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更新日付:2021年3月26日 / ページ番号:C074807

与野郷土資料館展示web解説(その14)

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古代の与野に仏教文化が伝わっていた証拠が沢山!!(その1)

古代の寺院というと、飛鳥寺や東大寺が有名ですが、各地方にも寺院は建立されています。有名なのは各国に建立された国分寺や国分尼寺ですが、それ以外にも郡の役所である郡衙(ぐんが)に附属する寺院など多くの寺院が建立されています。与野やさいたま市の西部地域にも、寺院の存在や仏教文化の伝播を示す痕跡が多く見つかっています。

仏像といえば、何といっても頭部にある螺髪(らほつ)が目を引きます。螺髪は丸まった頭髪を意味しており、右回りになっています。さいたま市では西部地区の宿宮前遺跡(桜区宿)から2点の奈良時代のものと考えられる螺髪が発見されています。いずれも土製で、高さ・底径とも約3.0cmという大きさです。

螺髪 螺髪・実測図
(宿宮前遺跡第7次発掘調査出土の螺髪)      (同左実測図、さいたま市遺跡調査会報告書第75集から)

この螺髪を裏から見ると、下の写真のように孔が開けられています。決して頭に貼り付けていたのではなく、この孔に棒のようなものを差し込んで、頭に刺していたことが分かります。
螺髪裏
(宿宮前遺跡第2次発掘調査出土の螺髪)

螺髪は仏像の頭部にしかないものですから、螺髪があるということは当然仏像が存在したということになります。この遺跡やその周辺にかつて寺院があり、そこに仏像が安置されていたのかもしれません。螺髪の大きさから試算すると、この遺跡の仏像の大きさは2.14mと推測されています(坐像)。
参考までに、『東大寺要録』という記録によれば、東大寺の大仏の螺髪は「螺形九百六十六箇 高各一尺 径各六寸銅」とあって、その数や大きさが知られます。

なお、螺髪については、下の「関連ページ」でも優しく解説しています(めざせ!さいたま考古マスター!、めざせ!さいたま考古マスター!第2回! 小学生向き)。

この螺髪が発見された宿宮前遺跡周辺は、現在は鴨川が直線的に流れていますが、かつてはそこを荒川が蛇行しながら流れており、荒川によって形成された自然堤防上には古墳時代以降、多くの人が住み、遺跡が作られていきます(旧荒川沿い自然堤防上の遺跡は下の関連ダウンロードファイル参照)。

特に、奈良時代の大久保領家遺跡や大久保領家片町遺跡、道場寺院跡からは屋根瓦やそれを屋根に葺いていたと考えられる大型建物の柱跡などが発見されています。当時、瓦を屋根に葺く建物は一般的ではなく、寺院や官衙(かんが、役所)しか可能性がないため、この大久保領家地区に寺院があった可能性があります。

大久保領家・瓦出土 大久保領家大型建物跡
(大久保領家片町遺跡第3地点瓦出土状況)   (大久保領家遺跡第5次大型掘立柱建物跡)

それではこの当時の瓦はどのように葺いていたのでしょうか。よくご存じだとは思いますが、現代の瓦は軽い「桟瓦」と呼ばれるのに対して、かつての瓦は「本瓦」という重い瓦でした(瓦の葺き方は下の関連ダウンロードファイル参照)。

瓦屋根復元 
(出土した瓦を組み合わせたところ)             

やはりそんな重い瓦に耐えられるのは頑丈な構造の建物であり、それは役所か寺院だったのです。これらの瓦のうち、最も装飾的な瓦が「軒丸瓦」で、軒丸部分の蓮弁の模様などでその産地が特定されます。大久保領家の瓦は、7世紀末から8世紀初めにかけて比企地方の西戸丸山遺跡の窯で生産されたものと考えられており、この窯で焼かれた瓦は、深谷市の岡廃寺や熊谷市の西別府廃寺でも発見されています。

軒丸瓦・拓影図
(軒丸瓦拓影図、道場寺院跡・大久保領家遺跡第6次発掘調査報告書から)

また、平瓦は「桶巻作り」という方法で成形されてから焼かれています。下の図のように、布を巻いた筒のようなものに粘土を被せ、その上から敲いたために、平瓦の内側には布目の跡が見て取れます。

桶巻作り
(桶巻作りによる瓦の作り方、神奈川県立歴史博物館図録「瓦が語る」(2008)から引用)

平瓦拓影図
       ↑凹面               ↑凸面
(平瓦拓影図、大久保領家片町遺跡第3次発掘調査報告書から)

「古代の与野に仏教文化が伝わっていた証拠が沢山!!(その1)」はここまでです。
この続きは「古代の与野に仏教文化が伝わっていた証拠が沢山!!(その2)」で。

与野郷土資料館ではここで紹介した螺髪や古代の瓦を展示しています。


その13 教科書でおなじみの和同開珎、与野でも発見


その15 古代の与野に仏教文化が伝わっていた証拠が沢山!!(その2)

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