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更新日付:2016年3月23日 / ページ番号:C043637
さいたま市に元気をくれる人を紹介するコーナー。
今回は、一度は途絶えてしまった南部領辻の獅子舞の復活に尽力された清水隆明氏にお話を聞きました。
清水隆明氏プロフィール
さいたま市緑区出身。
南部領辻の獅子舞保存会会長。
16歳から獅子舞の笛方を習う。
現在は、獅子舞の保存に尽力している。
県内には現在179の獅子舞がありますが、南部領辻の獅子舞は、頭(かしら)が竜の顔立ちで、ある時は優雅に、またある時は地を這うように竜が天に昇るように激しく勇壮に舞うことから、別名「竜頭の舞」とも言われています。獅子は東天紅(鶏の一種)の羽根の長い頭髪を後ろにたらし、腹には桶型の大きな太鼓をつけて舞います。これも他の獅子舞には見られない特徴です。
昔はこの地区に住む家督を相続する人だけ、獅子舞ができるしきたりでした。ところが、東京オリンピックを境に、この地区でも都市化が進みました。農業をやる人が減り、勤めに出る人が増えると、だんだんと獅子舞の担い手が不足していきました。そして、昭和44年の舞を最後に、自然と消滅してしまいました。
一度途絶えてからは、舞うことはありませんでした。復活のきっかけとなったのは、昭和55年2月、野田小学校の落成式でした。当時の浦和市長が、こけら落としとしてぜひ舞ってほしいということで、獅子舞を奉納しました。また、平成7年3月に民家園の竣工式が行われ、ここでも獅子舞を行いました。
このときの舞が多くの人々に感動を与えたようです。そして、地域の方などからぜひ残して欲しい、復活させてほしいという声をたくさんいただきました。そうした声に後押しされて、平成11年に南部領辻の獅子舞保存会を立ち上げました。
30年ぶりの復活までの道のりは並大抵のことではありませんでした。復活を決めてからは、毎週土曜日に2時間以上、休憩をはさみながら、仲間が一丸となって、真剣かつ和やかな雰囲気で、稽古に励みました。
また、代々受け継がれてきた獅子舞に関心を持つ人が増えました。そのため、獅子の舞手を家督を継ぐ人に限らず、地域住民であれば参加できるようにしました。
そして平成12年10月15日、鷲神社(緑区南部領辻)の境内に大勢の人が集まる中、復活の舞を盛大に披露しました。舞った人も見た人も皆、昔を思い出し感動していました。
このことをきっかけに、地域の絆が深まったことをとても嬉しく思います。
昭和23年、私が小学3年生のとき、NHKのラジオで南部領辻の獅子舞の音楽が放送されました。その音(ね)が頭から離れませんでした。そういえば、麦わら帽子に家にあった絹の良い風呂敷を勝手に針金で結わえて頭にかぶり、獅子舞の格好をしたこともあります。それが親父に見つかって、怒られたんですよ。当時は獅子舞が遊びでした。
現在会員は30代から70代までの男性34人です。今後は若い人を中心に地域の人と一緒に活動の幅を広げていきたいと思います。また、男性だけでなく、女性にも興味、関心をもってもらい参加してほしいです。
またこの先も、伝統が途切れることなく、次の世代へと受け継がれていくことを願っています。そしてこれからも一人でも多くの人に、足を運んでいただきたいです。
平成27年10月18日に鷲神社に奉納する獅子舞では、最後に獅子と一緒に写真撮影することを考えています。
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