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更新日付:2024年3月29日 / ページ番号:C090631

ラオスへの技術協力30周年!

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 当局では1992年からラオスに対して専門家派遣や研修員の受入等を通じて水道分野の技術協力を行っており、今年で協力開始から30年を迎えることができました。この大きな節目となる年を記念して、さいたま市がこれまで行ってきた技術協力の取り組みをご紹介いたします。

1 技術協力の始まり(1990年代)

さいたま市のラオスに対する国際協力は、国際厚生事業団(JICWELS)による調査団に団員として職員を派遣したことから始まりました。これは、当時の厚生省(現厚生労働省)からの要請を受け、日本がラオスに対して実施する技術協力の具体化に向け、日本の水道事業体がラオスに対してどのような支援ができるのか確認することを目的として実施されたものです。この調査を契機に当局とラオスにつながりが生まれ、1994年には初めて国際協力機構(JICA)の短期専門家として職員を6か月派遣しました。
当時のラオスは水道普及地域も限られており、国民生活を改善する目的から、水道を始めとした各種インフラの整備やそれらの基礎となる計画の策定が求められていました。そのような状況において、さいたま市も専門家の派遣を通して上水道の拡張整備に係る計画策定支援などを行うほか、各種調査団への参加やラオス研修員の受入など、継続したラオスへの技術協力を行ってきました。

1990年代の写真

水道分野の協力に関する協議
JICWELS調査団による

技術協力の具体化協議 

JICWELS調査団集合写真
JICWELS調査団集合写真 
井戸の使用状況調査 
井戸の使用状況調査

2 JICA技術協力事業への参画(2000年代)

ラオス国公共事業省は1999年に全国の給水計画を策定し、2020年までに都市部の人口の80%に対して安全な水道水を供給することを目標に(2002年時点で48.9%)、上水道施設整備とその運営のための人材育成に取り組み始めました。しかし、拡大する水道施設に対して人材が質量ともに不足することが懸念されていたため、水道事業全体に関わる職員の人材育成を目的に、JICAの技術協力プロジェクト※¹である「水道事業体人材育成プロジェクト」が2002年より3年間に渡り実施されました。さいたま市からも長期専門家及び短期専門家の派遣やラオスから研修員受入を行い、水道事業に関わる人材育成を支援しました。
2006年には、さいたま市が提案し採択されたJICAの草の根技術協力事業※²である、「配給水管維持管理能力技術向上支援事業」が開始されました。この事業では一つ目に、2005年に終了した人材育成プロジェクトのフォローアップを目的として、研修講師の育成や各部門に特化した研修内容の作成を行いました。また、二つ目の目的として別の事業で実施されていた浄水場の拡張工事により、不足していた水圧が改善する一方で、老朽化した管路からの漏水が増加することが想定されたため、事態に速やかに対応できる組織・体制づくりが実施されました。

※¹ JICA技術協力プロジェクト:JICAの専門家の派遣、研修員の受入れ、機材の供与という3つの協力手段(協力ツール)を組み合わせ、一つのプロジェクトとして一定の期間に実施される事業です。実施主体はJICAであり、さいたま市はJICAより依頼を受け、知見を有する職員を専門家として派遣しているほか、研修員の受入にも協力してきました。
※² JICA草の根技術協力事業:日本のNGO、大学、地方自治体及び公益法人の団体等がこれまでに培ってきた経験や技術を活かして企画した、途上国への協力活動をJICAが支援し、共同で実施する事業です。さいたま市が提案し、JICAより採択・業務委託を受けた事業について、職員の派遣や本邦研修生の受入れを行ってきました。

2000年代の写真

首都ビエンチャンで実施した節水キャンペーン(人材育成プロジェクト)
 首都ビエンチャンで
実施した節水キャンペーン
(人材育成プロジェクト)
現在でも活用されているテキストブック(人材育成プロジェクト)
現在でも活用されている
テキストブック
(人材育成プロジェクト)
漏水探知デモ(草の根_首都ビエンチャン)
漏水探知機器の
デモンストレーション
(草の根技術協力)
接合演習(草の根_本邦研修)
水道管の接合演習
(本邦研修)(草の根技術協力)

3 覚書の締結による協力の本格化 (2010年代)

2010年より2年間は、首都ビエンチャン水道公社とさいたま市水道局において職員の交換研修プログラムを実施しました。これは、両組織で将来水道事業の中核を担う中堅職員を相互に派遣し、研修を実施するもので、両組織により独自に企画・実施したプログラムです。
2011年には水道分野の技術協力に関する覚書を首都ビエンチャンと締結し、ラオスとさいたま市の関係性が一層強固なものとなりました。それまで20年の技術協力を背景に首都ビエンチャンより姉妹都市締結の要請があったことをきっかけとしたもので、姉妹都市自体は実現しなかったものの、正式に技術協力の覚書を結ぶことで、その後の国際協力事業の本格化と拡大につながり、現在はパートナーシップ都市に位置付けられています。
2012年には「水道公社事業管理能力向上プロジェクト(通称:MaWaSUプロジェクト)」(JICA技術協力プロジェクト)を埼玉県企業局や川崎市上下水道局、横浜市水道局と協力しながら5年間にわたり実施しました。ラオスではこれまでの技術協力により短期的な計画策定やモニタリングの枠組みは一定の水準で整備されたものの、自力で長期計画を策定することが難しい水道公社や、ドナーなどの支援により策定された計画を更新できないといった水道公社が多く見受けられたため、事業計画策定能力の向上を目的として、全国の水道公社を主なターゲットとし、JICAが世界中で実施する技術協力プロジェクトの中でも特に大型のものとして実施されました。
2016年には2011年に締結された技術協力に関する覚書を、中部に位置する首都ビエンチャンに加え、北部のルアンパバーン県、南部のカムアン県の、3都県水道公社に対象をに拡大した形で締結し、現在につながるラオス全土への協力体制が構築されました。

2010年代の写真

専門家の指導@ルアンパバーン県(MaWaSU)
専門家の指導(ルアンパバーン県)(MaWaSU)
専門家の指導@カムアン県(MaWaSU)
専門家の指導(カムアン県)(MaWaSU)
分科会(水質)(MaWaSU)
分科会(水質)(MaWaSU)
水道教室(MaWaSU)
水道教室(MaWaSU)
プロジェクトセミナー(MaWaSU)
プロジェクトセミナー(MaWaSU)
配水管布設現場見学(本邦研修)(MaWaSU)
配水管布設現場見学(本邦研修)(MaWaSU)
覚書締結@首都ビエンチャン
覚書締結(首都ビエンチャン)
覚書更新@さいたま市
覚書更新(さいたま市)

JICA2事業の実施・連携による協力拡大(2022年現在)

2012年より実施されたMaWaSUプロジェクトがラオスより高い評価を受けたことにより、後続のプロジェクトとなる「水道事業運営管理能力向上プロジェクト(MaWaSU2)」(JICA技術協力プロジェクト)が2018年より開始されました。このプロジェクトでは、従来の全国水道公社の支援に加え、水道行政(国と県)への支援も本格的に着手し、水道事業の主要な関係者である水道公社、公共事業運輸省(国の水道担当行政)、公共事業運輸局(県の水道担当行政)の役割分担の在り方や制度を検証するなど、ラオスの水道セクターのあるべき姿を模索する活動にも取り組んでいます。ラオス水道関係者の悲願であったラオス水道協会も、MaWaSU2の活動の中で2020年12月に設立が実現し、水道セクターの研修事業や調査・研究事業の実施が期待されています。
MaWaSU2の実施に際してはMaWaSUプロジェクトに参画していた埼玉県企業局、川崎市上下水道局、横浜市水道局に、JICAを加えた5者間で、プロジェクト実施に係る連携協定を締結し、ラオス-さいたま市の継続的な関係性に加え、国内関係組織間においても連携強化を図りました。
同じ2018年には、「水道公社における上水道管路維持管理能力向上支援事業」(JICA草の根技術協力事業)を開始しました。この事業では漏水の削減を上位の目標として、施工マニュアル整備や施工管理体制の改善、適切な材料の選定と管理などを通して、水道管の維持管理能力と管理体制強化を目指しています。
2020年度と2021年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、短期の職員派遣と研修員の受入を実施することができませんでしたが、MaWaSU2の長期専門家派遣は継続し、プロジェクト活動を維持しました。従来から積極的に取り入れていたウェブ会議ツール、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)、オンラインストレージ等をフル活用することにより、渡航や現地のおける対面での活動に制限がある中で、できる限りの活動とフォローアップを実施しました。
草の根技術協力事業の対象は首都ビエンチャン、ルアンパバーン県、カムアン県の3水道公社ですが、個別に作成された成果物(マニュアル等)を統一し、MaWaSU2の全国展開活動を通じて全国に水平展開を行うといった、技術協力プロジェクトと草の根技術協力事業の連携活動も積極的に実施することにより、両事業においてより高い成果の達成を目指しています。

2020年代の写真

分科会における専門家の指導(MaWaSU2)
分科会における専門家の指導(MaWaSU2)
水道行政ワークショップ(MaWaSU2)
水道行政ワークショップ(MaWaSU2)
カムアン県における水道教室(MaWaSU2)
カムアン県における水道教室
(MaWaSU2)
老朽管更新現場における指導(MaWaSU2)
老朽管更新現場における指導 (MaWaSU2)
配水管施工管理の指導(草の根技術協力)
配水管施工管理の指導
(草の根技術協力) 

給水管の耐圧試験(草の根技術協力)
給水管の耐圧試験 
(草の根技術協力)

施工管理の技術指導(草の根技術協力)【トリミング処理】
施工管理の技術指導
(草の根技術協力) 
施工現場における残留塩素確認(本邦研修)(草の根技術協力)
施工現場における残留塩素確認(本邦研修)(草の根技術協力)

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