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更新日付:2013年12月24日 / ページ番号:C030618
電子顕微鏡を使って日常に見られるものを観察するシリーズ。今回はシャープペンシルの芯を観察します。
普段何気なく使っているシャープペンシルの芯ですが、ミクロの世界ではどのように見えるのでしょう。
シャープペンシルや鉛筆の芯は主に黒鉛でできています。黒鉛は鉛(なまり)という言葉が使われていますが、実際は鉛は含まれておらず、炭素からできています。この黒鉛が少しずつ砕けていくことで、紙に字が書けるのです。
それでは電子顕微鏡で見てみましょう。今回はHBの芯を観察しました。
芯といっても、シャープペンシルや鉛筆の芯にもいろいろな種類があります。
HBやBなどはよく耳にしますが、芯の硬さや濃さで17種類に分類されています(下表参照)。これは、JIS(日本工業規格)という規格で定められています。
ちなみに、BはBlack(ブラック:黒い)、HはHard(ハード:硬い)、FはFirm(ファーム:しっかりとした)の頭文字です。
これらの種類の芯は見た目には違いがわかりませんが、ミクロの世界でみたらどのように見えるでしょうか。そこで3Bの芯を観察して比較してみました。
HBと3Bを比較すると柔らかい3Bの方が繊維のようなものが細かく見えます。一方、HBは砕けたところがまるで古木のようで、3Bに比べるとしっかりとした砕けにくさを感じます。
シャープペンシルや鉛筆の芯は同じ炭素でありながらこの柔らかさや硬さの違いはどこからくるのでしょうか。芯を作る段階でシャープペンシルにはプラスチックが、鉛筆には粘土が混ぜられ、固められます。このときに入れるプラスチックや粘土の量が多いと硬くて薄い芯に、少ないと柔らかくて濃い芯となるのです。
保健衛生局/健康科学研究センター/環境科学課 大気係
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