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更新日付:2023年11月23日 / ページ番号:C099896

さいたま市立博物館第47回特別展「さいたまの埴輪」展示資料紹介(1)

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第47回特別展「さいたまの埴輪」展示資料紹介(1)

第47回特別展「さいたまの埴輪」 では、市内の古墳や古墳跡から発見された各種の埴輪や関連する資料を、約170点展示しました。このページでは、実際の展示構成に沿って、第1章の主な資料を紹介します。

第1章 埴輪の晴れ舞台

第1章では、桜区中島で発見された「本杢南(ほんもくみなみ)古墳」(本杢遺跡第1号墳)で出土した埴輪を展示しました。また、展示ケースの中央には、発掘調査で判明した古墳を取り巻く周溝(しゅうこう)の形や埴輪の出土位置、推定される埴輪の元々の設置位置を、12分の1の縮尺で模式復元しました。
 

馬形埴輪

本杢南古墳 馬形埴輪 前から本杢南古墳 馬形埴輪 後ろ
本杢南古墳 馬形埴輪 各面
ポスターなどに掲載した馬形の埴輪です。丸い目と、しっかり再現された馬具が特徴です。
馬具は赤く彩色されています。県内の馬形埴輪としては初期のものです。
 

第1号女性人物埴輪・第2号女性人物埴輪

本杢南古墳 1号女性 右前から本杢南古墳 2号女性 左前から
本杢南古墳 1号女性 各面本杢南古墳 2号女性 各面
髪の毛は髷(まげ)を結い、糸状の耳飾りや勾玉の首飾りを身に着けた女性をあらわした埴輪です。
第1号女性人物埴輪は、右手に注ぎ口のついた容器を持っています。

第3号男性人物埴輪・第4号男性人物埴輪

本杢南古墳 3号男性 右前から 本杢南古墳 4号男性 左前から
本杢南古墳 3号男性 各面本杢南古墳 4号男性 各面
丸い被り物を身に着け、髪の毛は下げ美豆良(みずら)を結い、刀をたずさえた男性をあらわした埴輪です。
第3号男性人物埴輪は右手を上げており、馬の手綱を引く姿ではないかとも考えられています。
第4号男性人物埴輪は上半身のみの復元ですが、刀を肩にかついだ様子がわかります。胸には船のような模様が描かれています。

第5号男性人物埴輪・人物埴輪破片

本杢南古墳 5号男性 左前から
本杢南古墳 5号男性 側面本杢南古墳 人物埴輪破片
冠状の被り物をした男性とみられる埴輪です。
頭の部分以外は復元できませんでしたが、同じ埴輪のものの可能性がある破片がみつかっています。

朝顔形埴輪・円筒埴輪


本杢南古墳 円筒埴輪の展示これまでの発掘調査で、円筒埴輪は70本以上が出土しました。本杢南古墳では、周溝の内側の縁と墳丘の裾との間に平坦な部分があり、そこに円筒埴輪や朝顔形埴輪が墳丘を囲むように置かれていたのではないかとみられます。
埴輪の表面の仕上げ方や細部のつくりには、いくつかの種類がみられます。つくった人や時期に差があるのではないかと考えられています。また、埴輪の表面には、「×」字形のヘラ書きが刻まれているものがあります。


本杢南遺跡 朝顔形埴輪本杢南古墳 円筒埴輪
左:朝顔形埴輪(展示No.1)/右:円筒埴輪(展示No.E)

本杢南古墳円筒埴輪1本杢南遺跡 円筒埴輪第14号土坑
左:円筒埴輪(展示No. 1):凸帯の上に2本の線が引かれています。/右:円筒埴輪(第14号土坑):上部のみ表面のハケ目が横方向になっています。

本杢南古墳 円筒埴輪No.24本杢南古墳 円筒埴輪No.24本杢南遺跡 円筒埴輪No.24
円筒埴輪(展示No. 24):2本の凸帯の間の透かし穴のほか、上部にも小さな透かし穴が開けられています。

埴輪の出土状態と元の設置位置

人物埴輪と馬形埴輪は、古墳を囲む周溝が西側で途切れ、陸橋状になっている箇所のすぐ南側でまとまって出土しました。出土した位置と向きから、元々の配列は、陸橋に近い側から 【1】第1号・第2号女性人物埴輪→【2】第3号・第4号男性人物埴輪→【3】馬形埴輪→【4】第5号男性人物埴輪 の順と推定されています。馬形埴輪は陸橋側を向いており、人物も同じ向きだったとみられます。
 

埴輪の産地

埴輪に使われている材料の土や形の特徴は、戸田市の南原第7号墳で出土した埴輪のものと類似しています。南原第7号墳の埴輪は、5世紀後半に姥ヶ沢埴輪窯(熊谷市)で作られたものと考えられており、本杢南古墳の埴輪も、同時期に同じ姥ヶ沢埴輪窯跡でつくられたものと考えられています。
 

本杢南古墳(本杢遺跡第1号墳)

本杢南古墳の位置本杢南古墳は、桜区中島一丁目、中島小学校の北東側の台地の先端部に位置しています。本杢遺跡という遺跡の中にあり、昭和55年(1980)、下水道工事の際に円筒埴輪が発見され、古墳があるのではないかと考えられていました。平成22年(2010)の発掘調査で周溝の北東端が発見され、古墳があることが判明しました。平成29年(2017)には古墳の南半分にあたる範囲の発掘調査が行われ、古墳周溝の形が明らかになったほか、人物埴輪や馬形埴輪などが出土しました。現在は住宅地になっています。
つくられた時期は、出土した土器などから、5世紀後半とみられます。近隣には、7世紀の方墳である本杢古墳(市指定史跡)、時期が判明していない円墳の日向(ひなた)古墳などがあります。

参考文献

  • さいたま市遺跡調査会報告書第120集『本杢遺跡(第12地点)』(2012)

  • さいたま市遺跡調査会報告書第223集『本杢遺跡(第13地点)』(2022)

続きはこちら

>第2章 埴輪を知る

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価格:600円
規格:A4版、カラー、48ページ

郵送でのやり取りで購入することもできます。詳しくはこちらのページをご覧ください。

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教育委員会事務局/生涯学習部/博物館 
電話番号:048-644-2322 ファックス:048-644-2313

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