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消化器外科(肝胆膵)

本邦における死因は悪性腫瘍によるものが最も多く、その中でも肝胆膵領域(肝臓、胆道、膵臓)の悪性腫瘍は他の領域に比べ特に予後が悪い状況です。手術も難易度が高いものが多く、その中でも専門性の高い、より高度な技術を必要とする高難度手術と呼ばれるものがあります。当院ではこの高難度手術を数多く行っており、日本肝胆膵外科学会が認定する高度技能専門医修練施設の一つにもなっています。また、大きな開腹手術のみでなく、症例によっては腹腔鏡下手術も導入し、低侵襲化を目指しています。腫瘍が進行して手術が難しい場合は腫瘍内科(化学療法専門医)とも相談しながら化学療法や放射線治療も積極的に行っています。治療の難しい難治癌であるからこそ、可能な限り患者さんの希望に添えるよう全力で治療に当たらせていただければと思います。

膵臓疾患

膵癌や膵嚢胞性腫瘍、稀な膵神経内分泌腫瘍などの疾患に対して膵切除・再建術を行います。膵癌は早期発見が難しく、特に予後の悪い疾患です。膵癌治療には外科的切除のみならず、抗がん剤治療や放射線治療、胆膵内視鏡などの様々な専門的な治療を必要とします。当院にはそれぞれの分野の専門医がおり、毎週院内のカンファレンスで症例を共有して治療の選択を行います。手術が必要な患者さんには積極的に外科的切除を行い、腫瘍の位置によってはより低侵襲な腹腔鏡手術の選択肢を提示させていただきます。

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腹腔鏡手術の様子

肝臓疾患

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肝臓の3D画像

原発性肝癌(肝細胞癌、管内胆管癌など)や転移性肝腫瘍に対しては肝切除を行います。
肝切除時には肝不全という命に係わる合併症がありますが、これは患者さんごとの肝臓の機能と切除する肝臓のボリュームが大いに関係します。
当院では全例において術前のCTから患者さんごとの肝臓の血管解剖を3D構築し、腫瘍との位置関係から切除する方法をシミュレーションします。これと肝機能検査の結果をすり合わせながら、切除ボリュームが妥当かどうか検討して治療を決定します。
また、可能な症例には腹腔鏡下肝切除による低侵襲手術を提示させていただきます。開腹手術に比べ手術創は小さく、術後の回復に優れ、退院までの日数が短くなります。
当院には肝臓専門の内科医もおり、手術以外の治療(ラジオ波、血管内治療、放射線治療など)も検討しながら治療方針を患者さんと一緒に選択してまいります。

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肝切除後の創部(開腹)
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肝切除後の創部(腹腔鏡)

胆道疾患

胆嚢癌や胆管癌(遠位胆管癌、肝門部領域胆管癌)などの悪性疾患や先天性胆道拡張症などの良性疾患に対して外科的切除・再建術を行います。
胆嚢癌や肝門部領域胆管癌は治療方針の決定も難しく、手術は肝胆膵領域の中でも特に複雑で血管合併切除・再建が必要になる頻度も高い手術です。当院は慶應義塾大学病院の関連病院でもあり、難しい症例は大学病院と連携して治療方針を決定し、手術の際は大学から治療経験の豊富な医師を派遣してもらい手術を行うこともあります。また、より大きな手術が必要になる場合は大学病院で手術を受けていただいた後、退院後に当院で外来通院を行う、というようにより高度な医療を必要とする患者さんのニーズにも応えられるよう関連施設とも連携して医療を提供してまいります。

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