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更新日付:2013年12月24日 / ページ番号:C032605
電子顕微鏡を使って日常に見られるものを観察するシリーズ。今回は紙を観察します。
紙といってもいろいろありますが、今回は、
を観察し、比較してみました。
紙は何からできているか知っていますか?
紙は一般に木材などからなる植物繊維が原料となっています。
下表は日本国内で紙の原料に何を使っているのかを示しています。最も新しい2010年のデータを見ると、日本では紙の原料として、木材が37.4%、古紙が62.5%、その他が0.1%使用されていることがわかります。
紙の原料のうつり変わり(経済産業省キッズページより)
では、観察するすべての紙で植物繊維を確認することができるでしょうか。電子顕微鏡をのぞいてみましょう。
今回は100倍、500倍、1000倍の3種類の画像を見てみます。
1.封筒
2.普通紙
3.ノート
4.カタログ
5.カレンダー
封筒、ノート、普通紙 は繊維がはっきりと確認できました。
この3種類を比較すると、ノートの画像はほかに比べて細かい粒子のようなものが一様に付着していることがわかります。
一般的に、紙には色合い、強度、光沢などを高めるため、薬品(製紙用薬品)が使われます。封筒や普通紙とは異なりますので、ノートの機能(白さや書きやすさ)を高めるために使用された薬品の成分ではないかと考えられます(あくまで予想です)。
一方、カタログとカレンダーには他の3種類にみられたような繊維が見られませんでした。
しかし、カタログの100倍の画像をよく見てみると繊維の模様のようなものが見えます。繊維の上に何かでコーティングされているようです。
ノートで触れた製紙用薬品にはいろいろな種類があります。インクをにじみにくくする、紙の強度を上げる、白くする、撥水性を持たせるなど用途に応じて多種類が存在します。
この製紙用薬品のうち、填料(クレー(白色粘土)、タルク(滑石)など)や顔料といった薬品は、写真などの印刷物の美しい色合いを出すために使われます。
これらを繊維表面に塗布することで表面が滑らかになります。
改めてカタログの画像を見てみると、ひび割れた感じがまるで乾いた粘土のようにも見えます。
このような加工技術により、美しい写真が表現できるのですね。
※今回観察に使用した紙はあくまで身近にある紙を観察したものです。封筒やノートなどと言ってもいろいろな種類がありますので、必ずしも皆さんが使っている紙が同じような繊維構造とは限りません。あくまで参考としてご覧ください。
保健衛生局/健康科学研究センター/環境科学課 大気係
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