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更新日付:2024年2月21日 / ページ番号:C078011

与野郷土資料館展示web解説(その21)

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難問!!江戸時代の算額-あなたはこれが解けますか

江戸時代には、難しい数学(和算)の問題を解いて神社などに奉納することが盛んに行われています。
奉納した額を「算額」といい、問題や解答はそれほど難しくはないのですが、そこに至る過程は非常に難解なものです。

かつて中央区の日枝神社にも、ケヤキの一枚板で、縦72.5cm、横162cmの算額が奉納されていました。
奉納したのは円阿弥村の名主・正野友三郎(しょうのともさぶろう)と42名の門人で、幕末の慶応2年(1866)2月のことでした。

正野友三郎一門奉納の算額 
(正野友三郎一門奉納の算額、円阿弥・日枝神社旧蔵)

 図(こちら)のように、大きな円の中に二つの三角形と中円(甲)が二つ、小円(乙)が六つ配置されているとき、乙の直径が一寸だとすれば、甲の直径はいくらか。
 答えは、甲の直径は三寸で、大きな円の直径は八寸となる。
 方法としては、甲の直径は乙の直径に3をかければ計算できる。
 また、甲の直径と乙の直径の和に2をかければ大きな円の直径が求められる。

という最後の結果しか示されていません。
答えを出す過程を現代的な数式で表すとこうなります(こちら)。
皆さん、この数式が理解できますか?

友三郎は文政6年(1823)に生まれ、大間木村の大熊渓雲(おおくまけいうん)に算学を習い、自らも算学塾を開設し、「算学大成内外編」「算法容術五十問答術」などの算学書を書き残しています。

日枝神社に奉納された算額を見ると、奉納者(門人)は元宿、島根、白鍬、並木、水波土、宿、大久保、小村田といった市西部の農村地区に集中しており、これらの農村部に高度な学問を理解できた階層があったことを示しています。

なお市内では、円阿弥の日枝神社以外に、御蔵の愛宕神社(享和元年)、中釘の秋葉神社(関流、天保11年)、西堀の氷川神社(関流、嘉永5年)、中野田の重殿社(中西流、明治14年)の算額が市指定文化財となっています。

算額(西堀・氷川神社)  算額(中野田・重殿社)
(桜区・西堀氷川神社の算額:補彩後)    (緑区・中野田重殿社の算額)

日枝神社に奉納された正野友三郎一門の算額は、与野郷土資料館に寄贈され、展示室で展示してあります。
また、『与野郷土資料館開館記念図録』でも触れられています。


その20 昔の小学生の必需品


その22 与野の大カヤ

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