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更新日付:2024年2月5日 / ページ番号:C075900

岩槻郷土資料館展示web解説(その3)

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岩槻郷土資料館展示解説(つかのこし古墳出土品)

つかのこし古墳は岩槻駅の北西3キロメートルほどの岩槻区大字馬込字一番にかつてあった古墳です。
綾瀬川を望む台地上にあったといわれ、現在、墳丘などの遺構は全く見ることはできず、所在した詳しい位置などは不明です。
発見された遺物は保管箱に収められ、馬込にある満蔵寺に保管され、旧岩槻市に寄贈されました。
この保管箱に記された「発掘物件目録」よると、大正13年3月3日に発掘されたもので、「刀剣4(大2、小2)、坩1、瓶1、坏1、金環2、矢ノ根25、弥生式土器1」となっています。
当時撮られた写真と現在残る資料とで見ていくと、刀剣類は、直刀と思われ大型のもの3、小型のもの1となります。
目録にある「坩、瓶、坏」は須恵器の長頸壺・フラスコ形壷・坏の3点です。
鉄鏃(矢ノ根)は25点とありますが、細かく割れており、それらを数えたようです。
「弥生式土器」は壺形土器であり、保管箱には東京帝室博物館に寄贈されたと記されています。
現在金環を除く遺物は岩槻郷土資料館に保管され、展示されています。
この時の発掘の様子は、明らかではありませんが、砂利を敷いた十字形の穴が発見されたようで、埋葬部分に礫床があった可能性が考えられます。
岩槻区内には浄安寺境内から人物埴輪の出土があり、竹ばた遺跡からは横穴式石室と思われる石室の一部が発見され、何基かの古墳が所在していたようです。

つかのこし古墳の出土品については、平成8年3月8日付で、市指定有形文化財(考古資料)に指定されています。
出土品の内、直刀は、大型のもの3点、小型のもの一点出土しています。
このうち大型の1点の鍔の分と、鈨(はばき)の部分に銀象眼が施されていることがわかりました。
象嵌と言えば行田市にある埼玉古墳群の稲荷山古墳から出土した「金錯銘鉄剣」は身部に115文字の人名、年号、地名などが刻まれていることが明らかになり、古代史の研究の上では重要な資料として国宝に指定されたことは皆さんもよくご存じのことと思います。
この鉄剣は、素材の上を彫りこみ、そこに金を嵌め込んだものですが、つかのこし古墳出土の直刀は銀を嵌め込んだものです。
文字ではなく、蕨手状、C字状、直線的な文様が彫られています。
こうした大刀は、「飾り大刀」と呼ばれ、武器として実用的なものではなく、儀礼的なものといわれて、武人の長である人物が所有していたものと考えられています。
埼玉県内からは県北部を中心に40例ほど発見されていますが、県南部や県東部での発見は珍しいものといえます。
鉄製品のため、保存上の問題もあり、常時展示を行ってはいませんが、ケース内にあるX線写真などによって、象眼の施された飾り大刀をご覧いただければと、思います。

つかこし
大正時代に出土品を保存した保存箱(つかのこし古墳関連資料)

つかこし1
長頸壺(つかのこし古墳出土品)


その2 岩槻城の模型


その4 児玉南柯関連資料

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