岩槻市合併協議会

合併に伴う課題等

1 合併に伴う課題

(1)地下鉄7号線(埼玉高速鉄道線)延伸に関する課題

位置付けについて

平成12年1月の運輸政策審議会の答申において、浦和美園から岩槻を経由し蓮田までの区間について、「2015年（平成27年）までに開業することが適当な路線」として位置付けされている。

延伸線の検討状況について

地下鉄7号線の延伸計画については、現在、県及び岩槻市が主体となり、浦和美園から岩槻までの先行整備区間における「地下鉄7号線延伸線基本計画調査（平成14年から平成16年）」の中で、ルート選定の考え方、建設費、需要予測、事業手法等を検討している。今後は、県及び関係市と共に事業主体を想定し、収支試算や資金計画等を含めた事業成立性を十分に検討・精査していく必要がある。

課題

鉄道建設に伴う事業費負担について

平成13年度に実施した「埼玉高速鉄道線延伸線整備基本調査（埼玉高速鉄道線延伸首長会議）」、「埼玉県鉄道新線整備検討調査（埼玉県）」では、浦和美園～岩槻における概算建設費は770億円、また、浦和美園から岩槻～蓮田における概算建設費は1，590億円と試算されていることから、今後、延伸線の事業主体や鉄道建設費用への沿線自治体負担は、補助金等を含め相当規模になることが予想される。

鉄道整備と一体となった沿線整備について

浦和美園から岩槻までの延伸計画において中間駅1駅が想定されており、新駅周辺地域については、鉄道整備と整合のとれたまちづくりが求められている。
現在、「地下鉄7号線沿線整備事業化検討調査（岩槻市）」の中で、整備規模や事業手法などの調査を進めており、現段階において事業費は未定である。

（2）一部事務組合に関する課題

1 埼葛清掃組合に関する課題

両市のし尿処理の現状について

さいたま市では、し尿・浄化槽汚泥について、クリーンセンター西堀及び大宮南部浄化センターで処理を行っている。
岩槻市では、し尿処理施設（中間処理及び最終処分）が整備されていないため、2市1町（春日部市・岩槻市・庄和町）で構成する一部事務組合の埼葛清掃組合で処理を行っている。

課題

さいたま市の処理能力について

合併後、本来ならば、岩槻市分のし尿は、さいたま市の施設で処理することが望ましいが、さいたま市の現有施設での受入れは、能力的に困難な状況である。

合併後の岩槻市分のし尿処理方策の検討について

さいたま市の処理施設での受入れが可能になるまでの間、埼葛清掃組合への委託も想定される。その場合、岩槻市が前々年度の搬入実績に応じて埼葛清掃組合に支出している負担金（約1億5千万円）が、委託料算定の基礎になるものと思われる。
また、埼葛清掃組合の今後の運営状況によっては、さいたま市の施設の改造、他市への委託等を含めた検討が必要となる。

埼葛清掃組合の存続に係る構成市町間の調整について

埼葛清掃組合のし尿処理施設は老朽化しており、将来的な施設の更新など懸案要素もあることから、埼葛清掃組合の存続をはじめ、今後の処理方策について、構成市町である春日部市、庄和町と調整を図る必要がある。
なお、構成市町は、それぞれ市町村合併を協議中であることから、必然的に今後の運営の方向性が議論されるものと思われる。

2 埼葛斎場組合に関する課題

岩槻市における斎場の運営状況について

岩槻市では、3市3町（春日部市、岩槻市、蓮田市、庄和町、杉戸町、白岡町）で構成する一部事務組合の埼葛斎場組合により運営されている。
現在、斎場の改築事業計画（全体事業費約41億円）があり、火葬・待合棟、式場棟、駐車場等の整備について、平成11年度から平成19年度までの期間において、用地買収、基本設計、実施設計、建築工事等を予定している。
また、岩槻市の平成15年度負担額は、42，132千円（うち、斎場建設特別負担金として13，729千円）である。

合併後のさいたま市の施設での受入れについて

さいたま市側の受入れ体制としては、新火葬場である（仮称）新大宮聖苑（火葬炉10基）を整備中であり、当面は受入れ可能な状況である。

課題

合併に伴う埼葛斎場組合からの脱退の可能性の検討について

埼葛斎場組合からの脱退の可能性と脱退の時期、その際の清算額などについて、総合的に検討し合併後の方向性を判断する必要がある。

埼葛斎場組合の存続に係る構成市町間の調整について

埼葛斎場組合の存続について、構成市町（3市3町）と調整を図る必要がある。
なお、構成市町は、それぞれ市町村合併を協議中であることから、必然的に今後の運営の方向性が議論されるものと思われる。