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更新日付:2023年12月27日 / ページ番号:C094099

さいたま市立博物館展示web解説(縄文時代その1)

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さいたま市立博物館展示web解説(縄文時代その1)-縄文時代の土器のはなし-

今から約15,000年前から始まった時代を縄文時代といい、約10,000年続きました。
この時代の土器は「縄」で「文」様をつけたものが多いために「縄文土器」と呼ばれ、その形や文様は時期や地域ごとに共通した特徴を見ることができます。
縄文土器の特徴の変化から、縄文時代は草創期・早期・前期・中期・後期・晩期と6つの時期に分けられています。


縄文時代年表
(さいたま市立博物館第23回企画展「縄文土器百選」による)


今回は食べ物を煮たり、貯蔵しておくために使われた深鉢形土器の変遷について紹介します。
(区分の仕方や特徴については地域によって様々ですので、下記は一例です。さらに詳しく知りたい方は別途お調べください。)

  1. 草創期の深鉢形土器
    口縁部に爪を押し付けたような文様や、粘土を貼り付けた微隆起線文(びりゅうきせんもん)があり、底が尖っているものが見られます。
    さいたま市の草創期の土器は数が少なく、状態の良い深鉢形土器がないため、さいたま市立博物館では写真にある小型土器を展示しています。
    大丸山遺跡大丸山遺跡拡大
    大丸山遺跡(西区)(高さ8cm) ・土器文様拡大写真
  2. 早期の深鉢形土器
    細い棒に紐や縄を巻き付けたものを土器の表面に回転させてつける撚糸文(よりいともん)や文様のないもの、貝殻などで土器の表面をこすってつける条痕文(じょうこんもん)を施した底が尖っているものがあります。
    早期後半になると平底の土器も出現します。
    この土器は見沼区の高井遺跡から見つかった土器で、縄文が施されています。
    高井遺跡高井遺跡拡大1
    高井遺跡(見沼区)(高さ33cm) ・土器文様拡大写真
  3. 前期の深鉢形土器
    口縁部が波状に大きく広がり、竹のようなものを使った平行線や渦巻文(うずまきもん)など丹念に文様をつけた平底のものがあります。
    また、粘土に植物の繊維を混ぜた繊維土器もあります。
    この土器は見沼区の貝崎貝塚から見つかった土器で、平行線や渦巻文が施されている他に粒状の粘土が貼り付けられています。
    貝崎貝塚貝崎貝塚拡大
    貝崎貝塚(見沼区)(高さ35cm)・ 土器上部拡大写真
  4. 中期の深鉢形土器
    口縁部を中心に立体的な装飾を施した、平底のものがあります。 取っ手をつけたり、渦巻文をつけたりと装飾が豊かです。
    この土器は北区の下加遺跡(しもかいせき)から見つかった土器で、胴部に人が両手両足を広げた表現と言われている人体文(じんたいもん)がつけられています。
    下加遺跡下加遺跡拡大
    下加遺跡(北区)(高さ35cm) ・土器上部拡大写真 
  5. 後期の深鉢形土器
    縄文を施した土器に区画文(くかくもん)を描き、内外のどちらかの縄文を消す磨消縄文(すりけしじょうもん)のものが多くなり、底が少しすぼまったものがあります。
    模様があまりついていない粗製土器と、模様が施された精製土器があります。
    この土器は西区の西大宮バイパスNO.4遺跡から見つかった土器で、J字の文様と渦巻文が施されています。
    西大宮バイパスNo.4遺跡西大宮バイパスNo.4遺跡拡大
    西大宮バイパスNo.4遺跡(西区)(高さ50cm)・ 土器上部拡大写真
  6. 晩期の深鉢形土器
    磨消縄文に入組文(いりくみもん)や三叉文(さんさもん)などの彫刻のように線を浮き彫りにしているものがあります。
    この土器は緑区の南方遺跡(なんぽういせき)から見つかった土器で、上部を2本の線で区画し、中に渦巻文が施されています。
    南方遺跡南方遺跡拡大
    南方遺跡(緑区)(高さ18cm) ・土器上部拡大写真
    ※さいたま市教育委員会蔵

草創期から晩期までの土器を見ていくと、土器の形や厚さの変化のほかに、文様のつけ方も変化したことがよくわかります。
さいたま市立博物館では、紹介した深鉢形土器のほかにも様々な種類の土器を展示しています。
ぜひ、ご覧ください。


-旧石器時代の石器のはなし-


縄文時代その2 -縄文時代の耳飾のはなし-

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電話番号:048-644-2322 ファックス:048-644-2313

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