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人口130万人のさいたま市唯一の市立病院として、救急を含めた地域医療を医師会と緊密な連携をとりつつ推進するとともに、最先端の医療も追求している。早期診断、早期治療をモットーにスタッフが一丸となり診療にあたっている。日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会、日本超音波学会、日本胆道学会の指導施設、日本肝臓学会の連携施設であり、地域がん診療連携拠点病院である。
令和3年度の上下部消化管内視鏡の総件数は、前年度において新型コロナ感染の影響から一時減少したが再び増加しており、県内でも有数の件数の検査を行なっている。止血困難例には動脈塞栓術を行っており、手術例は稀だが外科によるバックアップ体制も整っている。緊急内視鏡は医師が交代で止血当番を分担し、看護師は夜勤がおり24時間365日常に対応可能な体制を取り、近隣の医療圏からの緊急治療の要望にも広く応じている。早期胃癌、食道癌に対するESD症例数も、県内有数の症例数を維持している。従来からの医師会との地域医療連携による紹介が多く、さらに令和3年度より慶應義塾大学病院腫瘍センターからの内視鏡治療医師定期派遣によりマンパワーも強化されている。早期大腸癌の内視鏡治療ESD+EMR件数は顕著に増加した。S状結腸軸捻転解除やイレウス管留置、食道静脈瘤治療や消化管ステント、胃瘻造設など様々な内視鏡的処置も行っている。また、潰瘍性大腸炎やクローン病等炎症性腸疾患も紹介患者が増加しており、生物学的製剤による最新治療を行っている。
がん内視鏡治療症例数 | R元年度 | R2年度 | R3年度 |
---|---|---|---|
胃癌(ESD) | 89 | 55 | 68 |
食道癌(ESD) | 21 | 22 | 21 |
大腸癌(ESD) | 40 | 27 | 43 |
合 計 | 150 | 104 | 132 |
近隣の医療機関からの紹介をいただき、B型慢性肝炎には核酸アナログ治療を、C型慢性肝炎、肝硬変症例に対しては経口抗ウイルス剤(DAA)治療を積極的に行っている。院内術前検査で感染陽性が判明した症例も、検査科と協力し拾い上げのシステムを構築し治療に結びつけている。自己免疫性肝炎や原発性胆汁性胆管炎、非アルコール性脂肪性肝炎などの症例も豊富である。令和3年度より急性肝不全に対する血漿交換治療も開始しており、肝疾患においても幅広く患者さんを受け入れる体制が整っている。放射線IVRチームによるTIPSやBRTO、Denver shuntなども可能で近隣の医療機関より紹介いただいた難治症例にも対応している。転移性を含めた肝癌に対するマイクロ波焼灼は、CTやMRIとのフュージョンエコーシステム装備もあり治療成績も良好である。また、TACE、リザーバー動注やサイバーナイフによる放射線照射も可能となり、最近登場した免疫療法や分子標的薬なども組み合わせて集学的治療を行っており、完全寛解の症例も認めている。
ERCPは年間298例で、ほとんどが治療内視鏡である。EST(乳頭切開)、EBPD(胆管バルーン拡張)、胆管ステント、胆管ドレナージを多数行っているが、半数以上が緊急治療である。重症胆管炎症例に24時間365日緊急で内視鏡治療を行える体制が整えられており近隣の病院から多数紹介を受けている。超高齢者の紹介も多く、安全に治療を行っている。術後再建腸管(B-ⅱ、Roux-en-Y、胆管空腸吻合術後)での胆膵疾患に対する内視鏡治療も、ほぼ全例成功している。令和3年度では超音波内視鏡(EUS)は飛躍的に件数が増加した。超音波内視鏡穿刺吸引術(EUS-FNA)による膵腫瘤、消化管粘膜下腫瘍などの病理診断も行っており、診断能向上や治療方針決定に寄与している。EUSによる治療として重症急性膵炎後感染性膵壊死(WON)に対する内視鏡的ネクロゼクトミー術や閉塞性黄疸に対する超音波内視鏡下胆道ドレナージも数例行っている。
検査名 | R元年度 | R2年度 | R3年度 | 検査名 | R元年度 | R2年度 | R3年度 |
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上部消化管内視鏡検査 | 2799 | 2578 | 2795 | 下部消化管内視鏡検査 | 1991 | 1752 | 2070 |
(経鼻内視鏡) | 165 | 106 | 124 | ESD | 40 | 27 | 43 |
ESD | 107 | 79 | 89 | EMR(2cm以上) | 55 | 24 | 27 |
EMR | 9 | 5 | 4 | EMR(2cm以下) | 821 | 738 | 957 |
胃瘻造設 | 11 | 30 | 27 | 緊急下部内視鏡検査 | 72 | 90 | 72 |
EVL | 12 | 12 | 5 | 止血(合計) | 42 | 72 | 58 |
EIS | 0 | 4 | 7 | 異物除去 | 1 | 0 | 0 |
緊急上部内視鏡検査 | 192 | 192 | 139 | S状結腸軸捻転整復 | 14 | 8 | 18 |
止血(合計) | 105 | 130 | 115 | ||||
EVL | 10 | 12 | 12 | 内視鏡的ステント療法 | 12 | 8 | 21 |
異物除去 | 6 | 16 | 13 | 食道、胃十二指腸 | 5 | 4 | 5 |
大腸 | 7 | 4 | 16 | ||||
ERCP(EST、EBD) | 356 | 298 | 298 | イレウス管挿入 | 82 | 68 | 44 |
経口 | 70 | 40 | 44 | ||||
PTGBD | 10 | 21 | 25 | 経肛門 | 12 | 28 | 11 |
PTCD | 3 | 4 | 2 | ||||
腹部超音波検査 | 5300 | 5200 | 3245 | ||||
超音波内視鏡 | 141 | 95 | 178 | ソナゾイド造影US | 20 | 25 | 49 |
EUS-FNA | 43 | 51 | 65 | (病棟、外来、救外で施行した症例は除く) | |||
経皮的ラジオ波焼灼術 | 2 | 8 | 9 | ||||
小腸カプセル内視鏡 | 13 | 13 | 9 | TACE | 50 | 34 | 17 |
小腸バルーン内視鏡(経口) | 10 | 10 | 12 | 動注リザーバー | 4 | 5 | 4 |
小腸バルーン内視鏡(経肛門) | 9 | 10 | 16 | 放射線治療(肝がん) | 0 | 16 | 12 |
当院は地域がん診療連携拠点病院であり、腫瘍センター癌薬物療法専門医の指導のもと、免疫療法を加えた新しい知見を踏まえ、最新の治療を行っている。また、局所進行膵癌に対するEUSによる金マーカー留置とサイバーナイフ治療の試みも医療安全委員会の承認後実施している。さらに、緩和ケアチームとともに癌終末期医療も行なっている。
がん化学療法 | |||||||
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胃癌 | 食道癌 | 肝臓癌 | 胆道癌 | 膵癌 | 大腸癌 | その他 | |
R元年度 (R元年度開始症例) |
16 (13) |
9 (8) |
0 |
1 (1) |
20 (15) |
10 (10) |
1 |
R2年度 (R2年度開始症例) |
14 (1) |
7 (5) |
2 (2) |
3 (2) |
30 (22) |
8 (5) |
|
R3年度 (R3年度開始症例) |
21 (15) |
7 (7) |
9 (7) |
5 (2) |
32 (24) |
13 (13) |
毎週月曜日には消化器内科新入院患者さん及び問題症例の検討会を行っている。また、月一回の英文抄読会を再開した。金曜日にはキャンサーボードでがん関連症例の検討を外科、放射線科、腫瘍内科の医師と行っている。
さらに毎月放射線診断科と合同での肝腫瘍カンファレンスや定期的に病理科、放射線科、外科、消化器内科合同での病理、画像検討会なども行なっている。また地域の医師会とも合同症例検討会を主催し、積極的に交流を図っている。
上部・下部・小腸電子内視鏡、超音波内視鏡、小腸カプセル内視鏡、腹部超音波、ESWL、CT、MRI、腹部血管造影(DSA)
氏名 | 役職 | 資格 |
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金子 文彦 | 部長 | 日本内科学会総合内科専門医・指導医 日本消化器病学会専門医・指導医 日本肝臓学会専門医・指導医 日本消化器内視鏡学会専門医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 |
金田 浩幸 | 科長 | 日本内科学会総合内科専門医・指導医 日本消化器病学会専門医・指導医 日本消化器内視鏡学会専門医・指導医 関東地方会評議員 日本肝臓学会専門医 |
牟田口 真 | 医長 | 日本消化器病学会専門医 日本消化器内視鏡学会専門医 日本救急医学会専門医 |
三浦 邦治 | 医長 | 日本内科学会総合内科専門医・指導医 日本消化器病学会専門医 日本消化器内視鏡学会専門医 |
瀧本 洋一 | 医長 | 日本内科学会認定医・指導医 日本消化器病学会専門医 日本消化器内視鏡学会専門医 日本肝臓学会専門医 |
星 瞳 | 医師 | 日本内科学会認定医・指導医 日本消化器病学会専門医 日本消化器内視鏡学会専門医 |
西尾 恵 | 医師 | 日本内科学会認定医・指導医 日本消化器病学会専門医 |
町田 健太 | 医師 | 日本内科学会専門医 日本消化器病学会専門医 |
山本 傑 | 医師 | 日本内科学会専門医 日本消化器病学会専門医 |
川村 優介 | 専攻医 | |
片平 雄大 | 専攻医 | |
木全 悠太 | 専攻医 | |
濱田 敬祐 | 専攻医 | |
菊地 玲衣 | 専攻医 | |
菅原 美咲 | 専攻医 | |
平澤 智明 | 専攻医 |