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小児外科

ごあいさつ

誰もが必ず新生児、小児期、学童期を経て成人になります。
私たち小児外科は一般的に脳、心臓、筋骨格疾患を除く、胸部、腹部の治療や手術を行う小児の外科です。治療範囲は広く、顔面から四肢まで全身に渡ります。対象年齢は出生前の胎児から新生児、乳児、幼児、学童まで、性別は男女問わず、幅広く治療を行っています。
対象疾患もまた広範囲に渡ります。先天性奇形、外傷、急性疾患、腫瘍など様々です。臓器別では、消化管(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、虫垂、大腸、肛門)、腹部実質臓器(肝臓、膵臓、脾臓など)、泌尿生殖器(腎臓、膀胱、子宮、卵巣、精巣、外性器)、呼吸器(喉頭、気管、肺、縦隔)、その他(鼠経部や体表)などです。

当院の特徴としましては1998年から取り組んでいる鼠径部疾患の腹腔鏡手術です。特に小児鼠径ヘルニア、停留精巣は腹腔鏡術後長期のフォローを試みております。また、周産期母子医療センターを併設しており、産婦人科、新生児科との連携が充実しております。胎児診断、新生児手術に24時間対応した病院設備、スタッフが揃っています。
当院は地域の中核病院であり、大学病院、こども病院と比較すると規模は大きくありません。しかし、産婦人科、新生児科、小児科をはじめとした各科との意思の疎通が密接であり、診療、検査、治療、フォローアップ、外来までスムーズに行っています。更に思春期以降になっても、成人の科への移行の相談をスムーズに行うことができます。結果として患者さんにとってより身近でよい医療を提供させていただくことが可能となっています。
2020年1月からは新病棟設立に伴い、産婦人科、新生児科、小児科、小児外科が1つのフロアーとなります。また、国立成育医療研究センター外科、移植外科、東京都立小児総合医療センター、埼玉県立小児医療センターなどのこども病院との連携や慶應義塾大学病院などの研究機関との連携を随時行っております。

当科の診察は、可能であれば医療機関の紹介状があると便利です。診察前に患者さんの情報を知る事ができますので、スムーズに診察が行えます。しかしながら、どうしても急ぎの場合や困っている方は、当日診察、検査も対応いたしますので是非いらしてください(少しお待ちいただくことがあります)。コロナ渦ではありますが、手術のタイミングに関しましても、できるだけ柔軟に対応できるように努力し、早期の手術が必要であればそのような手配をしております。詳しくは予約センターに一報お電話いただき受診してください。

診療内容

年間の手術数、その内訳について 

2021年4月~2022年1月 手術件数(外来処置含む)

部位

術式

件数

部位

術式

件数

頭頚部

副耳(介)切除術

1

泌尿・
生殖器

卵巣嚢胞穿刺 

1

気管切開

1

精巣固定(経陰嚢的)

3

喉頭気管分離

3

腹腔鏡補助下精巣固定術

9

舌小帯形成手術

5

腎盂尿管形成

1

胸部

胸腔鏡下 肺嚢胞切除術

2

膀胱ろう造設[経皮的]

1

胸腹裂孔ヘルニア手術

2

尿膜管摘出術

1

胸腔鏡下肺部分切除

1

精巣上体のう胞切除 

1

胸腔鏡補助下漏斗胸手術

2

精巣垂切除

1

漏斗胸バー抜去

1

尿道下裂形成手術

3

腹壁

腹腔鏡下鼡径ヘルニア修復

61

尿道切開

1

臍ヘルニア修復

5

環状切除[男性]

3

消化管

先天性食道閉鎖症根治手術

1

包茎手術:Y-V形成法

1

内視鏡的食道・胃静脈瘤治療
(硬化または結紮療法)

1

包皮剥離

2

腹腔鏡補助下内視鏡的胃瘻造設

1

陰唇癒着剥離

5

腸回転異常整復[小腸]

1

腫瘍

腫瘍全摘出

2

小腸小腸吻合

1

皮膚・皮下腫瘍摘出術

3

小腸切除

2

卵巣病巣切除

1

開腹 小腸瘻閉鎖術

1

検査

気管支鏡

11

腹腔鏡下 Meckel憩室切除

1

下部消化管内視鏡

4

瘻孔切除

1

上部消化管内視鏡

8

虫垂切除術(開腹)

1

直視下生検[小腸]

1

腹腔鏡下 虫垂切除術

11

内視鏡下生検[大腸]

1

腹膜外ドレナージ

1

腫瘍生検

1

腹膜癒着剥離

2

透視下造影

1

腹腔鏡補助下ヒルシュスプルング病手術

2

膀胱鏡

2

結腸ろう造設[一時的]

1

その他

中心静脈栄養用埋込型カテーテル設置

16

人工肛門造設[一時的]

3

中心静脈栄養用埋込型カテーテル摘出

1

人工肛門閉鎖

1

創傷処理(筋・臓に達しない)

4

痔瘻根治術:瘻管摘出

1

皮膚切開 10cm未満

2

肛門周囲膿瘍切開術

22

デブリードマン

1

鎖肛手術:仙骨会陰式形成術

1

全術式 計

265

摘便

33

当院で手術をお考えの患者さんとご家族の方に(PDF形式 85キロバイト)

診療内容(外来)

午前は、子どもに関連するすべての症状・疾患に対応する総合診療を行っております。午後は検査・手術を行っております。

1診 吉田 史子 大野 通暢
(午前)

中野 美和子
 

(排便外来)

大野 通暢
(午前)
吉田 史子
(午前)
2診 入江 理絵
(午前)
入江 理絵
(午前)

診療と並行して各種検査、手術をおこなっております。
手術日は火曜日午後、水曜日、金曜日となっております。

スタッフ

氏名 役職 資格
大野 通暢 部長 医学博士
日本小児外科学会専門医・指導医
小児慢性特定疾病指定医
日本外科学会専門医・指導医
日本がん治療認定医・小児がん認定外科医
臨床研修指導医
身体障害者福祉法第15条指定医
(小腸機能障害、ぼうこう又は直腸機能障害)
東京都立小児医療センター外科勤務(2011年~)
国立成育医療研究センター外科勤務(2012年~)
吉田 史子 科長 日本小児外科学会専門医
小児慢性特定疾病指定医
日本外科学会専門医
臨床研修指導医
入江 理絵 医長 日本小児外科学会専門医
小児慢性特定疾病指定医
日本外科学会専門医
中野 美和子 非常勤 日本小児外科学会指導医
小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン作成委員
日本トイレ研究所アドバイザー

対象となる疾患

主なものを挙げています。また疾患ごとの説明、手術適応に関しましてはその状況に応じて変更することがあります。ご了承ください。また各疾患の詳細は日本小児外科学会のホームページに解説されております。ご参照ください。開かない場合は[Ctrl]キーを押して左クリックするとリンク先のページが開きます。

当院の手術について(※適宜更新いたします)

  • 当院の鼠径ヘルニア根治術につきまして(PDF形式 475キロバイト)
    鼠径ヘルニアは腹腔鏡下の根治手術を行っています。創はほとんど残りません。入院は1泊2日あるいは2泊3日です。
  • 臍ヘルニア(PDF形式 118キロバイト)
    臍ヘルニアはご希望がありましたら、腹腔鏡下での鼠径部の観察も行っています。入院は1泊2日あるいは2泊3日です。
  • 停留精巣(PDF形式 96キロバイト)
    停留精巣も腹腔鏡を応用して創の残りづらい精巣固定をしています。
  • 食道閉鎖、消化管閉鎖、横隔膜ヘルニア、臍帯ヘルニア、腹壁破裂、鎖肛などの新生児疾患は24時間体制で対応しています。周産期センターでは母体搬送も受け入れています。
  • 胆道閉鎖症(たんどうへいさしょう)は黄疸消失率95パーセント、長期生存率80パーセントです。減黄不良例に関しましては必要に応じて国立成育医療研究センター移植外科チームや慶應義塾大学外科移植班と連携治療を行っています。
  • ヒルシュプルング病は範囲の短い腸管であれば、肛門から手術を行う、経肛門式soave伝田法、距離の長いものでは人工肛門造設後に腹腔鏡併用プルスルー法を行っています。
  • 鎖肛(さこう)は高位、中間位型に仙骨会陰式(肛門括約筋をなるべく切開しないStephen式)肛門形成術を施行しています。機能温存を目指して治療しています。
  • 漏斗胸手術は胸腔鏡を併用し、胸の両側に小さな創が残るだけの「Nuss法」を行っています。
  • 固形悪性腫瘍は小児科腫瘍班,放射線治療部と連携して集学的治療を行う準備をしています。
  • 泌尿器疾患(包茎、埋没陰茎、尿道下裂、水腎症、夜尿症など)は、慶應義塾大学病院小児泌尿器科と連携して手術を行っています。
  • 交通事故などによる腎臓、肝臓、脾臓、膵臓(すいぞう)等の破裂。消化管内、気管内異物などの救急疾患も受け入れています。

当科はNational Clinical Databaseに参加しています

この事業は日本全国の手術・治療情報を登録し、集計・分析することで医療の質の向上に役立て、患者さんに最善の治療を提供することを目指すプロジェクトです。
我が国において良質な医療を提供するために、どのような場所でどのような医療が行われているかを把握する必要があるとの考えに基づき、2010年に日本外科学会を基盤とする外科系諸学会が協力して「一般社団法人National Clinical Database(以下NCDという)」が設立されました。 現在、我が国のほとんどの施設の外科系診療科がこの事業に参加しており、当科も参加しています。この事業に参加している診療科は、施行したすべての手術のデータをNCDに登録します。現在、我が国で行われている外科手術の95%以上が登録されている状況です。このビッグデータを分析することにより、全国の平均的な手術成績が正確に分かり、この情報が各施設へフィードバックされることによって、個々の施設診療科での医療の改善に役立っています。

NCD登録においては、患者さんのお名前を登録することはありません。したがって、それ自体で患者さん個人を容易に特定することはできないようになっていますが、患者さんに関わる重要な情報ですので厳重に管理されています。 このNCD登録は患者さんの協力に基づくものですので、ご自分のデータを登録されたくない場合は登録を拒否して頂くことができます。担当医へお伝え下さい。登録を拒否することで、日常の診療等において患者さんが不利益を被ることは一切ございません。以下のリンクでNCDからの患者さんへの広報をご覧いただけます。 患者さんのデータの蓄積によって私たち小児外科医療が成り立っております。ご協力よろしくお願いいたします。

業績


2019年度

学会発表

第32回日本内視鏡外科学会総会

H31.12.6

横浜

当院における小児腹腔鏡下腹膜鞘状突起

閉鎖術2000例の検討

大野通暢、

遠藤昌夫、

入江理絵、

吉田史子、

中野美和子

第76回直腸肛門奇形研究会(Pediatric Surgery Joint Meeting 2019)

H31.10.17

大阪

直腸膣瘻を伴うクラリーノ症候群の1例

吉田史子、入江理絵、大野通暢
第17回埼玉県小児外科研究会

R1.9.6

大宮

術後長期胆汁うっ滞肝機能障害を認めた

多発小腸閉鎖の治療経験

入江理絵、大野通暢、吉田史子
第54回日本小児外科学会関東甲信越地方会

R1.10.25

誌上開催

当院で経験した陰嚢内精巣外腫瘤4例 入江理絵、大野通暢、吉田史子

第27回小児集中治療ワークショップ

R1.10.19

大阪

胆道閉鎖後の部分的脾動脈塞栓術の適応

-当院4例を振り返って-

入江理絵、大野通暢、吉田史子
論 文

特発性間質性肺炎に合併した難治性気胸に対して

自己血パッチ療法を施行した一例

日本小児救急医学会雑誌19(1):69-72、

2020

大野通暢

食道閉鎖症根治術・腹部食道バンディング解除術を

施行した18トリソミーの1例

日本小児外科学会雑誌55(4):823-827、

2019

吉田史子、

富田紘史、

中野美和子

その他

第32回日本内視鏡外科学会総会

H31.12.6

横浜

SurgicalForum36 小児外科上部消化管 座長

大野通暢

 
 
2020年度

論 文

Long-term observation of airway

reconstruction using decellularized

tracheal allografts in micro-miniature

pigs at growing stage.

Regenerative Therapy. 2020 15:64-69

Michinobu O、

Yasushi F、

Masataka H、

Tetsuji Y、

Makoto K、

Akihiro U、

Huai-Che Hsu、

Shin E、

Tatsuo K

Fluorescence-Guided Surgery with

Indocyanine Green for

Hepatoblastomain a Child.

Journal of Surgery & Transplantation Science.

2021 7:1080

Michinobu O、

Yasushi F、

Akihiro F、

Yutaka K、

Takako Y、

Tomoro H


 2021年度

学会発表

第58回日本小児外科学会学術集会

R3.4.28~30

(オンデマンド)

横浜

当院における腹腔鏡下腹膜鞘状突起閉鎖術

3022例の検討

大野 通暢、

遠藤 昌夫、

吉田 史子、

入江 理絵、

中野 美和子

第37 回日本小児外科学会

秋季シンポジウム

R3.10.30

東京

幼若豚を用いた脱細胞化気管による気道再建

 

大野 通暢、

渕本 康史、

許懐哲、

絵野沢 伸、

古村 眞、

古村 浩子、

山岡 哲二、

黒田達夫

第34回日本内視鏡外科学会総会

R3.12.2~4

(オンデマンド)

神戸

A case of recurrent inguinal hernia caused

by spermatic cord lipoma

Michinobu

Ohno

第58回日本小児外科学会学術集会

R3.4.28

(オンライン)

横浜

新型コロナウイルス感染拡大下の小児外科医療

〜当院における現状

吉田史子、

入江理絵、

大野通暢

第34回日本小児救急医学会学術集会

R3.6.21

(オンライン)

奈良

当院小児外科における働き方改革を考える

吉田史子、

入江理絵、

大野通暢

第58回日本小児外科学会学術集会

R3.4.28

横浜

当院における全身麻酔下下部消化管内視鏡検査の

適応について

入江理絵、大野通暢、吉田史子
埼玉県小児外科研究会

R3.9.3

(オンデマンド)

経腸栄養管理に難渋している小腸閉鎖症の1例

-第2報-

入江理絵、大野通暢、吉田史子
第31回日本小児呼吸器外科研究会

R3.10.28

東京

自然気胸における単孔式胸腔鏡下手術の検討 入江理絵、大野通暢、吉田史子
論 文
【消化管重複症のすべて】頸部食道重複症の1例 小児外科53(9):908-912、2021  

大野 通暢、

金森 豊

Jejunal Atresia with Hirschsprung’s Disease

A Case Report. J Reg Med Biol Res.

2021;2(2):1-6

Ohno M, et al.

Fluorescence-Guided Surgery with Indocyanine Green

for Hepatoblastoma in a Child.

J Surg Transplant Sci.2021;8(1):1080

Ohno M、

Fuchimoto Y、

Fujino A、

Kanamori Y、

Yoshioka T、et al.

その他

第58回日本小児外科学会学術集会

R3.4.28

横浜

要望演題 3 小児呼吸器外科の新展開

 (VATS のメリット、晩期合併症など) 座長

 

大野通暢

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