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更新日付:2024年4月1日 / ページ番号:C112838

結核の基礎知識

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結核は過去の病気ではありません。

 結核は、約2千人が命を落としている日本の主要な感染症であり、今でも年間1万人以上の新しい結核患者が発生しています。さいたま市保健所管内では、令和4年に新たに96人の方が結核と診断されました。
 咳やたんが2週間以上続く、微熱や倦怠感(体のだるさ)が続く場合は、結核にかかっている可能性があります。早めに医療機関を受診しましょう。
 また、結核の早期発見のため、定期的に健康診断を受けましょう。

 

結核ってどんな病気?

結核とは、結核菌が人から人に感染することによって主に肺に炎症を起こす病気です。結核菌は重症の結核患者のせきやくしゃみで飛び散り、それを別の人が吸い込むことによってうつります。(空気感染)

電子顕微鏡で見た結核菌
「電子顕微鏡で見た結核菌」

電子顕微鏡で見た「結核菌」直径0.3から0.4ミクロン、長さ2から4ミクロンの
小さな細長い細菌です。
(1ミクロンは1ミリメートルの1,000分の1)

結核の初期症状は?

結核の初期の症状は、風邪にそっくりなので見過ごされがちです。以下のような風邪によく似た症状が2週間以上続く場合は、結核の可能性も心に留めて医療機関を受診し、胸部レントゲン検査を受けましょう。

  • せき
  • たん
  • 微熱

感染するとすぐに結核になるの?

結核菌を吸い込んでも(感染しても)、生涯のうちで実際に結核になるのは(発病するのは)、10人に1~2人程度で、全員が結核を発病するわけではありません。
体の免疫の働きによって、結核菌の増殖が抑えられている場合は発病しません。しかし結核菌はしぶとい菌なので、免疫の力だけでは菌を完全に殺すことはできません。そのため、体内に残った結核菌は、休眠状態で生き続け、私たちの免疫力が弱るチャンスをひそかに狙っています。
乳幼児や高齢者、糖尿病などの生活習慣病があったり、栄養状態が悪い場合など、免疫力が低下している場合に、結核菌の増殖を抑えられないことがあります。肺の中で結核菌が増え続けると、肺の組織に障害を与え、これが結核の発病です。
結核菌に弱みを見せないようにするには日々の健康管理が大切です。

結核の検査

結核の検査には、胸部レントゲン検査、IGRA検査、ツベルクリン反応検査、喀痰検査などがあります。

胸部レントゲン検査

胸部レントゲン検査

ほとんどの結核は、肺に病巣をつくります。
そのため結核の早期発見には、胸のレントゲン検査が有効です。
職場健診や市の検診などを積極的に利用して、年に1回は胸部レントゲン検査を受けましょう。
結核・肺がん検診についてのお問い合わせは、各区役所保健センターへ

IGRA検査

IGRA検査イラスト
IGRA検査

血液検査によって、結核の感染を調べることができます。1回の採血で検査することができ、BCGワクチンの影響を受けないため、ツベルクリン反応検査に変わって、多く実施されています。
(補足)この血液検査は、一般の健康診断等では行わない検査です。

ツベルクリン反応検査

ツベルクリン反応検査

IGRA検査と同じく、結核の感染を調べる検査です。
結核に感染すると、体の中に免疫ができるので、そのアレルギー反応をみる検査です。
(補足)上記のIGRA検査で有効な結果を得られにくい、乳幼児などに行います。

喀痰検査

喀痰検査
「赤く染色された結核菌」

痰をガラス板に塗って染色したものを顕微鏡で調べ、結核菌と思われるものが含まれているかを確認します(喀痰塗抹検査)。主に、結核発病を疑う患者さんに行う検査です。
この検査で菌がみつかると感染力が高く、入院治療が必要と考えられます。

結核の治療

現在は、結核によく効く薬があり、3から4種類の薬を6から9か月間毎日きちんと内服することによって治すことができるようになりました。痰の中に菌が出なくなれば、外来での治療が可能です。ただし、薬を飲んだり飲まなかったり、自己判断で勝手に飲むのをやめてしまうと、薬が効かないタイプの結核(薬剤耐性結核)になり治療が難しくなる可能性があります。
また、治療に際しては、公費負担制度があります。

よくある質問

質問.結核は増えているの?

回答.昭和初期の1935年から1950年にかけて、わが国では人口の10万人あたり700人以上の人が結核に罹り、結核は死因のトップでした。その後1951年に制定した結核予防法(現在の感染症法)に基づく対策、特効薬の普及、栄養状態や衛生状態の改善などで患者数は激減しました。しかし、今でも1年間に1万人以上の人が結核を発症しています。

質問.家族や知り合いが結核と診断されたら?

回答.家族や友人・職場などで接触の多かった人が結核と診断された場合、患者さんの病状によっては健診を受け、健康状態の確認をする必要があります。その場合、保健所から連絡があります。
患者さんの病状や健診を受ける方の年齢などでも、健診の時期や内容が異なりますので、詳しくは保健所へご相談ください。結核菌はゆっくり分裂するといった特徴から、感染をしてもインフルエンザや風邪のようにすぐには症状が出ませんし(すぐには発病しない)、検査をしてもすぐに結果に現れません。早い人でも6か月くらい経ってから肺に影ができたり、ツベルクリン反応検査やIGRA検査での反応がでてきますので、慌てず健診の時期をお待ちください。
(補足)患者の病状によっては保健所での健診が不要の場合もあります。

質問.結核患者は、必ず感染源になるの?

回答.結核患者全てが感染源になるわけではありません。痰の中に結核菌が混じるようになった場合は、他者への感染が問題になります。しかし適切な治療をすれば、2から3週間で痰の中の菌の量が急速に減り、感染の心配はかなり低くなります。
また、痰の中に菌が出ていない患者からは、他者へ感染させる可能性はとても低いとされていますので、外来での治療が可能です。

質問.自宅などの消毒方法は?

回答.結核菌は太陽光線による紫外線では2時間から3時間で死滅し、換気を十分に行えば感染の危険性はなくなるとされていますので、通常は生活環境や衣服などを消毒する必要はありません。

質問.レントゲン検査での被ばく量は?

回答.胸部のレントゲン検査の被ばく量は、1枚につき0.061ミリシーベルトです。健康を損なう恐れがないといわれている被ばく量は年間50ミリシーベルト以下ですので、仮に1日に胸部レントゲン写真を2枚ずつ、毎日撮っても支障はないと考えられます。

質問.レントゲン検査の、間接撮影と直接撮影とは?

回答.間接撮影は主に集団検診に用いられ、写真自体が縮小されています。直接撮影は、一般的な撮影方法で等身大に写ります(保健所の健診は直接撮影です)。被ばく量は間接撮影のほうが多くなります。

質問.BCGの予防接種とは?

回答.BCG接種は、結核菌から体を守るために免疫をつける方法です。発病を完全に防ぐことはできませんが、発病する可能性を低くし、発病したとしても重症になるのを防ぐ重要なワクチンです。特に乳幼児は、結核性髄膜炎などの重症の結核になる恐れがありますので、必ず接種するようにしましょう。接種時期は生後5か月から8か月未満が標準とされています。
詳しくは結核研究所ホームページを参照ください
jata.or.jp/index.php(新しいウィンドウで開きます)

この記事についてのお問い合わせ

保健衛生局/保健所/感染症対策課 感染症対策係
電話番号:048-840-2204 ファックス:048-840-2230

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