第43回特別展「見沼　～水と人の交流史～」

　さいたま市内の中央部に広がる見沼田圃は、さいたま市内の貴重な緑地空間として、市民の憩いの場となっています。もともと、見沼田圃周辺は「見沼」という広大な沼地でした。見沼が積極的に利用されるようになったのは江戸時代のことです。江戸時代初期に見沼は下流域の用水のための溜井として利用されていましたが、享保の改革に伴う新田開発の奨励に伴い、新田開発が行われることになりました。見沼を新田として開発するためには、農業用水を整備する必要があり、そのため利根川から取水し、見沼代用水が整備され、見沼新田広域の農業用水として利用されることになりました。
　このような見沼代用水路の整備や新田開発は享保13年（1728）に行われました。また、同16年（1731）には見沼通船堀が完成し、これによって見沼代用水を使った舟運が利用できるようになり、年貢米輸送を中心として物流が活発に行われるようになります。
　このように見沼代用水路の整備、新田開発、見沼通船堀の整備などが立て続けに行われ、これらはそれ以降も利用されることになりました。地域社会の発展に貢献したこのような社会的な事業が短期間のうちに実施されたことになります。
本展示では、見沼を題材に、水と人の交流の歴史を描きます。見沼の開発に関する資料、見沼通船や見沼通船堀に関する資料などを展示することで、江戸時代に積極的に利用されるようになった「見沼」について紹介します。併せて市内の用水や見沼周辺の生物などについても触れていきます。

　会期：令和元年10月5日（土曜日）～11月17日（日曜日）
　　（前期：10月5日（土曜日）～10月20日（日曜日）、後期：10月22日（火曜日）～11月17日（日曜日））
　会場：さいたま市立博物館特別展示室
　時間：9時～16時30分
　休館日：月曜日（10月14日、11月4日を除く）、10月15日（火曜日）、10月23日（水曜日）、11月5日（火曜日）、11月6日（水曜日）
　入館料：無料

　展示構成と主な展示資料

　　第1章　沼と溜井の時代

「御船祭相移候訳」

　　第2章　見沼代用水の整備と新田開発
　
柴山村伏越樋絵図（前期展示）　　　　　　　　　　　見沼御新田地反別村々割渡帳

　　第3章　見沼代用水と村々

関東川々村附絵図（前期展示）

　　第4章　見沼通船と見沼通船堀
　
武州足立郡八町堤通船方拝借地疎絵図（前期展示）　　　　見沼通船堀付近疎絵図（後期展示）

　　第5章　見沼周辺の生物　～鷺・鰻・蛍～
　
鰻献上ニ付口上　　　　　　　　　　　　さぎやまの記

特別展関連講座

1「井澤弥惣兵衛と見沼開発」（定員に達したため、受付を終了しました）
　　日時：11月4日（月曜日・祝日）14時～15時30分
　　会場：さいたま市立博物館　講座室
　　定員：50名
　　申込：9月18日（水曜日）9時から電話で申込（先着順）
　　講師：青木義脩氏（さいたま市史編さん審議会委員・浦和郷土文化会会長）
　　費用：無料
※当日14時時点でキャンセルなどにより空席が出た場合のみ、追加で受付をします。空席が出ない場合や、希望される方が多い場合はご希望に添えない場合があります。何卒ご了承ください。
※10月12日（土曜日）に開催の予定でしたが、台風接近による休館のため、11月4日（月曜日・祝日）に延期となりました。ご迷惑をおかけしますが、ご了承ください。

　2「見沼の開発と土地利用の変遷　近世を中心に」（定員に達したため、受付を終了しました）
　　日時：10月19日（土曜日）14時～15時30分
　　会場：さいたま市立博物館　講座室
　　定員：50名
　　申込：9月25日（水曜日）9時から電話で申込（先着順）
　　講師：松浦茂樹氏（元東洋大学教授・建設産業史研究会代表）
　　費用：無料

　3「見沼通船と見沼通船堀」（定員に達したため、受付を終了しました）
　　日時：10月20日（日曜日）14時～15時30分
　　会場：さいたま市立博物館　講座室
　　定員：50名
　　申込：10月2日（水曜日）9時から電話で申込（先着順）
　　講師：井上拓巳（さいたま市立博物館学芸員）　
　　費用：無料

見沼通船堀のしくみ実験

　見沼通船堀のしくみや役割を流水模型を使って学びます。（約30分間）
　　日時：10月6日（日曜日）11時～・14時～（30分程度）。
　　　　　10月13日（日曜日）14時～（30分程度）。
※10月13日11時の回につきましては、台風接近による休館のため、中止となりました。ご迷惑をおかけしますが、ご了承ください。
　　対象：小中学生とその保護者
　　申込：不要
　　費用：無料
　