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更新日付:2024年5月17日 / ページ番号:C113999

第35回企画展「鴻沼」 展示Web解説 その4

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第35回企画展「鴻沼」 展示Web解説 その4

令和6年3月9日から6月9日まで開催中の、第35回企画展「鴻沼(こうぬま)」の展示を紹介します。

4.鴻沼のコメ作り

鴻沼周辺で使われた農機具

本展示では、鴻沼資料館(桜区西堀)で保存されている農機具を中心に展示しています。
展示web解説では、そのうちの幾つかの資料について解説します。

踏み車(ふみぐるま)

踏み車
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揚水車(ようすいしゃ)や水車(みずぐるま)、ジャバラとも呼びます。
田んぼが用水や溜め池より高い場所にあるとき、田んぼに水を入れるために使う道具です。
放射状につけた羽根の先端部に人が乗り、足で踏んで回転させ、水を汲み上げます。
江戸時代から昭和時代まで使われました。

田下駄(たげた)

田下駄
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湿田(年中水の張った田んぼ)での田仕事や、苗代(なわしろ)(稲の苗を育てる場所)の代踏み(しろふみ)(踏んで平らにならす作業)に用いる道具です。
近代以降に乾田化が進められるまでは一年中水を含んだ湿田が各地にあり、胸まで沈む田んぼも珍しくなく、そうした田んぼでの仕事に欠かせませんでした。
昭和20年代まで使用している地域がありました。

田の草取り機(手押し除草機)

田の草取り機
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田打車(たうちぐるま)・タグルマ・コロガシ・タウチコロガシとも呼びます。水田の草取りに使われた道具です。
この道具が発明されるまでは腰を屈めて手作業で草取りを行っていましたが、立ったまま草取りが行えるようになりました。
作業効率が大きく高まり、1日に8反歩(約80アール)も草取りができるという意味合いのハッタンドリ・ハッタンボという異称もありました。
明治時代末から昭和時代まで使われました。

田舟(たぶね)

田舟
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湿田で使われます。
田植えや稲刈りのときに苗や刈り取った稲を入れて浮かべ、人が引いて運搬する小型の舟です。
弥生時代から長く使われており、乾田化が進められる近代以前は湿田が多かったため、全国各地で使われていました。

くるり棒

くるり棒
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雑穀の脱穀に使われました。唐棹(からさお)とも呼びます。
柄を両手に持ち、上下に振ると、先が回転して、筵(むしろ)に広げた雑穀の穂を平たく打ってさやから実を出します。
稲扱きのような脱穀は「梳き(すき)」と呼ばれるのに対し、くるり棒のような脱穀は「打穀(だこく)」と呼ばれます。

足踏み脱穀機(あしふみだっこくき)

足踏み脱穀機
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足で踏板を踏むと円筒状の扱胴(こきどう)が回り、扱胴についた逆V字型の針金でできた歯に穂先を当てて籾を取ります。
動かしたときの音からガーゴンとも呼ばれました。
お米も飛び散るので注意が必要です。
明治時代末から昭和時代中期まで使われていました。

唐箕(とうみ)

唐箕
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風力を利用して玄米と籾殻(もみがら)を分ける道具です。
ハンドルを回すと風が起き、籾殻を含んだ玄米を上から入れると、玄米の粒は重いのでそのまま下に落ちますが、籾殻は風に飛ばされ、別の口から出てくる仕組みになっています。
江戸時代から昭和時代中期まで使われていました。

鴻沼資料館とは

鴻沼一帯は低湿地であり、水害によってたびたび被害を受けてきました。
昭和31年(1956)に近隣の人びとによって「鴻沼排水関係二ヶ土地改良区連合」(以下、組合)が結成され、排水路の改修や排水機場の設置を行いました。
組合は地域の開発の歴史を後世に残すため、地域住民から寄贈された農具等の民俗資料の展示を中心として「鴻沼資料館」を設置しました。
平成4年(1992)に組合は事業完遂のため解散しましたが、資料館は浦和市に寄贈され、平成7年(1995)から浦和市立郷土博物館(現・さいたま市立浦和博物館)の分館として公開されてきました。
平成13年(2001)5月にさいたま市が誕生すると、浦和くらしの博物館民家園の分館となり、平成23年(2011)4月からはさいたま市立博物館の分館となって現在に至ります。

鴻沼資料館外観

鴻沼資料館地図

※今回の企画展ではインターネット上で見られる「デジタル展示」を公開しています。こちらも合わせてご覧ください。 → こちら

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