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更新日付:2017年7月13日 / ページ番号:C054148

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植物の色の不思議を探ろう!

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皆さんが公園などで見かける花やスーパーなどで売られている野菜などの植物は、緑、赤、青、黄色など様々な色をしています。これらの植物の色はそれぞれに含まれている色素の色です。色素は水に溶けやすいものや、油に溶けやすいものなどいくつもの種類があり、また植物の光合成に使われるなど、いろいろな役割を持っています。

今回は、アジサイの花に含まれる色素を使って、植物の色の不思議について実験してみましょう。

用意するもの

・アジサイの花(今回は赤色系のものを用意)

・炭酸ナトリウム、重曹(炭酸水素ナトリウム)

・お酢(酢酸)

・食塩(塩化ナトリウム)、にがり(塩化マグネシウム)、ミョウバン

・色素を抽出する水(可能であれば局方精製水(薬局で購入可能)※)

・密閉できるビニール製の袋

・耐熱用ガラス容器

・色素を移した水を入れる透明容器(白色のお皿などでも可能)

・ビニール手袋

※ 水道水やミネラルウォーターを使用すると、微量に含まれる金属成分が色素の変化に影響を与えることがあります。

操作手順

1. アジサイの花を用意します。

色素を抽出したアジサイの写真

2. 密閉できるビニール製の袋にアジサイの花と水を入れて、よく揉みます。下の写真のようにある程度水に色がついた時点で、用意した耐熱性ガラス容器に移してホットプレート上で加温します。

ホットプレートがない場合は、電子レンジで数十秒程度の短い時間で加温し、様子を見ながら水に色がつくまでくり返します。

アジサイから色素を抽出している写真  色素が抜けたアジサイの写真です

3. 色素の移った液体を冷ました後、液体のみ別の容器に移します※1。

抽出したアジサイの色素の写真

4.用意した、炭酸ナトリウム、重曹、食塩、ミョウバンを水に溶かします。にがりとお酢は液体なのでそのまま使います。

炭酸ナトリウムと重曹は液体の性質をアルカリ性に、お酢は液体の性質を酸性に変化させます。食塩、にがり、ミョウバンには金属成分が含まれています。

5.3で冷ました液体を透明容器に入れて、4で用意した液体を少しずつ加えて色素の変化を観察します※2。

※1 耐熱用ガラス容器は、加温後に急激に冷やすと割れる恐れがあります。冷ます場合は冷水につけたりせず自然に温度が下がるのを待ちましょう。また、ミトンやふきんを使ってガラス容器を持つ場合でも乾いたものを用いるようにしましょう。

※2 ミョウバンの水溶液は溶液の性質が酸性です。ミョウバンの水溶液を加えた後に溶液の性質を変化させる場合は、炭酸ナトリウムや重曹を食塩やにがりを加えた場合と比較して多く加える必要があります。

結果と解説

色素を含む溶液の性質を変化させた結果です。真ん中のものが何も加えていないもので、左側がお酢を入れて酸性にしたものです。左に行くほど多くのお酢を入れています。右側がアルカリ性にしたものです、1番右側のものが炭酸ナトリウムを加えたもの、右から2番目が重曹を加えたものです。

水の性質を調整を行ったアジサイの色素

溶液の性質が酸性になるにつれて赤い発色が鮮やかになる様子が観察できました。アルカリ性に変化していくとだんだんと暗い黄緑色になっていくことがわかります。

金属成分を加えた結果です。食塩、にがり、ミョウバン溶液をそれぞれ加えた溶液に、お酢と炭酸ナトリウムを入れて水の性質を変化させています。

 塩化ナトリウムを添加したアジサイ色素 

  塩化マグネシウムを添加したアジサイ色素 ミョウバンを添加したアジサイ色素

食塩やにがりを加えたことによる色の違いはあまり見られませんでした。一方で、ミョウバンを加えた液体は、全体的に暗い緑色になりました。

また、このミョウバンを加えたものを2週間ほど放置すると、溶液の性質がアルカリ性のもののみ、下に沈殿ができました。色の変わった色素が水に溶けることができなくなり、時間とともにだんだんと沈殿してきたと考えられます。

ミョウバンを添加したアジサイ色素の2週間後

アジサイの花の色は、土に含まれている金属成分の量や種類によって変わるといわれています。アジサイの花の色素はアントシアニンの1種です。アントシアニン類の色は、溶液の性質だけでなく、金属成分の存在によっても大きく変わってきます。これらの性質を利用して、今回の実験では、溶液の性質を変えることや、金属成分を加えることによる、色素の変化を観察しました。

アントシアニンを含む植物は青色系のアジサイや紫キャベツ、ナスの皮、ブルーベリー、赤シソ、アサガオなど、他にもあります。例えば、ナスの漬物にミョウバンを使用することがあります。ナスの皮に含まれるアントシアニンがミョウバンを使用することで発色が良くなるということが知られているためです。

お家の中にある、酸性やアルカリ性の液体を使って実験してみてはいかがでしょうか?

※溶液によっては危ないものもあるため、皮膚についたり目に入らないように注意しましょう。 

この記事についてのお問い合わせ

保健衛生局/健康科学研究センター/環境科学課 水質係
電話番号:048-840-2266 ファックス:048-840-2267

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