意義な活動となるよう、関連団体等への広報活動を行い、地域の新たな受入れ事業所の更なる確保に努めてまいります。
 さらに、生徒の受入れに御協力いただいた事業所について、市Webサイトに掲載することにより感謝の意を表すとともに、本事業について市民への一層の周知に努めてまいります。

(25)アート・イン・スクールの推進
 将来の文化芸術の担い手である、児童生徒の感性と想像力をはぐくみ、豊かな情操を培うため、様々な分野で活躍するアーティストを、市立学校に派遣し、児童生徒が本物の文化芸術に触れながら学習する機会を提供します。学校と文化芸術団体等との連携を通して、文化芸術を愛する児童生徒の育成に資する取組を実施してまいります。

(26)人権教育・啓発事業の推進
 性同一性障害等の児童生徒への対応に係る国からの通知と、人権に関わる3つの法律(※)の内容を盛り込んだ「第3版人権教育指導プラン(教師用)」の学校での活用について、引き続き管理職人権教育研修会等で指導してまいります。また、児童生徒に対しては、人権意識の高揚を図るための人権標語・作文の募集と表彰、優しさと思いやりの心を体得する人権の花運動を引き続き実施するとともに、平成31年度は、新たに児童虐待の予防及び早期発見を目的とする啓発資料を全ての市立学校の保護者へ配布するなど、人権教育・啓発事業を推進してまいります。
 人権教育集会所では、様々な人権問題の解決を図り心豊かな明るい地域づくりを目指すために、市立博物館や市立図書館等と連携した講座や、人権講演会等の主催事業の実施、各種サークル活動の支援に努め、地域の交流を深めてまいります。また、全ての市立公民館において、様々な人権問題に対する理解と人権意識の向上を図るための人権講座や講演会が開催されるよう支援してまいります。
 ※「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」
  「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」
  「部落差別の解消の推進に関する法律」 

(27)道徳教育の推進
 「特別の教科 道徳」の全面実施(※)を踏まえ、児童生徒が生命の尊さや、思いやりの心、法やきまりの意義等について、学校の教育活動全体を通じてはぐくむとともに、答えが一つではない道徳的な課題に一人ひとりが自分のこととして向き合い、考えを深める道徳の授業の充実に努めることにより、児童生徒の道徳性をはぐくんでまいります。そのために、教員一人ひとりが豊かな人間性をもって学校における道徳教育を進めることの重要性を自覚するとともに、道徳授業の指導力を高める研修を実施してまいります。
 また、学校・家庭・地域・行政が協力して、本市の子どもたちの道徳性をはぐくむため、体験活動を充実するなど様々な取組を体系化し、自己の生き方について考え、よりよく生きようとする力をはぐくむ道徳教育を推進してまいります。
 ※ 小学校及び特別支援学校小学部は平成30年度から、中学校及び特別支援学校中学部は平成31年度から全面実施となります。

(28)いじめ防止対策の推進
 「さいたま市いじめ防止対策推進条例」及び「さいたま市いじめ防止基本方針」に基づき、各学校が策定した「いじめ防止基本方針」に基づく対応、「いじめ撲滅強化月間」の取組、「さいたま市子ども会議」や「いじめ防止シンポジウム」の開催等により、市を挙げていじめの防止等のための対策を一層充実させてまいります。さらに、これらの取組を、保護者や地域の方々へ積極的に発信し、市全体のいじめ撲滅に向けた機運を高めてまいります。
 また、専門的な知識や経験を有する学校生活指導員(警察OB)を学校の要請に基づき派遣し、引き続き学校への支援体制を強化するともに、人と接する際に必要となる基本的なスキル(技術)等を身に付ける、「人間関係プログラム」の一層の充実に努め、温かな人間関係をはぐくむ取組を推進してまいります。

(29)主権者教育の推進
 児童生徒の発達段階や政治的中立性の確保等に配慮しながら、18歳成人となることを見据えた社会人としての意義や主権者としての自覚を促し、必要な知識や判断力、行動力の習熟を進める主権者教育の充実を引き続き図ってまいります。
 平成31年度は、市立学校の12年間の連続性を重視し、これまでのさいたま市主権者教育研究開発モデル校の実践をもとに平成29年度末に発行した「さいたま市主権者教育リーフレット」に基づいた実践例の作成等を進めてまいります。また、他機関との積極的な連携や「新聞を活用した教育(NIE)」との関連を図り、主権者教育の更なる推進に努めてまいります。
 これからの社会を創造していく担い手として、全ての児童生徒に権利と義務といった社会人としての素養や政治的教養をはぐくむため、法や経済に係る分野を含め、模擬投票を実施するなど、外部機関と連携した体験的な学習を行い、主権者として求められる幅広い教養の醸成に努めてまいります。

(30)「さいたま子ども短歌賞」の推進
 「さいたま子ども短歌賞」は市民に広く親しまれている短歌を通して、児童生徒の豊かな感受性と国語力をはぐくみ、伝統的な言語文化の継承を図るため、短歌とゆかりのある自治体として実施しております。全国の小・中学生を対象に作品を募集し、応募作品から選考した優秀作品20首、入選作品80首を表彰するとともに、作品集を作成します。
 今後も、多くの児童生徒から、作品の応募があるよう普及促進に取り組んでまいります。

3.人生100年時代を輝き続ける力の育成

 「人生100年時代」の到来を迎えている現在、全ての人が生涯を通じて自らの人生を設計し活躍することができるよう、必要な知識・技能の習得、知的・人的ネットワークの構築や健康の保持・増進に資する生涯学習を推進し、「学び」と「活用」の循環を形成することが求められています。
 そこで、公民館や図書館をはじめとした生涯学習関連施設では、誰もが、生涯にわたって自ら学び続け、自己の可能性を伸ばすとともに、これまでの学習を通じて身に付けた知識・技能や経験を地域社会での活動に生かせるよう、「いつでも、どこでも、何度でも」学べる環境と、人々が生きがいを持って社会に参画し、持続可能な地域コミュニティの形成や、地域コミュニティの活性化へ貢献できるシステムを整えてまいります。
 特に、市内60か所と市民の最も身近にある公民館においては、リカレント教育の視点からも、全ての人が生きがいをもち、生涯にわたって質の高い学びを続けられる環境整備や、学んだことや自らの経験を活かして活躍できる環境整備の充実により一層努めてまいります。

(31)公民館・図書館施設リフレッシュ事業の推進
 公民館及び図書館の施設リフレッシュ計画に基づき、施設の老朽化対策、省エネルギー化及びバリアフリー化等を推進し、利便性の向上を図るとともに安全・安心な生涯学習環境を整備してまいります。
 平成31年度は、2階が入口となっている公民館3館のうち2館について、エレベーター設置に向けた設計等を実施することにより、バリアフリー化を推進してまいります。

(32)図書館整備事業の推進
 「地域の知の拠点」としての役割を果たしていくため、「さいたま市図書館ビジョン」の基本方針を踏まえ、市民の知的活動を支援する図書館事業の充実に努めてまいります。多様化する市民ニーズに応えられるよう、幅広い資料の収集・保存を行うとともに、電子書籍サービスの充実や、音楽配信サービス、各種データベースの提供等によるICTを活用したサービスを推進してまいります。また、図書館への来館を促す取組として、様々な世代に向けた講座や映画会、図書資料の展示を実施してまいります。さらに、図書館ホームページやメールマガジン、SNS等のICTを活用しながら、図書館に親しみを持ち、身近に感じてもらえるようPRに努めてまいります。
 平成31年5月に移転する大宮図書館についても、充実した蔵書と設備を備えた図書館として、より良いサービスが提供できるよう開館に向けた準備を進めてまいります。本図書館は、本市で初めてとなる指定管理者制度による図書館運営となることから、開館後の運営が適正に行われるよう、運営履行状況の確認・検証に努めてまいります。

(33)生涯学習人材バンク事業の推進
 学習機会の拡充や学習成果の活用の仕組みを作り、生涯学習の振興と地域における豊かなつながりを創出するために、これまでの学習や自身のキャリアを通じて身に付けた知識や技能、経験等を有している方々を「生涯学習人材バンク」に登録・公開し、学習したい方々の希望に合わせて紹介します。
 平成31年度は、企業・団体等と連携を図り、企業等で培われた技能等を有する人材の発掘に努めてまいります。また、生涯学習情報システムの改修により、生涯学習人材バンクに関する情報発信を強化してまいります。

(34)さいたま市民大学事業の推進
 市民のより高度で専門的かつ多様な学習ニーズに応えるため、さいたま市民大学の講座内容の充実と講座満足度の向上に努めてまいります。
 平成31年度は、人生100年時代を踏まえた生涯学習の推進を目指し、これからの新しい教養をテーマに、「教養コース」を2コース開設いたします。また、仕事帰りの夜間に学びたいと考える社会人等を対象とした「ビジネススキルコース」のほか、小・中学生も含む幅広い方を対象とした事業を実施してまいります。さらに、大宮西部図書館をはじめとした、生涯学習関連施設等と連携し、「文学コース」や「歴史コース」「美術コース」等の多様な学習機会を提供してまいります。

(35) 歴史文化資源の保存・継承・活用事業の推進
 貴重な歴史文化資源の価値を損なうことなく将来へ継承するとともに、その公開や活用に努めてまいります。
 平成31年度は、本市の代表的な歴史文化資源である国指定史跡「見沼()通()船()堀()」では、東縁の再整備工事の完成を目指すとともに、通船堀の仕組みを理解していただけるよう、閘門()開閉実演を再開します。
 国指定史跡「真福寺()貝塚()」では、指定地の拡大、公有地化を行うとともに、史跡整備に向けた発掘調査を実施し、真福寺貝塚の基本構造や保存状態を把握してまいります。また、地元の小学生を対象とした体験発掘や、市民向けの現地説明会を実施してまいります。
 さらに、平成31年度からは、国指定特別天然記念物「田島ケ原()サクラソウ自生地」で、サクラソウが減少している原因を究明するための調査を新たに実施するなど、貴重な文化財の保存を図りつつ、情報発信や市民が文化財に触れる機会の拡充を図ってまいります。

(36)博物館・美術館・科学館事業の充実
〈博物館〉
 本市に係る考古・民俗・歴史等の貴重な資料を調査・収集し保存・研究するとともに、常設展示や特別展示及び企画展示を通じて、本市の歴史と文化を紹介し、郷土に関する知識の醸成を図ります。特別展示では「見沼」を題材に、市内を流れる見沼代用水や現在再整備が進められている国指定史跡見沼通船堀を取り上げ、新田開発や舟運にまつわる歴史と文化を深く掘り下げます。企画展示では本市における藍生産の歴史や、衣文化における染料としての有用性に脚光を当てた展示を紹介し、藍染体験の講座を実施するなど、市民が地域の文化を学び、親しむ機会を充実させてまいります。また、2020年4月に与野本町小学校複合施設内に開館する与野郷土資料館について、地域の貴重な資料の保存を図り、地域の皆様に親しまれる施設となるよう準備を進めてまいります。

〈うらわ美術館〉
 市民の知識や教養向上に寄与する企画展として、大正から昭和にかけて活躍した著名な画家の展覧会「素描礼讃 岸田劉生と木村荘八(仮題)」を、夏休みに向けて子どもたちが広く美術に親しめる企画展として、世界最大規模の絵本のコンクール作品を紹介する「ブラティスラヴァ世界絵本原画展-BIBで出会う絵本のいま(仮題)」等を実施してまいります。また、企画展に合わせ、作品や作者、技法、時代背景などについて専門的知識を持った学芸員が解説する「ギャラリートーク」などを開催し、市民の皆様の学び、気づき、アートへの理解に寄与してまいります。

〈青少年宇宙科学館〉
 青少年宇宙科学館及び宇宙劇場では、我が国を代表する宇宙飛行士である若田光一氏の偉大な功績を広く市民に伝えていく事業として、「若田宇宙飛行士アカデミー」を一層充実させ、子どもたちの興味・関心を高め、問題解決能力やコミュニケーション能力、最後までやり抜く力の育成に努めてまいります。平成31年度は、子どもたちの宇宙へのあこがれや大きな志をはぐくむ教育を柱とした「宇宙のまち さいたま」を推進する取組として、宇宙や科学に関する事業の系統化を図り、大学や企業の研究者等の方々を講師に迎え、「宇宙のまち さいたま」講演会の開催、実験教室等を開催し、子どもたちの宇宙や科学への興味・関心を高めてまいります。

(37)「学びのネットワーク」の推進事業
 科学館、博物館や美術館、公民館や図書館等、市民の身近にある約   100近い生涯学習関連施設が連携・協働し、年に一度同じ時期に同じ テーマで事業を展開する「さいたま市生涯学習『学びのネットワーク』」を構築しました。この取組を通して、市民に学習資源をネットワーク化した多種多様な「学びの場」を提供するとともに、各生涯学習関連施設がそれぞれの特色を生かした運営のより一層の充実に努めてまいります。

(38)生涯学習施設と学校との連携充実
〈博物館〉
 土器や民具等の実物資料の貸出しや、縄文時代・古墳時代のさいたま市などをテーマとして、本市の歴史や文化に関連する写真や資料を展示パネル等にして巡回展示する「学校巡回展」を実施し、社会科や生活科の授業で活用できる資料を提供してまいります。また、市立博物館や浦和くらしの博物館民家園をはじめ博物館各施設では、「昔のくらし・昔の遊び」体験、生活や道具の移り変わりを学ぶ小学校の体験学習等を積極的に受け入れます。さらに、平成31年度は新学習指導要領において、小学3年生の新たな学習内容となる「市の様子と移り変わり」に対応した「(仮題)さいたま市のうつりかわりと人々のくらし展」等の開催や、博物館での学習を補助する教材「学習ノート」を引き続き提供するなど、学校との学習連携の充実を図ってまいります。

〈うらわ美術館〉
 児童生徒が美術に親しみを持てるよう、美術館を訪れ本物の作品に出合える鑑賞学習支援「うらびぃスクールサポートプログラム」の実施や、鑑賞キット「埼玉アートカード」及び「アート掛図」の貸出し、展覧会を解説した「美術館こどもニュース『うらびぃ』」の発行など、「主体的・対話的で深い学び」の視点に合った学習機会を提供してまいります。また、平成31年度は、鑑賞学習「本の出張授業」をリニューアルし、今まで以上に充実した内容で実施してまいります。さらに、児童生徒の発表や鑑賞の場として展示室の貸出しを行うなど、学校連携事業をより充実させてまいります。

〈青少年宇宙科学館〉
 青少年宇宙科学館及び宇宙劇場では、最新鋭のプラネタリウムを活用し、全ての市立小学4年生と中学3年生、特別支援学校の児童生徒を対象に、「プラネタリウムを活用した学習利用」を実施し、宇宙の素晴らしさを体感する機会を提供してまいります。また、市立小・中・中等教育学校を対象とした理科の出前授業や天体観望会などを行う「スクール・サポート・サイエンス事業」、市立中・中等教育・高等学校の科学部・技術部の生徒がワークショップやサイエンスショーを行う「サイエンスフェスティバル」等を通し、児童生徒の自然や科学への興味・関心を一層高めてまいります。

〈公民館〉
 小・中学生及び高校生の地域への愛着をはぐくむとともに、地域との交流を深めるため、夏休み等に地域の小学生を対象とした「工作教室」「料理教室」「陶芸教室」等の体験講座の実施、地区文化祭等への児童生徒の作品展示等の参加をすすめてまいります。また、公民館の講座や地区文化祭等における中・高生ボランティアの参加する事業数の拡大を行ってまいります。

〈図書館〉
 全ての市立学校の学校図書館を支援するため、北浦和図書館内に設置の学校図書館支援センターを中心として、学校図書館資源共有ネットワークを活用し、授業や調べ学習に役立つ図書の貸出しを引き続き行ってまいります。さらに、子どもたちが読書の楽しさを体験し、図書館の利用方法を学ぶことができるよう、児童生徒の図書館見学を積極的に受入れるとともに、図書館職員が学校で読み聞かせや本の紹介を行い、図書館利用の普及に努めてまいります。また、学級文庫用図書の貸出しについては、貸出図書の内容を充実させるとともに、貸出対象校も拡充してまいります。高等学校との連携については、生徒が作成する、おすすめの本の紹介カード(POP)の展示を引き続き行うなど、高校生の読書活動も支援してまいります。

4.スクール・コミュニティによる連携・協働の充実

 急速な少子高齢化や都市化が進む中、人間関係の希薄化により、地域コミュニティの構造が大きな変化を迎えようとしています。そのため、地域が学校を育て、学校が地域を育てる、学校を核とした持続可能なスクール・コミュニティを構築することが求められています。そこでは、保護者や地域住民の対話や交流が生まれ地域が活性化するとともに、潜在している地域の教育力を学校に呼び込むことで、学校の教育力の向上を図ることが期待されます。

(39)学校を核とした地域づくりの推進
 学校が地域の人々と目標やビジョンを共有し、地域の高い教育力をさらに発展・充実させ、地域と一体となって未来を担う子どもたちをはぐくむコミュニティ・スクールを導入し、「地域とともにある学校づくり」を一層推進します。平成31年度は、市立学校7校をコミュニティ・スクールに指定するとともに、フォーラムの開催により、制度の周知を図り、   2022年度までに全ての市立学校への導入に向けた環境を整えてまいります。
 スクールサポートネットワーク推進事業では、学校と地域諸団体との連携推進や、より多くの幅広い地域住民、団体等が学校と協働して行う地域学校協働活動の要となる学校地域連携コーディネーターを、浦和中学校及び中等教育学校を除く全ての市立小・中・特別支援学校に引き続き配置してまいります。また、既存のスクールサポートネットワークをより推進するため作成した「スクールサポートネットワーク(地域学校協働本部)ガイドブック」を活用し、学校地域連携コーディネーターの更なる資質・能力の向上等を図るため、研修のより一層の充実に努めてまいります。
 学校相談支援チームの活用に関しては、学校等に寄せられる様々な要望のほか、体罰等や緊急を要するいじめに対する相談に、弁護士、警察OB、臨床心理士等の外部専門家が対応し、早期解決を図ります。こうした取組により、学校と保護者や地域との信頼をさらに深め、学校のより円滑な教育活動を推進してまいります。

(40)親の学習事業の推進
 「子育て応援パパ・ママおしゃべりプログラム」を活用し実施する「親の学習事業」では、男女共同参画の視点から、男性も参加しやすい講座内容の、より一層の充実を図ることで、女性だけでなく男性も主体となる子育てを支援してまいります。
 また、進行役として活躍する「さいたま市親の学習ファシリテーター」は、本事業の要であるため、今後もその人材を安定的に確保するため、平成31年度も追加養成を行ってまいります。

(41)子どもの生活習慣向上のためのキャンペーンの推進
 子どもたちの健やかな成長にとって大切である、早寝・早起きや朝食の摂取等の生活習慣の向上を図るため、家庭でのルール作りなどを呼び掛ける本市独自の「すくすく のびのび 子どもの生活習慣向上」キャンペーンの内容を見直してまいります。
 平成31年度は、平成30年度に実施した全ての市立小・中・特別支援学校のPTA役員等を対象としたアンケート調査の結果をもとに、児童生徒に具体的に取り組んでもらいたい生活習慣等を掲載した「(仮称)『さいたまの子どもは』リーフレット」を新たに作成し、学校及びさいたま市PTA協議会等との連携を強化することにより、家庭・地域へ啓発し、本事業を一層推進してまいります。
 このほか、各学校が家庭の教育力向上を図るために開催する子育て講座等に、講師の派遣をするなどの支援を引き続き行ってまいります。

(42)チャレンジスクールの充実
 土曜日や放課後等に学校の教室等を活用して、より多くのより幅広い層の地域住民、団体等の参画を得て、地域と学校が連携・協働して、子どもたちの自主的な学習やスポーツ、文化活動、地域住民との交流活動等を行うチャレンジスクールの充実を図り、子どもたちが地域社会の中で、心豊かで健やかにはぐくまれるよう取り組んでまいります。
 平成31年度は、平成30年度に実施した民間の学習プログラムや体験プログラムの導入によるモデル校での効果測定結果において、参加児童生徒の「コミュニケーション能力」や「やり抜く力」等に効果が見られたことから、各種プログラムを活用する学校を拡大してまいります。

(43)「学校安全ネットワーク」の推進
 通学区域全体の安全性を高めるために、ボランティアの方々による見守りを継続して実施するとともに、配達・運送・運搬等に関わる事業者に協力いただいている「子ども安全協定」や、地域の商店や事業所等に御協力いただいている「子どもひなん所110番の家」の更なる拡充を図ることで、多くの人の目で子どもを見守る「学校安全ネットワーク」を推進してまいります。また、各学校に防犯ボランティア・リーダーを派遣し、専門的な観点から助言を行い、地域の実情にあった防犯体制の強化を図ります。

(44)「心を潤す4つの言葉」の推進
 子どもたちが、コミュニケーションの基盤となる「心を潤す4つの言葉」である、気持ちのよいあいさつ「おはようございます」、気持ちのよい返事「はい」、感謝の気持ちを伝える「ありがとうございます」、素直に謝る「ごめんなさい」を、家庭や学校だけではなく、地域社会においても自然に発することができるよう、教職員、保護者、地域の方々が連携し、「心を潤す4つの言葉」推進運動の充実に努めてまいります。

(45)「『自分発見!』チャレンジupさいたま」事業の推進
 これまで実施してきた、児童生徒の体験活動を活性化する「『自分発見!』チャレンジさいたま」事業において、新たにボランティア活動を加え「『自分発見!』チャレンジupさいたま」事業として推進し、児童生徒の豊かな人間性をはぐくんでまいります。
 「『自分発見!』チャレンジupさいたま」事業では、体験活動・ボランティア活動に関する市の主催・共催事業や、青少年育成会、PTA等の地域団体の事業の情報を広く収集し、提供してまいります。また、一定の体験活動を行った児童生徒に特典を与えるこれまでの仕組みに加え、ボランティア活動を行った児童生徒を表彰する仕組みを導入し、児童生徒の体験活動・ボランティア活動をより一層活性化してまいります。

5.「未来を拓くさいたま教育」推進のための基盤整備
 教育施策を推進するためには、教育環境整備や人材育成等、良好で質の高い基盤を整えることが重要です。具体的には、新しい時代の教育に向けた持続可能な学校の指導体制を構築するとともに、安全・安心な教育環境の整備、多様な学習機会を提供できる生涯学習関連施設の整備を推進していくことが必要です。
 学校施設リフレッシュ基本計画に基づく施設整備やICT環境の整備等のハード面だけでなく、教職員の働き方改革等も進め、教育水準の更なる向上を図っていきます。

(46)学校における働き方改革の推進
 平成29年度に実施した「勤務に関する意識調査」結果から、本市の教員等の95.3%が仕事にやりがいや満足感を感じていることがわかりました。一方、85.9%は校務に負担や多忙感を感じている状況であり、学校における働き方改革は喫緊の課題であると捉えています。
 これまでに、市立小・中・高等・特別支援学校の各代表の校長を含めた「学校業務改善検討委員会」を組織し、学校への調査・報告等の2割削減・改善の計画策定や学校業務改善リーフレットの作成・配布、部活動指導員の配置、学校閉庁日の設定、タイムカードシステムの全校導入、「さいたま市学習状況調査」の採点業務の外部委託等を実施しました。また、民間企業で業務改善を牽引する方々による業務改善の分析・助言や管理職等に対する研修会、地域が関わる部活動に関する研究を行いました。さらに、平成31年3月に、現職教職員と教員志望者を対象にしたシンポジウムを開催することで、教員の意識改革や持続可能な職場づくりの推進と、本市の学校が生き生きと働いていける職場であることを発信してまいります。
 平成31年度は、これらの取組に加え、部活動指導員配置校の拡充、教員に代わって学習プリント等の印刷・配布準備、授業準備の補助、採点業務補助等を行うスクール・サポート・スタッフを配置することにより、教員の負担軽減を図り、児童生徒の指導や教材研究に集中する時間を確保してまいります。

(47)人づくり、人材確保改革の推進
 本市の学校教育を支える重要な基盤整備である、魅力ある教員の確保について、採用選考の実施方法を工夫・改善し、高い専門性と、意欲及び誇りを持った人材の計画的な採用を推進してまいります。全国的にも教員志望者が減少しており、今後、教員の確保が厳しくなっていくことが予想される中、本市の学校教育の魅力について積極的に発信していくとともに、受験者の実態把握や試験内容の研究・改善に取り組んでまいります。
 併せて、大学生等を対象とした「さいたま市教師塾『夢』講座」を実施し、大学生期から教員を目指す優秀な人材の養成に努めてまいります。

(48)教員の資質能力の向上
 不易とされてきた使命感や責任感、教科や教職に関する専門的知識等の教員としての資質能力に加え、時代のニーズや多様化する教育課題に対応する力、キャリアステージや職位に応じて求められる力を育成できるよう、「さいたま市教員等資質向上指標(キャリアnavi)」に基づいて、教員研修を実施してまいります。その際、良好な職場環境の確保に向けて、ハラスメントについての知識を深めるとともに防止を図るための研修を実施してまいります。
 また、急速な世代交代に対応するため、経験年数の異なる教員同士で教え合い学び合う研修を実施したり、優れた指導技術を有する教員による授業公開を実施したりするなど、指導技術の継承を推進してまいります。このほか、学び続ける教員を支援する取組として、「『教師力』パワーアップ講座」を一層推進し、自主的・自発的な研修の場や機会の提供に努めてまいります。

(49)奨学金返済支援制度の創設
 経済的理由で修学困難な学生の大学等への進学を促進するために、入学準備金・奨学金を無利子で貸し付ける現行の「入学準備金・奨学金貸付制度」を継続するとともに、奨学金返済に伴う経済的負担の軽減についても考慮し、貸付けを受けた学生に対し、一定の要件を満たした場合に返還金の一部を免除する制度を創設し、新制度による受付及び貸付けを実施してまいります。

(50)部活動指導員配置事業の推進
 「学校教育法施行規則の一部を改正する省令」を受け、単独で指導及び引率が可能な非常勤特別職である部活動指導員を市立中学校、高等学校に配置しています。
 平成31年度は、部活動指導員の配置校を拡充し部活動の充実・活性化を図るとともに、学校現場における教員の業務の適正化を図ってまいります。また、有償ボランティアである部活動サポーターを顧問教員の協力者として派遣し、中学校・高等学校の部活動の充実と振興を図ってまいります。

(51)大学連携コラボレーション事業の推進
 教員を目指す学生を、「大学生による学習支援ボランティア(アシスタントティーチャー)」として市立学校に配置し、児童生徒へのきめ細かな学習支援の実現と教員を目指す学生の意欲や資質の向上を図ってまいります。また、大学教授等を招へいした教職員研修等を引き続き実施し、関係大学との連携・協力を深めてまいります。

(52)学校における安全教育・安全管理の充実
 児童生徒の安全を一層確保するため、「危機管理対応マニュアル作成指針【改訂版】」や「体育活動時等における事故対応テキスト~ASUKAモデル~」とその解説及びDVD、「学校給食における食物アレルギー対応の手引き【改訂版】」を活用し、教職員研修等を充実させ、各学校の危機管理体制をより一層強化してまいります。また、防災教育については、本市独自の「防災教育カリキュラム」に基づく授業や、避難訓練を実施することで、災害時に自ら適切な行動をとることができるよう、児童生徒の防災意識の向上を図ってまいります。
 通学路の安全対策については、登下校時における児童生徒の交通安全を確保するため、全ての市立小・中・中等教育学校において、保護者等と連携して通学路の安全点検を行い、対策が必要な箇所については、道路管理者や警察等関係機関へ依頼し、交通安全対策を実施してまいります。また、対応が困難な箇所等については、教育委員会及び関係機関による合同点検を実施し、代替となる安全対策を実施してまいります。

(53)WHOセーフスクールの取組、成果の普及
 学校における子どもの安全を確保するために、WHO(世界保健機関)の推進するインターナショナルセーフスクールの認証を取得した慈恩寺小学校の取組と成果を、全ての市立学校へ広めていくほか、研究指定校において、更なる学校安全に向けた研究に取り組んでまいります。

(54)自転車免許制度の全面実施
 交通安全教育については、全ての市立小学校で「子ども自転車運転免許制度」を実施するとともに、全ての市立中・高等・中等教育学校の1年生を対象に「中・高等学校生自転車運転免許制度」を実施し、児童生徒の交通事故を防止してまいります。また、引き続き、市立中・高等・中等教育学校において「スケアード・ストレイト教育技法を用いた交通安全教室」を実施し、交通安全意識の向上を図ってまいります。
 さらに、平成30年度に制定された「さいたま市自転車のまちづくり推進条例」に基づき、自転車乗者用ヘルメットの着用について、関係課等と連携し、推進してまいります。

(55)過大規模校等教育環境整備事業の推進
 学校規模の適正化とともに本市の教育水準の向上を図るため、義務教育学校をはじめとした新設校の設置、通学区域の調整等、良好な教育環境の整備に向けた取組を推進します。平成31年度においては、新たに美園北小学校と美園南中学校を開校いたします。
 また、大砂土東小学校の過大規模状態を解消するため、大和田特定土地区画整理事業地内に確保されている学校用地を活用し、2025年4月の開校を目指し、新設校の整備をするための基本計画を策定してまいります。

(56)学校のリフレッシュ計画等の推進
 安全・安心で持続的な教育環境を確保するために、「さいたま市学校施設リフレッシュ基本計画」に基づき、計画的に学校施設の改築・改修を実施してまいります。
 学校施設への空調機設置については、国の臨時特例交付金を活用し、中学校の特別教室への空調機設置を進めてまいります。また、学校の照明器具のLED化についても計画的に進めてまいります。併せて、体育館への空調設備の導入についても検討してまいります。

(57)学校トイレの洋式化等の推進
 生活様式の変化に伴い、洋式トイレが一般的となっており、子どもたちが安心して学校生活を送れるように、トイレの大規模改修等により、トイレの洋式化を進めてまいります。トイレの大規模改修については、引き続き国への要望を行い、補助金の積極的な活用に努めてまいります。併せて、臭い対策にも取り組むとともに、実施校にアンケートを行い、効果を検証してまいります。
 ※ 現状(平成29年度)のトイレ洋式化率は55.9%です。2020年度には70.6%を目標としています。

(58)与野本町小学校複合施設整備事業の推進
 児童以外の住民も含めた多様な教育の場とするとともに、住民が交流できる地域コミュニティの場を形成するために、平成31年度は、与野本町小学校の老朽化した北校舎及び給食室を周辺の公共施設との複合化に合わせ改築してまいります。併せて、東校舎、南校舎や与野本町コミュニティセンターの大規模改修を実施してまいります。

(59)小学校給食調理業務及び学校用務業務の委託化
 小学校の給食調理業務及び学校用務業務において、効果的・効率的な管理運営を図るため、民間委託を推進してまいります。

(60)学校給食費の公会計化に向けた準備
 学校給食費を市の歳入歳出予算に計上する、公会計化の実施に向けた準備を進めます。公会計化の実施により学校現場における学校給食費の徴収業務を削減し、学校職員の事務負担軽減を図ってまいります。

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