市議会だよりさいたま(ロクマル)No.97 2023年12月1日発行(令和5年9月定例会号) ロクマル=60人の議員は市民の代表。さいたま市議会の動きをコンパクトに伝えます。 ■■2-3ぺージ------------------------------------------------------------------ トピックス 聞かせて!今、高校生が考えていること 来年から有権者となる大宮国際中等教育学校5年生の皆さんに、さいたま市の理想の姿や市議会への期待などを語っていただきました。 さいたま市立大宮国際中等教育学校 埼玉県初の中等教育学校で、6年間の系統的・継続的な学習活動を展開している。さいたま市の教育目標である 3G(Grit やり抜く力 ・ Growth 成長し続ける力・Global 世界に視野を広げる力)を校訓とする。前身の市立大宮西高等学校から移行する形で 2019年4月に開校した。 ■Q1:さいたま市の魅力は?どんなまちになってほしい? ◆ガーナービビアンなのはさん 海外の方と話す機会があるのですが「あなたのまちの魅力は?」と聞かれても「ここは絶対行って!」という場所が思いつかない。住みやすいだけでなく自慢できる観光名所がほしいです。 ◆前田栄人(まえだ えいと)さん さいたま市が好き!住んでいて不便と思ったことがない。公園もあるし駅も多い。運動も勉強もできる。あとはほかのまちにはない唯一無二のものがあると良いと思います。 ◆神龍之介(じん りゅうのすけ)さん 鉄道博物館があります!でも日本三大鉄道博物館であることを知らない人が多い気がします。市民自身が意外と魅力に気づいていないことも…… ◆セタフィールド日向悟(せたふぃーるど ひゅうご)さん 治安が良くて、夜も安心して歩ける。これは世界に誇れると思います! ■Q2:身近なところで市に望むことは? ◆セタフィールド日向悟(せたふぃーるど ひゅうご)さん 駅前周辺や幹線道路を整備して歩行者や自転車の人にやさしいまちづくりをしてほしいです。 ◆難波茉由加(なんば まゆか)さん 公共施設の使用条件を緩和してほしいです。以前グループワークでディベートを行える公共施設が見つからなくて……学生が勉強や運動に使える施設がもっと増えることを望みます。 ◆ガーナービビアンなのはさん 夏はとても暑いので、街路樹が美しい、緑豊かな木陰のあるまちにしてほしいです。 ◆神龍之介(じん りゅうのすけ)さん 駅前の再開発では、もっとまち全体を豊かにするビジョンを描いてほしい。広場や道路、樹木など環境にも配慮した再開発を望みます! ■Q3:市議会に関心を持ってもらうためには? ◆セタフィールド日向悟(せたふぃーるど ひゅうご)さん 身近な政治について学校の授業にもっと組み込むべきかなと思います。 ◆神龍之介(じん りゅうのすけ)さん 市議会議員が各学校を訪問して政治に関する講演や特別授業などを行ってほしいです。 ◆前田栄人(まえだ えいと)さん 我が校に視察に訪れる議会や行政の方々!せっかくなので、僕たちと対話していきませんか? ◆難波茉由加(なんば まゆか)さん SNSで「普段は真面目な顔をしてるけど、実は面白い人だった」など、議員さんの人となりが見えたら愛着や好奇心が湧くかも! ■Q4:もしも、自分が市議会議員だったら? ◆難波茉由加(なんば まゆか)さん さいたまカルチャーを発信!今ダンスで市を盛り上げる活動に参加していますが、こうした取組は今後も行ってほしいので、文化面から市をアピールする政策を打ち出します。 ◆前田栄人(まえだ えいと)さん 教育格差解消を目指し、塾に行かなくても成績アップできる学習教材をさいたま市の学生に学年ごとに配布!勤労者・学生のために市民の休日も増やします。 ◆ガーナービビアンなのはさん 高齢者が住みやすいよう、オンライン診療などで高齢者医療を充実させます。 ◆神龍之介(じん りゅうのすけ)さん 市民の声を聴く方法に力を入れる。また、若者が住みやすく、子育てしやすいまちに! ■Q5:来年から有権者となりますが、市議会への期待を! ◆神龍之介(じん りゅうのすけ)さん 選挙では、その人が今までなにをしてきたのかを見て判断したい。30年、50年先を考えた政策に期待します! ◆前田栄人(まえだ えいと)さん さいたま市をなにも無いと自虐でPRするのではなく、日本一のさいたま市を打ち出してくれる政治家に一票を投じたいと思います。さいたま市が一番だってところを見せてほしい! ◆難波茉由加(なんば まゆか)さん 政治が自分事となるのが楽しみ!自分の意志を持って投票します。 ◆セタフィールド日向悟(せたふぃーるど ひゅうご)さん 生活の向上とさいたま市を成長させられる方に投票します! ◆ガーナービビアンなのはさん 国際的な観光名所となるテーマパーク構想を期待します。さいたま市の新たな魅力をつくっていってほしいです! ■市議会より 今回は大宮国際中等教育学校の協力のもと、高校生の生の声を聞くことができました。 伺ったご意見は、市議会にとってとても参考になりました。市民の皆さんの声を聞き、それを実現するためにこれからも精一杯頑張っていきます。 ■■4ページ------------------------------------------------------------------ クローズアップ 令和5年9月定例会(9月6日~10月20日/会期45日間) ■令和5年度補正予算議案を可決 議案第140号 令和5年度さいたま市一般会計補正予算(第4号) ほか5議案 子ども・子育てを支える都市の実現や、スポーツ先進都市の創造、市民の安全・安心を支える保健・医療提供体制の確保、いじめ防止に向けた取組の推進、個人版ふるさと納税受入額の拡大などに要する経費について、市長から令和5年度の補正予算議案が提出され、可決されました。 <主な事業> ●学校教室を活用した放課後児童クラブと放課後子ども教室を一体的に行うモデル事業の実施 ●スポーツシューレ推進施設整備に向け、公民連携手法導入可能性の調査及び基本計画の策定 ●新型コロナウイルス感染症対策事業の見直しと、感染再拡大に備えた保健・医療提供体制の確保 ■令和4年度の一般会計及び特別会計決算が不認定に 議案第145号 令和4年度さいたま市一般会計及び特別会計歳入歳出決算の認定について ほか3議案 令和4年度の一般会計決算額は、歳入6,649億円、歳出6,559億円となり、過去2番目の決算規模となりました。決算特別委員会での審査の後、本会議での採決の結果、一般会計・特別会計決算については「不認定」、企業会計決算については「認定」又は「認定及び原案可決」されました。また、決算特別委員会では審査の過程で指摘した改善点や要望などを令和6年度の予算編成に向けた提言書として14項目にまとめ、市長に提出しました。 <令和6年度の予算編成に向けた主な提言内容> ●公衆街路灯一斉LED化(*ESCO)事業における不適正な事務処理の反省を踏まえた内部統制の執行体制強化及び不適正な事務処理の未然防止 ●減少傾向にある市民一人当たりの公園面積の増加を図るための十分な予算措置及び積極的な取組 ●コロナ禍、原油価格・物価高騰等の影響を受けた地域経済の回復及び発展に向けた積極的な施策 ●特定空家等の状況把握の徹底及び管理不全な空き家に対するあらゆる措置 ●未利用市有地の適正活用及び維持管理コストの削減に向けた体制の構築 *ESCO(Energy Service Company)事業…省エネルギー改修にかかるすべての経費を光熱水費の削減分で賄う事業。 ■女性活躍推進議員連盟に注目 今年新たに設立された女性活躍推進議員連盟では、すべての女性が個性・能力を存分に発揮できる社会の実現を目指し、総勢54人の議員が活動を行っています。調査・研究や研修などの様々な活動を通じ、目的実現のための取組を行っていきます。 9月定例会で審議された議案 市長提出議案44件、議員提出議案1件、委員会提出議案1件/合計46件 このほかの議案などの審議結果は、さいたま市議会ホームページをご覧ください。「さいたま市議会」で検索 ■■5-10ページ------------------------------------------------------------------ 議員のQ&市のA 9月定例会「代表質問・一般質問」ダイジェスト すべての質問の様子は、インターネット議会中継(録画配信)でご覧になれます。 代表質問 7会派8人の議員が、市政に対する代表質問を行いました。質問の一部をご紹介します。 質問者 添野ふみ子(そえの ふみこ)/吉田一志(よしだ ひとし)/渋谷佳孝(しぶや よしたか)/新井森夫(あらい もりお)/鳥羽 恵(とば めぐみ)/金子昭代(かねこ あきよ)/北岡久住(きたおか くじゅう)/小柳嘉文(こやなぎ よしふみ) ■立憲 ◆生活に不可欠な水道事業 技術継承と人員の拡充を Q.水道事業の現場から、漏水や濁りなどの苦情への対応が困難との声を聞くが、熟練職員の配置は十分か。技術継承が課題と考えるが、人員体制の課題と対応について伺う。 A.技術継承を踏まえた職員配置については、人材確保が困難な中、ベテラン職員の退職などにより、厳しい状況にあると考えている。このため、計画的に人材育成を実施するとともに、業務量や事業進捗状況などを再確認し、弾力的かつ適切な組織再編や職員配置に努めている。現場部門での対応については、昨年度から水道管の工事以外の浄水場、配水場の工事に係る専任組織「水道施設建設課」を新設し、技術職員を重点配置することで専門性の確保や技術継承を図っている。 ◆すべての困難女性に届く 包括的な支援を実施すべき Q.「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」が来年4月から施行される。アウトリーチ(*1)などにより、包括的な支援が形づくられるような取組を望むが、市の見解は。 A.本市の困難女性支援の取組については、先進的な取組を行っている他自治体なども参考に、若年層や単身女性など、これまで公的サービスにつながりにくかった方々を支援につなげるとともに、アウトリーチや民間団体と行政との協働による取組など、困難女性支援法に示される施策を実施していく。困難女性支援法の、女性福祉、人権擁護といった基本理念にのっとり、支援が必要な方々に寄り添い、自己決定を尊重しつつ、切れ目のない包括的な支援に取り組んでいきたい。 *1 アウトリーチ 様々な方法で、必要な人に必要なサービスや情報を届けることで支援につながるよう積極的に働きかける取組。 ■公明党 ◆都市計画の見直しで 効果的なインフラ整備を Q.地下鉄7号線延伸や新大宮上尾道路の整備など将来を見据えたインフラ整備の効果を最大限生かすよう、都市計画を見直し市街化調整区域の市街化編入などをすべきでは。 A.将来都市構造の実現に向け、原則、市街化区域の拡大は抑制することとしているが、市として政策的に取り組んでいる地下鉄7号線延伸に伴う中間駅周辺のまちづくりや産業集積拠点などのプロジェクトでは、戦略的に都市計画を活用していきたい。市街化編入により、安心・安全なまちが形成できることや土地利用が図りやすくなることで、税収や人口の増加、地域経済への効果も望めることから、各種プロジェクトを推進し、戦略的、計画的に都市計画を活用していきたい。 ■さいたま自民党 ◆バスタ大宮と首都高を接続し 交通拠点の機能強化を Q.(仮称)バスタ大宮と首都高速道路を地下で直接接続すべきでは。これにより高速バスや物流トラックなどが乗り入れやすくなり、地上面でも交通混雑が回避できると考えるが、市の見解を伺う。 A.(仮称)バスタ大宮の候補地が、現段階で選定まで至っていないことから、アクセス道路についても今後の検討課題となっている。本市としては、高速道路ネットワークとのアクセス性向上が重要な要素の一つと考えていることから、今後候補地が選定された際には、首都高速道路の地下直接接続について、実現の可能性なども含め「大宮駅西口交通結節点事業計画検討会」にて検討していただけるよう、働きかけを行っていきたい。 ◆今後のまちづくりを見据え 国庫補助金のさらなる確保を Q.将来のまちづくりや都市基盤整備は、市単独事業だけでは限界があり、国庫補助事業のさらなる獲得と活用が不可欠である。市は今後どのように取り組んでいくのか。 A.本市はこれまでも様々な要望活動により、国庫補助の必要額確保に取り組んでいる。予算編成においては、補助金が配分されやすい重点事業への位置付けや、事業ごとの個別補助金など内示率の高い補助制度を活用し補助金の確保に努めていく。特に本市では大宮駅グランドセントラルステーション化構想や市街地再開発などの都市基盤整備を推進しており、さらなる補助金の確保が重要と考えている。今後も要望活動を充実させるとともに、積極的な予算確保に努めていきたい。 ■自民党市議団 ◆障がい者が安心できる 情報提供方法を整備すべき Q.公共施設において、意思疎通や情報取得が困難な障がいのある人に対する情報提供のための設備は、災害時はもとより、平常時でも必要である。市の整備方針を伺う。 A.本市では、ノーマライゼーション条例に基づき、誰もが安心して暮らせる地域社会の実現に向けた取組を推進している。条例では意思疎通や情報取得が困難な障がい者に対し、必要な支援や配慮を行うことと規定しており、条例などの趣旨を踏まえ、本市では、手話通訳者や要約筆記者の派遣など、聴覚障がい者に対する各種事業を行っている。今後も、聴覚障がい者への情報提供の必要性を周知するとともに、災害時や日頃からの防災情報の提供方法も含め、必要な情報が得られる環境整備に努めていきたい。 ◆うち続く厳しい経営環境 地域の商店へ支援の継続を Q.新型コロナウイルス感染症の影響はいまだに残り、また、原油高騰などにより商店街各店舗の経営環境は厳しさを増している。商店会向けの各種補助金の補助率については引上げを継続すべきでは。 A.本市では今年度、引き続き商店街街路灯などの電気料金の補助や商店街活性化事業に対する補助率の引上げを継続して実施しており、このうち、街路灯の電気料金は全額補助としている。今後については、光熱費の価格高騰などの先行きが不透明なことから、国の動向や市内経済状況を注視するとともに、商店会連合会を含む関係団体などの声を聞きながら、消費拡大やにぎわいの創出に資する商店街の活性化に積極的に取り組んでいきたい。 ■日本共産党 ◆従来のまま進めていくのか 新教育長の所信を問う Q.教育長は、引き続き日本一の教育都市実現を進めていくのか。その教育行政が、教職員に負担を強い、児童生徒を過度な競争に追い立ててきたと考えるが、見解は。 A.「日本一の教育都市」で育った子どもは、「日本一幸せな子ども」になってほしいと願い、その実現を目指して、様々な教育施策を引き続き展開していく。これからの「日本一の教育都市」の実現には、学校教育、家庭教育、社会教育の力を集結し、最大限に発揮する仕組みであるコミュニティ・スクールが不可欠である。この仕組みを基盤に、学校・保護者・地域とこれまで以上に連携・協働し、子どもたち一人ひとりの個性と可能性を伸ばす教育を推進していく覚悟である。 ◆区画整理に伴う桜の伐採 組合との話合いを Q.区画整理により伐採が予定されている七里駅の桜について、桜を守る会は土地区画整理組合との話合いを3年間求めている。市は話合いの場を設定すべきでは。 A.七里駅北側特定土地区画整理事業において、駅北側の桜を現位置に残すことは困難であると土地区画整理組合から伺っていることから、市と組合では移植の可能性を探るため外観診断や精密診断を実施したところである。七里の桜を守る会と組合の話合いについては、本市としてもそのような場を設けることが大事だと考えている。事務を受託している土地区画整理協会を通じて、改めて組合から経緯を説明していただくなど、話合いの場が設けられるよう調整していく。 ■無所属みらい ◆災害時の状況を 想定することが備えの出発点 Q.本市は大規模災害時の被害想定を平成25年度に発表したが、その後、人口増加や環境変化、災害対応への考え方も変わってきている。現状に即した対策とするため、想定を見直すべきでは。 A.この約10年で、人口や災害対応への考え方が変化してきていると、本市としても認識している。現在、国では首都直下地震対策の見直しに向け、被害想定を再検討する動きがみられる。これを受け、県においても被害想定の見直しに係る検討を始めている旨、確認したところである。本市においても、今後、国の被害想定に係る動向を踏まえつつ、県とも調整を図りながら、本市被害想定調査の見直しについて、実施時期も含め検討していきたい。 一般質問 12人の議員が、市政に対する一般質問を行いました。質問の一部をご紹介します。 質問者 吉田一郎(よしだ いちろう)/川村 準(かわむら じゅん)/堤 日出喜(つつみ ひでき)/堀川友良(ほりかわ ともよし)/斉藤健一(さいとう けんいち)/石関洋臣(いしぜき ひろおみ)/中山淳一(なかやま じゅんいち)/服部 剛(はっとり つよし)/佐藤征治郎(さとう せいじろう)/津和野眞佐子(つわの まさこ)/佐々木郷美(ささき さとみ)/吉村豪介(よしむら ごうすけ) ■市の政策・行財政 ◆学校施設と子育て施設 人口増加への対策を早急に Q.大宮南小学校の児童数急増への対応は。また、新都心地域では子どもの増加を見据え、新庁舎建設を踏まえた子育て施設の整備も検討すべきと考えるが、市の見解は。 A.大宮南小学校は今後も児童数の増加が見込まれるため、昨年度、関係部署でプロジェクトチームを立ち上げ、児童生徒数の見込みや推移、学校施設リフレッシュ基本計画との整合性など様々な条件整理を行っている。教育環境の整備に際しては、地域の声に耳を傾けながら検討を進めていく。また、新庁舎整備に合わせた子育て施設の設置については、現在、新庁舎への複合化を検討している民間機能について、広く市民・事業者などの意見も伺っているため、提案の意見も含め、引き続き検討していく。 ◆IT技術を活用し 誰もが利用しやすい窓口を Q.言語障がいや難聴のある方、また外国人の方との窓口対応時に、ユニバーサルコミュニケーションを可能にする翻訳ディスプレイの設置を検討しては。市の見解を伺う。 A.透明ディスプレイを活用した窓口向けコミュニケーションサービスについては、聴覚障がい者や言語障がい者などへの対応、多言語での音声翻訳を可能とするなど、多方面での活用が考えられると認識している。また、関係部署との情報共有とともに、導入事例の情報収集などを行っていきたい。機器の導入についても、職員や市民、専門家などの意見も踏まえ、先行自治体の事例を参考に、費用対効果や設置にふさわしい具体的な窓口の想定など、検討を進めていきたい。 ◆災害時に安心して避難できる 母子救護所の設置を Q.子育て世代に選ばれる地域であり続けるためには、災害時の母子支援が重要である。次世代を担う周産期の母子を守るため、母子救護所の設置を検討してはどうか。 A.本市では、指定避難所において、妊産婦や乳幼児を含めた要配慮者に優先的にスペースを確保することとしているほか、公民館などを要配慮者優先避難所に指定している。健康などに問題のない妊産婦や乳幼児は、居住地域の一般的な避難所へ避難していただくこととしており、母子救護所の設置は、現時点では難しいと考えている。母子救護所を設置するためには、場所や移動手段、専門的な人材の確保など様々な検討課題があると認識しており、今後は、他自治体の事例などを調査しながら、研究していきたい。 ■福祉・保健・医療 ◆国のモデル事業へ参加し 歯科健診を受けやすい環境に Q.本市の成人歯科健康診査の受診率は0.8%程度。国のモデル事業に参加し、一般健診時に簡易検査キットを活用した受診勧奨などに取り組み、受診率向上を図るべきでは。 A.本市の調査によると、20歳以上の歯科健診を定期的に受けている割合は令和3年度には35.1%あり、本市が実施する歯科健康診査以外での受診者も多くいると考えられる。受診率向上について検討するに当たり、国が実施する歯科口腔保健の推進に関するモデル事業も十分参考になると考えており、今後、事業概要などを精査するとともに、先行して事業を実施している自治体へ成果や課題、問題点を伺うなどし、本市としてどのように対応すべきかを考えていく。 ■教育・文化 ◆教職員の業務上のミス 市が損害賠償を求める基準は Q.プールへの水の出しっぱなしによる教職員への損害賠償事案が他自治体である。教職員の働き方にもかかわる問題と考えるが、本市の損害賠償を求める基準を伺う。 A.他自治体と同様、地方自治法などに基づき、個々の事例について総合的に勘案したうえで判断しており、包括的な基準は定めていない。具体的な事実関係を確認し、法の基準に照らしつつ、過失の程度、事案の背景などを勘案し判断したいと考えている。なお、本市では学校プールの水栓の閉め忘れなどによる水道使用量の損失がないよう、毎年、閉栓確認の徹底を学校に依頼しており、組織で取組を徹底することが、安心して働ける環境の確保につながるものと考えている。 ◆学校のタブレットパソコン 学習期間の空白を防ぐ対応を Q.児童生徒が1人1台活用しているタブレットパソコンが故障した際、修理に半年以上要しているため、100%代替機を用意するとともに落下防止策を図るべきでは。 A.児童生徒用端末については、今年度、修繕代替機を新たに1,500台調達したことで、現時点ではすべての児童生徒分を確保できている。修繕期間についても事務処理の軽減など作業の見直しを行い、短縮化を進めているところ。落下などの防止策については、これまでも動画などで注意喚起に努めてきたが、端末の活用が進むにつれ、落下による故障件数は全国的にも増加傾向にある。議員提案の滑り止めシートやストラップなどの対応についても情報収集に努め、財源確保も含め研究していく。 ◆酷暑の中で活動するPTA 使用する会議室にエアコンを Q.PTAが使用する校内の部屋にエアコン設置を求める。また、それが困難な場合、マイスクールファンド(*2)を活用し、PTAの費用負担による設置が可能か伺う。 A.小・中学校へのエアコンの設置は、普通教室や特別教室などを中心に行っており、昨年度から中学校体育館への設置を順次進めている。現状では、限られた財源の中、児童生徒が使用するスペースなどを優先して配置している。また、学校を応援したいという寄附者の希望を尊重しつつ学校が使途を判断する「マイスクールファンド」を活用して学校内会議室へエアコンを設置することは、可能と考える。物品購入などを通じ、子どもたちの学校生活が充実したものになるよう、この寄附金を活用していきたい。 *2 マイスクールファンド(さいたま MY SCHOOL ファンド) 令和5年7月から、さいたま市「ふるさと応援」寄附の使いみちの一つとして設定された仕組み。寄附者が応援したい学校や教育施策を指定して寄附を行うことができる。 ◆現在工事中の鶴巻陸橋 完成後通学路として使えるか Q.工事完了後の鶴巻陸橋は、美園中学校の通学路として使用可能か。また校内の検討委員会で検討中の美園陸橋経由の通学路実現に向け協力を求めるが、市の見解は。 A.鶴巻陸橋を通るルートの課題として、人目が少ない区間が長いという状況があるが、歩道工事が完了すると道路環境が変わるため、美園中学校としても保護者や地域の方と再度検討すると伺っている。本市も議論が活性化するよう情報提供などを行い、警察や関係部局などと連携しながら安全対策を講じていく。また、美園陸橋を通るルートについては、現在、通学路検討委員会で検討中と伺っている。今後、学校から要望があった場合には、警察などと現地に赴き合同点検を実施し、現地の状況に応じた安全対策などの支援に努めていく。 ◆大宮駅前賑わい拠点の方向性 子どものためにも早期結論を Q.旧大宮区役所跡地の活用と大宮小学校の方向性の結論を早く出すべき。現在の検討状況は。大宮小を複合化する場合、夜間中学、学びの多様化学校を併設してはどうか。 A.旧大宮区役所跡地の活用については、大宮小学校の在り方の検討と併せ、一体的なまちづくりについて部局横断的に検討を進めており、できるだけ早期に方向性を示せるよう取り組んでいる。大宮小学校は、築60年以上経過しており、校舎の老朽化が重要な課題と認識している。現在、子どもたちの良好な教育環境の確保を前提に様々な案を検討しており、他自治体での学校の複合化の事例も研究している。今後もどのような施設との複合化が望ましいかを含めて協議し、魅力ある学校の形を目指していきたい。 ■まちづくり・環境 ◆道路上に越境する樹木 市は強制的に切除するのか Q.歩行者や自転車、自動車の通行の支障となる道路上に越境した樹木などを所有者が切除しない場合、今年4月の民法改正を受け、今後市はどう対応するのか、見解を伺う。 A.本市では、これまで、敷地から道路上に越境し、歩行者や自動車などの通行の支障となっている樹木については、道路法に基づき所有者に切除を依頼している。今年4月、樹木などの切除を所有者に催告し、相当期間内に切除されない場合には、近接する地権者自ら切除することと民法が改正された。今後の対応については、これまで通り、まずは所有者による切除が前提と考えており、所有者へ丁寧な説明と切除などの依頼をしていく。併せて今回の民法改正について、政令指定都市の会議や他自治体の事例を参考に対応を検討していく。 ◆既存スクラップヤード(*3)にも 強制力のある条例の制定を Q.鉄くずスクラップヤードなどを規制する再生資源物の屋外保管条例は、地域住民の声に耳を傾け、既存の事業者に適用する基準を広げるべきではないか。市の見解を伺う。 A.策定中の条例では、既存事業者へ一定の経過措置期間を設け、囲いの設置などの保管基準の適用を検討している。また、騒音規制法や振動規制法に準じた基準を施行規則に定めることや、既存事業場に対しては適用除外としている、安定した排水を放流する排水処理設備設置の適用も検討している。緩衝緑地帯設置については、全既存事業者への義務付けは困難と考えるが、同程度の効果が得られるよう、施行規則において、より厳しい保管基準を検討する。また、既存事業者についても、住民との話合いの場が設けられるよう指導している。 *3 スクラップヤード 金属スクラップなどの再生可能な資源物を屋外で保管し、また、保管に伴い破砕、切断をするなどの事業を行う事業場。 ■■11ページ------------------------------------------------------------------ さいたま市議会からのお知らせ ■会派の構成が変わりました 令和5年7月28日付で、浜口健司(はまぐち けんじ)議員の所属会派が、立憲民主・無所属の会さいたま市議団から無所属に変更になりました。これにより、会派構成が次のとおりになりました。 令和5年7月28日現在の会派構成 立憲民主・無所属の会さいたま市議団 12人 公明党さいたま市議会議員団 11人 さいたま市議会自由民主党議員団 10人 自由民主党さいたま市議会議員団 9人 日本共産党さいたま市議会議員団 6人 日本維新の会さいたま市議団 4人 無所属みらい 3人 無所属(会派に所属していない議員) 5人 合計60人 ■オープン委員会を開催します 市民参画の場として若者からご意見・ご提案を発表いただく、予算委員会によるオープン委員会を開催します。ぜひ傍聴にお越しください。 テーマ:若者が住み続けたいと思う魅力あるまちとするためには 日時:12月17日(日)午後4時から6時まで 会場:大宮区役所 2階大会議室 傍聴:30人(先着順) 問い合わせ先:議事課(Tel. 829-1753) ■年末年始のごあいさつは公選法により禁止されています 公職選挙法の規定により、議員が選挙区内の人に年賀状などのあいさつ状を出すことは禁止されております。そのため、年末年始のごあいさつは失礼させていただきます。 ◆公職選挙法では選挙区内においてこのようなことが禁止されています。 ●議員が年賀状や寒中見舞いなどのあいさつ状を出すこと(答礼のための自筆によるものは除く) ●議員や後援会がお中元やお歳暮を贈ること ●議員や後援会があいさつを目的とした有料の広告を出すこと ●市民や団体などが議員に対し寄附を求めること ■請願・陳情を市議会に届けるには? 市政などについての意見や要望がある時は、どなたでも「請願」「陳情」を文書で市議会に提出することができます。 ◆請願 請願書の提出には、市議会議員の紹介が必要です。審査のうえ、本会議で「採択」「不採択」などが決められます。「採択」された請願は市長などに送り、実現するよう要請します。 ◆陳情 陳情書の提出には、市議会議員の紹介は必要ありません。陳情内容が記載された陳情文書表を議員に配付します。 ◆提出先など ●提出先 さいたま市議会 議会局  ●提出方法 持参または郵送(FAXや電子メールは不可)。 くわしくは議事課(Tel.829-1753)までお問い合わせください 。 ■■12ページ------------------------------------------------------------------ ■ロクマルキーワード 9月定例会の中から気になる言葉を取り上げ、解説します。 『さいたま国際芸術祭2023』 市民と一緒に創り上げる参加型芸術祭 3年に一度開催されるさいたま国際芸術祭。2016年の初開催から数え、今回で3回目となります。国内外の数多くのアーティストと共に最先端の作品や現代美術、音楽、ダンスなど多様な文化芸術作品による発信を行っています。「共につくる、参加する」をコンセプトに、市民と市民、市民とアーティスト、アーティストと地域が交流する機会の創出に努めています。134万人が暮らす上質な生活都市における市民参加型の芸術祭として皆様と一緒に創り上げていくことを目指しています。 閉幕まで残りわずか! みんなで一緒に楽しもう! 今回の芸術祭は、10月7日から12月10日までの日程で開催しています。現代アートチーム 目 [mé]をディレクターとして迎え、メイン会場の旧市民会館おおみやのほか、多くの場所で様々な催しを開催しています。閉幕まで残りわずかとなりましたが、海外ダンサーを招いたファッションショーや演劇、ディレクターのトークショーなど、魅力あるプログラムがまだまだあります。国内外のアーティストと交流できる絶好の機会ですので、ぜひご参加ください! ■編集後記 今号のトピックスでは、高校生へのインタビューの様子をご紹介しました。未来を担う若者たちの期待に真正面から向き合い、さいたま市をより住みやすく魅力あるまちとするため、今後も積極的に活動してまいります。さて、今年も残すところひと月となりました。何かと忙しい師走ですが、くれぐれもお体には気を付けてお過ごしください。来年も引き続き「ロクマル」をよろしくお願いします。 ◆議会広報編集委員会 [委員長]議長 江原大輔(えはら だいすけ) [副委員長]副議長 神坂達成(かみさか たつあき) [委員]永井里菜(ながい りな)/堀川友良(ほりかわ ともよし)/出雲圭子(いずも けいこ)/尾上貴明(おのうえ たかあき)/池田めぐみ(いけだ めぐみ)/井原 隆(いはら ゆたか)/吉田一志(よしだ ひとし)/金井康博(かない やすひろ)/萩原章弘(はぎわら あきひろ) ■さいたまアルファベット 今号の表紙は[大宮区] 表紙では、さいたま市10区の様々な魅力を紹介しています。それぞれの名産品や名所などを組み合わせて、各区の名前を表現しています。今号は、さくら、鉄道、十日市などを取り上げました。 ■12月定例会を開催しています 会期日程は、ホームページをご覧ください。くわしくは議事課までお問い合わせください(Tel.829-1753)。 ■本会議・委員会の傍聴 開催日当日、議会棟3階で受付しています。※手話通訳・要約筆記をご希望の方は、7日前までに議事課にご連絡ください(Fax.829-1984)。 ■インターネット中継 会議を生中継・録画配信しています。パソコンやスマートフォンなどからご覧ください。※現在、区役所ロビーでの放映は行っておりません。 ■テレビ番組「ようこそさいたま市議会へ」テレビ埼玉 令和6年1月13日(土)午前9時30分~放送予定 過去に放送した番組も市議会ホームページやYouTubeで視聴できます。 市議会のくわしい情報は、さいたま市議会ホームページをご覧ください。「さいたま市議会」で検索 この議会広報紙は640,800部作成し、1部当たりの作成経費は9円です(企画編集の経費を含みます)。 No.97 2023.12.1 市議会だよりさいたま 編集・発行>>さいたま市議会 〒330-9588 さいたま市浦和区常盤6丁目4番4号 Tel.048-829-1748 Fax.048-829-1984