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メディア2023.3.22

女性三人による合同会社十色(といろ)つくっているのは唐辛子と見沼田んぼの未来

見沼田んぼで「農」を始めた三人の女性たち

 2021年3月、見沼田んぼで三人の女性が就農、「合同会社十色」を立ち上げました。サカール祥子さん、釘宮葵さん、松葉早智さんがつくっているのは唐辛子、そして見沼田んぼの未来です。

人物

▲今回取材に応じてくれた
サカール祥子さん(左)と釘宮葵さん(右)

 三人の出会いは、見沼田んぼで福祉事業を営むNPO法人。そこでの障害のある方との農作業や農家と福祉をつなぐ活動、農業体験イベントの開催などを経て、三人は事業として農業を始めることを決意しました。見沼田んぼを守りながら、様々な人が働ける場をつくっていきたいと考えたからです。
 しかし新規就農には大きな壁が。それは農地の確保。田んぼや畑の維持・管理には知識も経験も必要で、農業経験の少ない三人に、農地を貸してくれる人はなかなか見つかりませんでした。ようやく見沼田んぼや斜面林の保全活動を行うNPO法人見沼保全じゃぶじゃぶラボによって土地の所有者や地元の方とのつながりを得て、まずは試しに畑の管理を任せてもらうことに。一年後、正式に農地を借りての就農が実現しました。

作業風景

▲42種類の唐辛子は、それぞれ生産に適した時期が異なる

見沼田んぼを未来につなげていきたい

 就農から二年、十色がつくっているのは世界各国42種類の唐辛子です。今でこそ「さいたまを激辛の聖地に!」という目標を掲げていますが、実は最初に栽培した野菜は、元は沼地だった見沼田んぼの土に合っている里芋でした。しかし里芋は新規就農者が収益を上げるためにはコストがかかりすぎたため、色々な野菜を試す中で「これだ」と思えたのが唐辛子でした。初めて栽培した唐辛子の「野菜」としての美味しさに感動し詳しく調べてみると、唐辛子は数百を超える品種があること、世界中で広く栽培されていること、そして江戸時代には見沼田んぼでも栽培されていたことがわかりました。さらに現在の日本では生の唐辛子の流通は少なく、ニッチだけど需要がある野菜であることもわかり、さいたまヨーロッパ野菜研究会や市内の飲食店などへ人脈・販路を広げています。

サブ

▲農薬や化学肥料を使わないため、ひとつひとつ手塩にかけて育てています。

 また、元々の目的だった見沼田んぼを守るための活動も進んでいます。十色では唐辛子はもちろん、米や小麦、ビール麦など様々な農業体験プログラムを用意。農業体験に力を注ぐのは、「人」と「農」をつなぎ、見沼田んぼを未来に残すという目的があるから。子ども向けの体験では自然の中での遊びや生態系の観察なども行い、農業とその周辺環境を楽しみながら学ぶ工夫も取り入れています。十色で農薬や化学肥料を使わないのも、見沼田んぼの自然や生態系を守るためです。
 「見沼田んぼは浦和や大宮といった都市にほど近い場所にある、東京ドーム280個分という広さを持つ貴重な農の場。海外に畑を持つ目標もありますが、必ずここを拠点とし、未来へつなげていきます」と語ってくれました。

DATA

合同会社 十色
さいたま市浦和区本太1-33-5 504号
【HP】十色(といろ) - さいたま市の農業法人 合同会社十色 (toiro-farm.com)

私が取材しました!

よしいさん
市民ライター

よしいさん
(緑区在住)

●さいたま市の好きなところ
都市と自然のバランスが良く、
大きな公園がたくさんあるところ。

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