市議会だよりさいたま(ロクマル)No.98 2024年2月1日発行(令和5年12月定例会号) ロクマル=60人の議員は市民の代表。さいたま市議会の動きをコンパクトに伝えます。 ■■2-3ぺージ------------------------------------------------------------------ トピックス 浦和レッドダイヤモンズ西川周作(にしかわ しゅうさく)選手が市議会訪問! 浦和レッズのゴールキーパー西川周作(にしかわ しゅうさく)選手を迎え、江原大輔(えはら だいすけ)議長と神坂達成(かみさか たつあき)副議長が、さいたま市への熱い思いなどを聞きました。 にしかわ しゅうさく 1986年生まれ。大分県宇佐市出身。日本屈指のセービング技術と世界クラスのキック精度を誇るゴールキーパー。大分トリニータ、サンフレッチェ広島を経て、2014年より浦和レッズに所属。日本代表での出場経験も持つ。2023Jリーグ ベストイレブンおよびフェアプレー個人賞を受賞。現在も進化を続けている。 ■住みやすく、人があたたかい 家族みんなが大好きなまち 議長 本日はお忙しい中、市議会にようこそいらっしゃいました!西川選手は2014年からさいたま市にお住まいとのことですが、率直な感想はいかがですか? 西川 これまで家族でさいたま市で暮らしてきて、すごく住みやすいまちと感じています。人があたたかくて家族みんなが大好きなまちです。さいたま市は都会に近いけれど、自然や公園が充実していて、ご近所の皆さんにも家族ぐるみでよくしていただいています。ここ数年は、見沼田んぼの田植え体験にも参加していて、僕も田舎育ちなので、子どもたちも、自然豊かな環境で育ててあげたいと思っています。 副議長 私もさいたま市に長年住んでいますが、まったく同感です。西川選手に言っていただけると、地元冥利に尽きますね。自然豊かで、アクセスも良く、埼スタもあるし、子育てには最高のまちだと思っています。 議長 まちに出ると、いろんな人に応援の声をかけられると思いますが、西川選手はどう受け止められていますか? 西川 本当にありがたく思っています。よく家族で浦和に出掛けるのですが、そんな時も進んでファンの方と写真を撮っていますね。皆さんへの感謝を忘れずに、一緒に「サッカーのまち」を盛り上げていければと思っています。 副議長 私も憧れのスターとお会いした時の感動はいまだに忘れられません。ファンはうれしいですよね。 西川 僕も、小学生の時のプロのスポーツ選手の訪問がすごく思い出に残っているんです。だから、子どもたちと積極的に交流したいと思っています。昨年は野田小学校の卒業式を訪問したり、埼玉県立小児医療センターの子どもたちにも会いに行くことができました。小児医療センターの子どもたちとは、3年ほど前からオンラインで交流してきましたが、ようやく直接会うことが叶いました。サッカー好きの子にAFCチャンピオンズリーグの優勝メダルをかけてあげたら、涙を流して喜んでくれて、「サッカーを頑張ってきて良かった!」と心からうれしくなりました。励ましに行ったつもりが、僕のほうが励まされていました。 ■スポーツを通じて伝えたい 「夢は叶う!」という希望 副議長 今年、2024年でプロ歴20年となりますが、これからの西川選手の夢を教えてください。 西川 再び日本代表として世界で戦うことです!僕は今年で38歳ですが、今こそが全盛期だと思っています。年齢は数字にすぎず、自分次第で戦い続けられることを、同世代の皆さんはもちろん、子どもたちにも伝えていきたいですね。 副議長 やはり日本代表という大きな目標は、ご自身を奮い立たせる強いモチベーションになるんですね。 議長 素晴らしいですよね。私たちは「サッカーのまち」を目指してまちづくりを進めてきましたが、一番大切なのは、選手の皆さんの活躍を目の当たりにすることで、すべての子どもたちが「夢は叶うんだ!」と希望を持てることだと思っています。西川選手は、サッカー選手である一方で、子育て中のパパでもありますが、子育てで心掛けていることはありますか? 西川 子どもたちには毎日「今日どうだった?」「何があった?」とたくさん話を聞くようにしています。プロを目指した中学生の頃から、僕のモットーは「笑う門には福来たる」。子どもたちにも、誰にでも笑顔で挨拶できる素直な人に育ってほしいですね。自分が笑顔になれば、まわりの人も自然と笑顔になって幸せの輪が広がっていくと思いますから。 議長 子どもたちの笑顔は最高ですよね。うちはもう大学生ですが、いまだに「今が一番可愛いな!」とハグしています(笑)。小さな頃から「父ちゃんの宝物はお前たち2人だ」ってことあるごとに言い続けてきました。 西川 めちゃくちゃいいですね!僕らも毎日が勉強で。子育ての先輩に見習いたいと思います。 議長 先輩なんてとんでもない!子どもが1歳なら、親も1歳で、子どもに教えられながら、一緒に成長していくんですよね。市民の皆さんが充実した楽しい子育てができるように、60人の議員が一丸となって、子育て支援策を拡充させていきたいと思っています。 西川 さいたま市は教育や子育て支援がとても充実していますよね。先生たちも一人ひとりを丁寧によく見てくれているなと感じます。 副議長 さいたま市は、中学生の英語学力が日本一なのが自慢ですが、それは先生方の熱心な指導と、子どもたちが楽しく学べる充実のカリキュラムの賜物です。さらに、さいたま市は0〜14歳の転入超過数が日本一で、子育て世代人気ナンバーワンのまちと言えます。私たち市議会も、子育て世代の期待に全力で応えていきたいと思います。 ■さいたま市を愛する心で 安心して住めるまちづくりを 議長 今日は、西川選手のさいたま愛が伝わってきてうれしいですね。さいたま市で生活する中で、何かこうしてほしいなとか市や市議会への要望はありますか? 西川 家族でいろいろと話し合ってきたのですが、「今のさいたま市にすごく満足しているので、この環境を維持してほしい」という結論になりました。 議長 それはありがたいですね。さいたま市は利便性が高く、災害にも強く、子育てもしやすい。まさに、日本一住みやすいまちですよね。 副議長 今後は市内の交通網をより充実させたり、あとは、防犯面での心配ごとが増えていますので、子どもたちが安心して遊べる環境づくりには、力を入れていきたいです。 西川 ますます住みやすくなりますね。期待しています! 議長 西川選手とお話しして、こんなにも愛情を持っていただいているさいたま市を、さらに安心で笑顔あふれるまちにするために働く勇気をいただきました。これからも私たちは一人ひとりの声に真剣に耳を傾け、134万人市民の幸せの実現のために全力で働いてまいります。本日は、素晴らしい時間をありがとうございました。 ■西川 『僕のモットーは「笑う門には福来たる」笑顔になれば、自分もまわりの人も幸せになると信じています』 ■■4ページ------------------------------------------------------------------ クローズアップ 令和5年12月定例会(11月29日~12月22日/会期24日間) ■物価高による負担軽減のための給付金など 総額257億円超の補正予算議案を可決 議案第185号 令和5年度さいたま市一般会計補正予算(第6号) ほか13件 国の補正予算に伴う事業の実施、子ども・子育てを支える都市の実現、スポーツ先進都市の創造、個性豊かで潤いのある都市空間の形成などに要する経費について、市長から令和5年度補正予算議案が提出され、可決されました。 <主な事業> ●住民税非課税世帯等への1世帯7万円の給付金の支給 ●住民税均等割のみ課税世帯への1世帯10万円の給付金の支給 ●低所得の子育て世帯へ児童1人5万円の給付金の支給 ●省エネ性能の高い家電製品への買換えに要する費用の一部を補助 ●民設放課後児童クラブの新規整備に要する経費の一部補助 ●市民の誰もがアーバンスポーツを楽しむことができる場所の整備 ●沼影市民プールの代替となるレジャープールの新設に向け、候補地の検討に必要な調査 ●調査により判明した不適正な契約の令和6年度以降の支出義務の適正化 ■市議会から国へ意見書を提出 議員提出議案第2号 公平で安全なブラッドパッチ療法(硬膜外自家血注入療法)の実施に向けた適切な措置を求める意見書 身体への外傷等を原因として発症する脳脊髄液漏出症(減少症)の患者が、その治療法であるブラッドパッチ療法*を保険診療のもと、公平で安全に受けられるよう、適切な措置を講じることを強く求める意見書が議員から提出され、可決されました。意見書は、国会や関係行政庁に提出されます。 ●公平で安全なブラッドパッチ療法(硬膜外自家血注入療法)の実施に向けた適切な措置を求める意見書 *ブラッドパッチ療法(硬膜外自家血注入療法)…脳脊髄液が漏れている脳脊髄液漏出症(減少症)の患者に対して、髄液の漏れている周辺に患者自身の血液を注入して漏れを止める治療法。 ■【特別委員会】有識者から意見聴取 公共交通の在り方検討・大宮駅GCS化構想 超高齢社会に向けた公共交通の在り方検討特別委員会と大宮駅グランドセントラルステーション化構想特別委員会では、それぞれの事業の見識を深めることを目的に有識者から意見を伺いました。有識者の豊富な知見と経験をもとに示された各事業の現状や課題を委員と執行部で共有できたことで、市民の関心の高いこれらの事業のあるべき姿の実現に向け、今後も調査研究を進めていきます。 12月定例会で審議された議案 市長提出議案86件、議員提出議案1件/合計87件 このほかの議案などの審議結果は、さいたま市議会ホームページをご覧ください。「さいたま市議会」で検索 ■■5-10ページ------------------------------------------------------------------ 議員のQ&市のA 12月定例会「一般質問」ダイジェスト すべての質問の様子は、インターネット議会中継(録画配信)でご覧になれます。 一般質問 21人の議員が、市政に対する一般質問を行いました。質問の一部をご紹介します。 質問者 上三信 彰(うえさんのぶ あきら)/川崎照正(かわさき てるまさ)/相川綾香(あいかわ あやか)/佐藤征治郎(さとう せいじろう)/永井里菜(ながい りな)/萩原章弘(はぎわら あきひろ)/川村 準(かわむら じゅん)/秋山朋彦(あきやま ともひこ)/浜口健司(はまぐち けんじ)/松本 翔(まつもと しょう)/桶本大輔(おけもと だいすけ)/中山淳一(なかやま じゅんいち)/池田めぐみ(いけだ めぐみ)/伊藤 仕(いとう まなぶ)/稲川智美(いながわ さとみ)/谷中信人(やなか のぶと)/久保美樹(くぼ みき)/関 ひろみ(せき ひろみ)/北岡久住(きたおか くじゅう)/吉田一郎(よしだ いちろう)/中山欽哉(なかやま きんや) ■市の政策・行財政 ◆児童の放課後の居場所づくり 体系的・計画的な事業展開を Q.放課後子ども居場所事業は、部局横断的な対応が必要なため行政計画に位置付けたうえで実施していくべきと考えるが、今後の事業の進め方について市の見解を伺う。 A.本事業は小学校の施設を活用し安全・安心な放課後の居場所を提供することで待機児童の解消、クラブ運営に係る保護者負担の軽減、多様なニーズへの対応といった効果が期待されるもので、現在、来年度4校でモデル事業を実施するための準備を進めている。今後、モデル事業の検証結果や国の動向などを踏まえ、放課後の居場所施策を進めるための基本方針を作成することとし、来年度中に素案を示したい。 ■福祉・保健・医療 ◆子育て支援医療費の助成 高校3年生まで無償化へ Q.子どもを安心して生み育てられる環境づくりを支援する取組として、今こそ子育て支援医療費の高校生までの拡充を早急に実施すべきと考えるが、市の見解を伺う。 A.政令指定都市移行時の経緯から、本市は県の乳幼児医療費支給制度の補助対象外とされているが、今後も本市に対する県の支援を粘り強く要請していく。また子どもたちが安心して医療を受けることができる環境の整備は、子育て政策全体の根幹となる重要な課題である。本市としても、県の補助の有無にかかわらず、詳細な制度設計や自主財源の確保に向けた検討など、令和6年度からの高校生までの医療費無償化の拡充について、前向きに検討、そして準備を進めていきたい。 ◆自殺未遂者への適切な対応で 必要な支援につなげる体制を Q.日々、自殺未遂者に数多く遭遇する消防職員に対し、必要な支援につなげる役割を果たすゲートキーパー(*1)となるための研修やマニュアルの整備など行っているのか伺う。 A.119番通報の受信など消防が行う活動については、それぞれに応じたマニュアルに基づき行っており、新任指令管制員研修や救急隊員養成研修などにおいて、市民ニーズに応じた研修を実施している。また、自殺未遂者や自殺を考えている方に対する、消防局の対応力の向上を図るため、消防職員に向けたゲートキーパー研修を行っているほか、消防職員が救急活動の中で参考にできるよう精神科医療機関や相談先の情報が掲載された「こころの健康ガイド」を配布している。 *1 ゲートキーパー 自殺の危険を示すサインに気付き、声をかけ、話を聞いて、必要な支援につなげ、見守るなどの適切な対応を図ることができる人のこと。 ◆里親制度を拡大し 安心できる家庭環境を Q.施設ではなく、家庭で子どもを育てる養育里親を増やすため、他自治体が取り組んでいる週末里親制度や季節里親制度(*2)を実施してはどうか。市の見解を伺う。 A.本市では現在、週末里親制度や季節里親制度など、一定期間児童との交流をお願いする制度は実施していない。これらの制度については、施設入所児童が家庭的な養育を経験できることの有用性を承知している一方で、児童と定期的に交流ができる引き受け手の確保などの課題も認識している。しかしながら、施設入所児童の家庭的養育を推進する方策として、これらの制度の取組は有効と認識しており、今後、他自治体の先進事例などを参考に、検討していきたい。 *2 週末里親制度・季節里親制度 金曜日の夜から日曜日など、週末にかけて里親家族と一緒に生活するような受入れ制度を週末里親制度といい、夏休みなど学校の休業期間に数日間にわたり子どもを受け入れる制度を季節里親制度という。 ◆ひとり親家庭への支援充実で 安心して子育てできる環境を Q.ひとり親家庭の養育費が受け取れていない方への支援として、養育費の立替えサポート事業や不払い養育費の訴訟補助を、本市でも導入すべきと考えるが、見解を伺う。 A.本市では、ひとり親家庭の経済的基盤の安定化のために様々な取組を実施している。国においても、ひとり親の自立を促進する環境整備を進めるとしており、市としても支援を必要とするひとり親家庭の実情を踏まえた持続可能な独自施策について検討していきたい。養育費の立替えサポート事業や不払いの訴訟補助事業は、養育費の不払い解消に向けた先進的な取組であり、効果的な支援と認識している。早期実施に向けて検討を進めていきたい。 ◆24時間使用できるAED 屋外設置を拡大すべきでは Q.市立中学校正門への設置により、24時間使えるAEDが増えたが、命を守るさいたま市として、小学校正門と公共施設での屋外設置については、どう考えているか。 A.中学校正門などへの24時間使用可能なAEDの設置は、市内全体の安全度を一層高められると期待している。小学校への設置も安全性を高めるうえで大切と認識しているが、まずは、中学校正門への設置による成果や効果などの検証が重要と考えている。公共施設での屋外設置は、適切な保守管理が求められるため、設置実績のある自治体から情報収集するとともに、庁内関係課による意見交換会開催など、実現に向けて検討している。 ◆自殺予防の活動をする 当事者団体との連携を Q.自殺を予防し、かけがえのない命を守るため、遺族などによる団体との連携が必要。現在の取組状況と次期自殺対策推進計画への反映について、市の見解を伺う。 A.本市における当事者団体との連携については、遺族に必要な情報や支援を届けるために、当事者団体などと情報を共有し、蓄積した情報のホームページへの掲載や、市報およびチラシを活用した情報発信を行っている。また、遺族が必要な支援や情報を得られるよう、相談支援に取り組んでいる。今後についても、引き続き、次期自殺対策推進計画に自死遺族への支援を位置付け、より一層支援の充実に努めていきたいと考えている。 ◆がん治療による心の負担へ 寄り添った支援をすべき Q.がん治療に伴う外見の変化をカバーする人工乳房などの胸部補整具やウィッグの購入を補助する動きが各自治体で広がっている。本市も導入すべきと考えるが、見解は。 A.本市ではこれまで、がん治療による外見の変化に悩む方への情報提供と、社会理解を促す啓発活動を進めてきた。また、他自治体の状況を調査するとともに、医療用ウィッグ購入費用の助成については、令和5年8月、患者や医療関係者などで構成される「さいたま市がん対策推進協議会」から実施を検討すべきと提言をいただいた。こうした状況を踏まえ、引き続き情報提供や啓発活動を行うとともに、新たな施策についても検討を進めていきたい。 ■教育・文化 ◆開校予定の義務教育学校 地域に根差した学校づくりを Q.武蔵浦和駅周辺地区義務教育学校は多様な地域がかかわることから、各地域の願いを踏まえ、地域に根差した学校となることを望むが、開校に向けた方針や計画を伺う。 A.義務教育学校の開校は本市にとって初の事業となるため、来年度「開校準備委員会」を設置し、通学区域や校名、教育課程など教育活動の骨組みづくりを行う方向で検討している。その準備段階として「開校準備委員会設置検討会」の設置に向け、各学校との情報、意見交換を行った。今後、保護者などへの説明会も予定しており、義務教育学校が「生涯の学びの拠点」として末永く愛され誇りに思ってもらえるよう、説明を尽くしながら地域の皆様とともに準備を進めていく。 ◆認知・理解されているのか さいたま国際芸術祭2023 Q.市が行う芸術祭は公共性が求められ、市民の期待に応える必要がある。市民の理解を深めるためにどのような取組を行ったのか。また、税金を投入することの意義を伺う。 A.今回は、日々変わる芸術をコンセプトに来場者一人ひとりにその方固有の体験をしていただくことを狙いとしている。すべての方にご理解いただくことは難しいとは思うが、一方で若者を中心に面白かったなどの声をいただいており、一定の理解を得られたものと考えている。様々な広報により各種メディアに取り上げられるなど注目を集めてきたところであり、12月10日の閉幕までわずかだが、多くの方に楽しんでいただけるよう取り組んでいく。 ◆給食で使う箸やフォークなど すべての学校で用意しては Q.市立小・中学校での給食の際に、箸やスプーン、フォークの用意が有る学校と用意の無い学校があると認識しているが、その状況と公費負担への見解について伺う。 A.中学校では、学校給食で使用する箸、スプーン、フォークについては、すべての種類を市が用意している。小学校では、児童の発達状況に応じた使用に対する考え方や給食室の機器設置状況などにより、箸は5割程度、スプーンは9割程度、フォークは8割程度用意している。子育て世代の負担軽減は大変重要なため、箸などの器具は、公費負担が望ましいと考えており、今後は、各校の個別状況を尊重しつつ、公費負担について検討していく。 ◆学校での小動物の飼育 教育的観点からもやめるべき Q.学校で飼育されているウサギは、休日は餌をもらえず、酷暑・極寒でも外飼いで、動物虐待といえる状況。生命尊重の教育と逆行しているため、飼育はやめるべきでは。 A.学校飼育動物の環境変化や休日の餌やりについては、十分配慮が必要と認識している。現在、動物にとって温度環境が厳しい時期は室内飼育するなどし、餌やりなども各学校で工夫している。また、今年度は、夏季に加え寒さが厳しくなる前にも獣医師による訪問診察を実施し、飼育環境や健康状況に応じた助言により、命を大切にした飼育ができるものと考えている。引き続き、動物介在教育を推進するとともに、適正な飼育環境維持に努めていく。 ■経済・産業 ◆盆栽村開村100周年と今後100年 盆栽の振興に向けた取組は Q.令和7年度に大宮盆栽村が開村100周年を迎えるが、市はどのように対応するのか。また、今後の100年を見据えた盆栽振興策について、市の見解を伺う。 A.開村100周年という節目を迎えるに当たり、令和4年度に発足したプロジェクトチームのアイディアなどをもとに今年度は庁内関係各課で具体的な取組を検討している。盆栽振興策については、盆栽村全体の振興に係る取組という認識のもと、盆栽園の存続や盆栽師への支援はもとより、景観維持やコミュニティ活動の支援などを含む振興策となるよう検討を進めている。今後は若手盆栽師や大宮盆栽協同組合と連携を図り、より実効性のある振興策の策定を進めていく。 ◆岩槻の魅力のさらなる発信と おもてなしの充実を Q.岩槻の観光地化に向け、時の鐘、遷喬館(せんきょうかん)、一里塚跡などの魅力をさらに高める整備と、岩槻駅構内へのコインロッカー配置など、より細やかな配慮・おもてなしが必要と考えるが、市の見解は。 A.岩槻区には、時の鐘などの観光資源が存在するが、十分認知されていない部分もあると認識している。誘客促進のため、令和4年度に引き続き、岩槻を舞台にしたアニメとのコラボレーションによる岩槻の人形プロモーションを東京駅近くのKITTE(キッテ)で実施した。また、岩槻駅では階段や窓への岩槻に関連するラッピング装飾などに取り組んでいる。今後も細やかなおもてなしができるよう、魅力向上やPRの充実などに努めていく。 ■まちづくり・環境 ◆西部環境センター 焼却施設、段階的に廃止へ Q.ごみの減量が不透明なことや不測の事態への対応など、リスク回避の対策を再検証する必要が生じているが、西部環境センターの延命についてどう考えているか伺う。 A.令和4年度改定の一般廃棄物処理基本計画では、老朽化した施設運転の費用対効果などにより、まずは減量施策を進め焼却施設への負担低減を図り、廃棄物の処理が滞る場合は、市内他施設へごみを転送するなどとしている。しかし、令和5年の焼却施設の度重なる事故などにより、ごみ処理能力の低下が懸念され、その対策として、西部環境センターを有効活用し、段階的に稼働を停止することで、4ブロック3施設体制への円滑な移行を進めていく。 ◆さいたま北部医療センター 跡地の有効活用の方向性は Q.さいたま北部医療センター跡地の有効活用について、どのような民間機能を導入し、どのような公共施設が入居するのか。整備の方向性とその手法を伺う。 A.JCHOさいたま北部医療センター跡地については、民間の力を活用した複合施設の整備を進めている。民間機能としては、屋内スポーツ施設や収益性を見込んだそのほかのスポーツ施設、商業機能・文教機能などを有する施設の整備を、公共施設としては植竹公民館や植竹児童センターの移転・導入を予定している。整備手法については、土地を有償貸付し、民間事業者により本施設を整備し、公共施設については市が有償で借り受けする方式としている。 ◆次世代型の太陽電池 公共施設を含めた実用化を Q.従来の太陽電池では重くて設置が困難な屋根やビルの壁面に設置でき、低価格であるなど多くのメリットがあるペロブスカイト太陽電池(*3)を本市で導入すべきでは。 A.ペロブスカイト太陽電池は、これまで積載荷重などを理由に太陽光パネルの設置を断念してきた本市にとって、新たな再生可能エネルギー確保の手法として期待しており、「地球温暖化対策実行計画」改定版の素案にも「今後の技術革新によって発展的に活用が期待されていることから調査・検討を行うもの」として盛り込んでいる。この太陽電池をはじめとした新技術について、今後も国や民間の動向を注視し、ゼロカーボンシティ実現に向け、導入を検討していきたい。 *3 ペロブスカイト太陽電池 ペロブスカイトと呼ばれる結晶構造の材料を用いた新しいタイプの太陽電池。フレキシブルで軽量な特徴を持ち、曲げられるフィルムタイプの太陽電池の実用化が可能となる。そのため、従来のシリコン系太陽電池では困難なところにも設置することができる。 ◆老朽化した文化センター 効果的・効率的な改修工事を Q.老朽化した文化センターの大規模改修の予定は。空調やトイレなどの建物本体設備だけでなくホール関連の設備も併せて更新した方が効果的、効率的と考えるが見解は。 A.文化センターは、施設と設備の老朽化により利用に課題が生じていることは認識している。令和8年度から大規模な改修を計画しており、工事期間は1年以上と想定される。議員指摘のとおり、別途ホールの舞台機構や座席などの改修を行った場合には、再度、長期間休館し利用者に不便をかけることになる。工事を効率的かつ効果的に行い、利用者の不便を最小限に留め、利便性を向上することは非常に重要な観点と認識しているため、改修工事の設計に当たってはしっかりと検討していきたい。 ◆人目を盗んだ夜間の不法投棄 未然に防ぐための対策は Q.不法投棄が頻発する緑区見沼田んぼの地域において、監視の目が少ない夜間の時間帯の不法投棄を未然に防ぐため、市はどのような対策を行っているのか。 A.本市では、不法投棄の抑止や早期対応などを目的とし、夜間不法投棄監視パトロール業務を民間に委託している。毎日22時から翌5時の間、パトロール車両が巡回するなど、不法投棄の抑止や早期発見を図っている。特に、見沼田んぼについては、不法投棄多発地点として、重点的な監視を行っている。不法投棄対策は早期の発見と対応が重要であり、見沼田んぼにおいては、引き続き夜間だけでなく、日中も重点的な監視活動を実施していく。 ◆地下鉄7号線延伸事業 事業要請に向けた状況は Q.地下鉄7号線の延伸に向けた鉄道事業者への事業実施要請は令和5年度内に実施するのか。また、整備主体は土地収用法を活用することが可能なのか伺う。 A.地下鉄7号線延伸事業については、現在、速達性向上事業に関する計画素案の作成を実施しており、令和5年度中の鉄道事業者への事業実施要請に向け、取組を進めている。また、事業の整備主体には独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構を想定しており、土地収用法の「土地を収用し、又は使用することができる事業」に、同機構が設置する鉄道または軌道の用に供する施設が規定されているため、本事業は土地収用法の該当事業になるものと考えている。 ◆開設されない駅ロータリー 利用者のため早急な整備を Q.西大宮駅南口のロータリーは駅の開業以来、使用できず不便な状況が続いている。駅利用者のために最優先に整備を進めるべきと考えるが、市の対応を伺う。 A.西大宮駅南口は市の土地区画整理事業により整備を推進しており、これまで駅前広場用地内の家屋移転交渉を進め、今年度、移転完了したところである。ロータリーの整備については、車いすの方や歩行が困難な方にもできるだけ駅に近い位置で乗降ができるよう、市の管理用地を活用した暫定的な整備に向け検討していく。駅前広場はアクセス道路となる指扇中央線の一部となっており、利便性向上など、その整備効果を最大限発揮するため道路との一体的な整備を進めていく。 ◆浦和の象徴である「うなぎ」 PR不足を打開しては Q.浦和のまちおこしとして、うなぎを堪能できる「うなぎ横丁」や、うなぎ文化に触れることのできる「うなぎミュージアム」により、にぎわいを創出してはどうか。 A.「浦和のうなぎ」については、市の伝統産業に指定されており、重要な地域資源と認識している。また、浦和駅周辺まちづくりビジョンでは、浦和の宝である地域資源を活用した具体的な取組を進めることとしている。議員提案のうなぎ横丁やうなぎミュージアムなどの浦和のうなぎを活用したまちおこしについては、継続的なPR事業となるためにも、すでに公民連携にて実施されている「うなぎまつり」などと連携し、引き続き推進することが重要と考えている。 ◆東大宮駅東口公衆トイレ 「臭い・汚い」を「安全・快適」に Q.設置から20年が経過する東大宮駅東口公衆トイレは、臭くて汚い状態になっているが、当該トイレのリニューアル工事に対する考えとその取組、今後の進め方を伺う。 A.東大宮駅東口公衆トイレは経年劣化が見られ、便器などの破損や換気扇の不具合による臭気の発生も確認されていることから、設備全般の修繕を予定している。具体的には、すべての便器に加え、洗面台などの交換や換気設備の修繕、床面と壁面の洗浄やコーティング・再塗装、和式便器の洋式への交換やサニタリーボックスの設置、照明の人感センサー式LEDへの交換を行う予定。令和6年1月に着工し3月中旬には完成するよう準備を進めている。 ■■11ページ------------------------------------------------------------------ さいたま市議会からのお知らせ ■【主権者教育の推進】小中学生が市議会を訪問 ◆神田小学校、与野南小学校、植水中学校がさいたま市議会を訪れ、児童生徒が議員に質問を行う形で各学校による臨時会が開会されました。児童生徒からは「議員としてやりがいを感じるときはいつですか」「子どもでも意見を聞いてもらうことはできますか」などの質問がされ、それに対し議員が答弁を行いました。子どもたちからは「市議会の大切さを学べた」「選挙に行ける年齢になるまでに政治のことをしっかり勉強して、選挙に参加したい」などの感想をいただきました。 ◆前号のロクマルNo.97でインタビューにご協力いただいた大宮国際中等教育学校に議会広報編集委員会から6人の委員が訪問し、取材の感謝をお伝えするとともに、12人の生徒と座談会形式で意見交換を行いました。さいたま市議会では、今後も主権者教育の推進に積極的に取り組んでまいります。 ■オープン委員会を開催 令和5年12月17日、予算委員会では、市民の皆さんの考えを聞かせていただくため、「若者が住み続けたいと思う魅力あるまちとするためには」をテーマにオープン委員会を開催しました。参加した若者の皆さんからワークスペースの設置や名物の創出、若者による店舗の開設についてご意見・ご提案を発表いただき、議員と活発な意見交換を行いました。 ◆文教委員会でもオープン委員会を開催します。ぜひ傍聴にお越しください。 テーマ:社会教育が街を変える 日 時:2月17日(土)午前8時45分~10時10分 会 場:大宮国際中等教育学校 多目的室1 傍 聴:25人(先着順) 問い合わせ先:議会局議事課(Tel. 829-1753) ■さいたま市議会防災訓練として避難所運営ゲーム(HUG)を実施 災害対策に関する課題解決力の向上のため、災害発生時の避難所運営について実践的な模擬体験を行いました。訓練では、様々な事情を抱えた避難者情報を記した避難者カードと避難所に見立てた平面図を用いて、避難者をどれだけ適切に避難所に配置できるかなど、実際に起こりうる問題への対処方法や解決策を学びました。 ■■12ページ------------------------------------------------------------------ ■ロクマルキーワード 12月定例会の中から気になる言葉を取り上げ、解説します。 『再生資源物の屋外保管』 ◆再生可能な貴重な資源の不適切な取扱い 金属スクラップなどの再生可能な資源物を屋外で保管する施設において、環境保全措置が十分に講じられないまま再生資源物の保管が行われることにより、各地で様々な問題が発生しています。自治体には、不適切な保管などに伴う火災や保管物の崩落、騒音、悪臭などのトラブルに関する相談も多く寄せられています。一方で、再生資源物は有価物として取り引きされていることから、再生資源物の屋外保管を直接規制する法律は制定されていません。 ◆「さいたま市再生資源物の屋外保管に関する条例」を制定 近年、さいたま市内でも、再生資源物の屋外保管施設が多く立地するようになり、不適切な保管により安全に支障をきたす状況が発生しています。このような状況を背景に、令和6年2月1日に「さいたま市再生資源物の屋外保管に関する条例」が施行されました。この条例は、屋外での再生資源物の適正な保管についての必要事項を定めることにより、火災や事故のほか、騒音、振動などの発生を防止・軽減し、市民生活の安全の確保と環境の保全に寄与します。 ■編集後記 今号のトピックスでは、浦和レッドダイヤモンズのゴールキーパーである西川周作(にしかわ しゅうさく)選手と議長・副議長との3人での会談の様子をご紹介しました。さいたま市や市議会のほか、子育てについてもたくさん語っていただき、さいたま市で熱心に子育てを行う一人の父親としての一面を伺うことができました。さて、市議会では間もなく2月定例会が開催され、さいたま市の次年度の予算などを審議します。会議の様子はインターネットでも中継されます。ぜひご注目ください。 ◆議会広報編集委員会 [委員長]議長 江原大輔(えはら だいすけ) [副委員長]副議長 神坂達成(かみさか たつあき) [委員]永井里菜(ながい りな)/堀川友良(ほりかわ ともよし)/出雲圭子(いずも けいこ)/尾上貴明(おのうえ たかあき)/池田めぐみ(いけだ めぐみ)/井原 隆(いはら ゆたか)/吉田一志(よしだ ひとし)/金井康博(かない やすひろ)/萩原章弘(はぎわら あきひろ) ■さいたまアルファベット 今号の表紙は[桜区] 表紙では、さいたま市10区の様々な魅力を紹介しています。それぞれの名産品や名所などを組み合わせて、各区の名前を表現しています。今号は、サクラソウ、サクラ、秋ヶ瀬公園などを取り上げました。 ■次の定例会は2月6日(火)~ 会期日程は、ホームページをご覧ください。くわしくは議事課までお問い合わせください(Tel.829-1753)。 ■本会議・委員会の傍聴 開催日当日、議会棟3階で受付しています。※手話通訳・要約筆記をご希望の方は、7日前までに議事課にご連絡ください(Fax.829-1984)。 ■インターネット中継 会議を生中継・録画配信しています。パソコンやスマートフォンなどからご覧ください。※現在、区役所ロビーでの放映は行っておりません。 ■テレビ番組「ようこそさいたま市議会へ」テレビ埼玉 令和6年3月31日(日)午前10時~ 放送予定 過去に放送した番組も市議会ホームページやYouTubeで視聴できます。 市議会のくわしい情報は、さいたま市議会ホームページをご覧ください。「さいたま市議会」で検索 この議会広報紙は641,500部作成し、1部当たりの作成経費は9円です(企画編集の経費を含みます)。 No.98 2024.2.1 市議会だよりさいたま 編集・発行>>さいたま市議会 〒330-9588 さいたま市浦和区常盤6丁目4番4号 Tel.048-829-1748 Fax.048-829-1984