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組織の細胞分裂を妨げる作用を持つ高いエネルギーの放射線を腫瘍などの病巣部分に照射する治療法です。がんを治療する方法は、外科的手術、化学療法、放射線治療の3つが基本となりますが、放射線治療はその一翼を担っています。
当院では最新の治療装置を2台導入し、3次元照射などの通常照射に加え強度変調放射線治療(IMRT ; Intensity Modulated Radiation Therapy)やピンポイントに照射する定位放射線治療(SRT ; Stereotactic Radiation Therapy)などの高精度放射線治療に対応しております。
汎用型リニアック True Beam
(バリアンメディカルシステムズ)
定位放射線治療機 Cyber Knife(アキュレイ)
・正常組織の形態や機能を温存しつつ腫瘍を消失させる(根治療法)
・進行がんや転移による疼痛、血流障害、神経障害、麻痺症状を緩和させる(緩和療法)
・手術前の腫瘍縮小効果や手術後の再発予防(補助療法)
メリット
・組織の形態や機能を残したまま、外科手術の様に病巣の治療ができる
・外科手術では難しい身体の奥深い部分の治療を行うことが可能
・通院での治療も可能
・照射中は放射線による痛みを感じないため、身体的負担が少ない
デメリット
・外科手術のように肉眼で見ながら治療することができない
・疾患によって治療回数が多くなり長期間(最大2か月程)の治療が必要
・疾患によって治療時間が1時間程度になることがある(通常は15分~30分程)
・治療が進むにつれ放射線による副作用が生じる可能性がある
当院の放射線治療は、外部照射と呼ばれる体外から放射線を当てる方法です。患者さんの病巣や病状、検査結果などから医師が適切な照射法や照射線量、治療回数などを決定します。
~治療の流れ~
1.医師との診察によって治療が決定した場合は、治療計画用のCTを撮影します。このとき治療を受ける体勢が決まりますが、苦痛が少なく治療が受けられるように患者さんに聞き取りをしながら決定していきます。
2.撮影したCT画像をもとに他の検査と組みあわせて医師が治療計画を立案します。
3.治療計画が立案されると診療放射線技師が計画通りに照射できるかを検証し、治療開始に備えます。
4.治療は医師の指示のもと診療放射線技師によって行われますが、治療期間中は看護師によるサポートや医師による診察を適宜行い多職種で協力し合いながら進めていきます。
当院には常勤の放射線治療専門医をはじめ、放射線治療専門放射線技師、医学物理士、放射線治療品質管理士、がん放射線療法看護認定看護師が連携を行い、適切に対応してまいります。放射線治療に関するご不明やご不安な点などございましたら、お気軽にお声がけください。また、他院紹介による治療も行っております。他院の方は地域連携室からお問い合わせください。